HOP!薬剤師

『Musubi』が薬剤師と患者さんのコミュニケーションを手助けしてくれる

東京都板橋区にある「りおん薬局 志村坂店」は、在宅訪問医療を中心におこなっている地域密着型の調剤薬局です。「りおん薬局 志村坂店」で働く薬剤師の方々は、患者さんとのコミュニケーションを何よりも大切にしています。そのため、処方箋を持って来院された患者さんと、長いときでは15分近くじっくりお話をすることもあるそうです。

 

「私たち薬剤師にとって大切なのは“支援”。管理というと、どうしても薬剤師が上、患者さんが下という上下の関係になってしまいます。そうではなくて、患者さんに寄り添いながら手と手を取り合って支え合う関係性を大切にしたい。そのためには、患者さんとたくさんコミュニケーションを取りながら、日常生活を知ることが大切なんです」

 

そう話すのは、「りおん薬局 志村坂店」の管理薬剤師を務める平井文朗(ひらい・ふみお)さん。彼は、在宅訪問医療の重要性が叫ばれる10年以上も前から、在宅を専門に数々の現場で活動している経験豊富な薬剤師です。

 

「医療と患者さんを繋ぐ」という株式会社カケハシの理念に共感し、同社が開発・提供している電子薬歴システム「Musubi」をいち早く導入。患者さんとのコミュニケーションに役立てています。

 

※「Musubi」の詳しい内容については、下記の記事をご覧ください。

⇒薬剤師に新たな価値を!電子薬歴システム「Musubi」に込められた開発者の想い

 

「Musubi」は、患者さんへの服薬指導と生活アドバイスを自動で提案できる「電子薬歴システム=時間短縮・業務の効率化」と思われがちですが、「りおん薬局 志村坂店」では、少し違った使い方をしているそうです。一体どのような場面で「Musubi」を使用し、患者さんとのコミュニケーションにどう役立てているのか、管理薬剤師の平井文朗さんにお話を伺いました。

 

リオン薬局の平井さん

話を伺った人:平井文朗(ひらい・ふみお)さん

りおん薬局志村坂店 管理薬剤師。株式会社FiNE代表。薬剤師を招いての講習会やセミナーでの講師としても活躍している。

服薬指導は患者さんの生活を把握するためのひとつの手段

社会人 ストレス

――「りおん薬局 志村坂店」は、「Musubi」を導入した第一号店だと伺いました。

平井さん:そうなんですよ。「Musubi」がリリースされた直後に導入したのですが、非常に使いやすいなと思いました。患者さんにお薬をお渡しする前に、過去のデータを記録した「Musubi」を見れば、薬歴や健康状態、服用している薬をもとにした、その人にとって今必要なワンポイントアドバイスがひと目でわかるんです。

私はこれまで11年間、在宅訪問医療を専門にやってきたのですが、患者さんにとっての真のかかりつけというのは、その方の生活を把握することだと思っています。そのためには、対面でのコミュニケーションがとても重要なんです。

だから私は、患者さんとは一方的な薬の説明はあまりせず、必要に応じてしっかりとお話させていただいています。例えば、最初は「処方するのがどんなお薬なのか」「どうして飲む必要があるのか」というお話をします。けれど、1ヶ月、2ヶ月、半年、1年と患者さんと接する機会が増えるにつれて、お薬よりも日常会話のボリュームが多くなっていくんですよね。

――日常会話というのは、具体的にどんなことを患者さんとお話されるんですか?

平井さん:患者さんとの関係値にもよりますが、「今日はちょっと顔色が悪いけれど、きちんと眠れていますか?」「暑い日が続いていますが、ご飯食べられていますか?」という具合に、患者さんの表情や顔色、歩き方を瞬時に察知してさまざま角度から質問を投げかけてみるんです。

そうすると、「実は最近食欲がなくて」「仕事が忙しくてなかなか食事を摂れていなくて」と打ち明けてくれるようになります。その方の生活に一歩踏み込んだ話を積み重ねることによってコミュニケーションが深まり、より質の高い支援につながると思うんです。

――服薬指導というと、処方された薬の効果効能や副作用、症状に合わせた薬の正しい飲み方を、口頭で患者さんに説明してその場だけでの関係でおしまい、というイメージがありました。

平井さん:それは、これまで患者さんとのコミュニケーションを疎かにしてしまった、薬剤師に責任があると思っています。服薬指導をおこなう目的が「薬歴を書くこと」になっていて、本質を忘れてしまっている薬剤師さんが多い気がしてならないんです。

――本質を忘れる?

平井さん:私が考える服薬指導というのは、患者さんの生活を知るためのひとつの手段。患者さんが抱えている悩みを把握することで、その方にとって今必要なアドバイスをできるようになります。相談に来てくれた患者さん一人ひとりが、健康で豊かな生活を送れるようにすることが我々薬剤師が果たすべき目的であり、役割であると思うんです。

「Musubi」は薬剤師が患者さんとの間にある“川”を安全に渡るためのコミュニケーションツール

リオン薬局

――目的と手段がズレてしまうと、患者さんの課題解決の糸口となる服薬指導も業務の一環になってしまいますね。「Musubi」を使うことで、これまで手作業でおこなっていた時間が短縮され、コミュニケーションという重要な価値に時間をかけられるようになりますね。

平井さん:そうですね。講演会やセミナーでもお話をさせていただくのですが、患者さんと薬剤師の間には、目に見えないコミュニケーションという川が流れています。その川は、激しい流れの濁流かもしれないし、小川のようにゆったり静かに流れる清流かもしれないし、幅の広い川かもしれない。

「Musubi」は、私たちと川の向こう側にいる患者さんとの距離を縮めてくれるツールだと思っています。薬局は、物腰が柔らかくて愛想も良く、自分から歩み寄ってくれる患者さんだけを支援する場所ではないはずです。

どんなに厳しそうに見える怖そうな方でも、「先日お出ししたお薬は残っていますか?」とひと言声をかけるだけで、「実はまだ残っているんです」と答えてくださいます。薬が残ってしまうのは、薬が飲みづらいからなのか、忙しくて忘れてしまうからなのか、人それぞれ必ず理由がありますから、日常生活に一歩踏み込んだ質問を投げかけて話を深堀りしていくんです。

患者さんと目を見てお話をすることで分かりづらい体調、モチベーションといった“今”の状態を、顔色や声のトーンから読み取れるようになるんですよ。

――食事や睡眠時間など生活に関する情報をどれだけインプットできているかで、患者さんの今求めているアドバイスや一人ひとりのライフスタイルに則した支援やサポートの質も変わっていきますね。

「Musubi」は若手薬剤師の自信を手助けしてくれる

リオン薬局2

平井さん:サポートといえば、「Musubi」は駆け出しの若手薬剤師の教育にも役立つと思っています。服薬指導の際、若手の薬剤師さんが抱えている悩みに、「患者さんと何を話したらいいのかわからない」「症状を伺ってもなかなか答えてもらえない」というものが挙げられます。これも、先ほどお話した「薬歴を記入すること」が目的になってしまっていることに原因があるのかもしれません。

「Musubi」は、多くの薬剤師や管理薬剤師、経営者の方々にヒアリングをして、課題解決・改善に向けたコンテンツを反映させていると伺っています。「Musubi」を通して、経験豊富な薬剤師の知識やスキルを一台で何万人もの薬剤師さんの間に共有されるんです。

――若手だけではなく、転職したてで薬局の患者像を把握しきれていない薬剤師さんも、「Musubi」から得た情報を実践しながら、受け答えの引き出しを増やしていけるんですね。

平井さん:そうなんですよ。たとえば、漢方薬を投薬する患者さんへの服薬指導画面に、ジェネリック内服薬をすすめるスライドが表示されたとしましょう。「今日処方しているお薬は漢方ですが、ジェネリックに変更できる内服薬があった場合は変更しましょうか」といった提案方法につなげられます。もちろん、その反対も然り。

また、「症状が強いときは、お湯に溶かして飲んでくださいね」という具合に、その方の生活スタイルや健康状態に応じてアドバイスができるようになっていくんです。「Musubi」は、患者さんへカウンター越しに服薬指導をおこなうときに、緊張してどもってしまったり、頭が真っ白になってしまったり、自信がない薬剤師さんの手助けになりますよね。

――「りおん薬局 志村坂店」では、「Musubi」患者さんとのコミュニケーションを円滑にするためだけのものではなく、若手薬剤師の方々の学習ツールとしても活用できると考えていらっしゃるんですね。

平井さん:今まで手入力していた患者さんの薬歴を、すべて自動でおこなってくれるため、業務の効率化にもつながっています。薬局によって、「Musubi」の使い方はさまざまですし、正解はありません。私たちのように、患者さんとの時間を優先するためのツールとして使うのもひとつの方法ですし、若手の教育に使うのもひとつの使い方です。

良いか悪いかではなく、大切なのが「本当に患者さんのためになっているか」ということですよね。患者さんが「あそこに行けば何でも相談できる」と思ってもらえる、心の拠り所となる存在であり続けたい思います。

まとめ

リオン薬局

「忙しくて時間がないから」「薬歴を書かないといけないから」といった理由から、患者さんとのコミュニケーションに時間をかけられず、関係構築に悩む薬剤師はたくさんいます。「Musubi」は、自分に自信のない若手薬剤師の手助けや患者さんとのコミュニケーションを後押ししてくれる、画期的なツールなのです。

りおん薬局 志村坂店

住所:東京都板橋区 東坂下1-9-5 2階

営業時間(平日):9:30~17:30

営業時間(土曜日):9:30~17:00

閉局曜日:日曜、祝祭日

HOP!ナビ
HOP!ナビ-関わるヒトすべてをポジティブに-
さまざまな業界で「今の仕事に悩む人」がより自分らしく働くためのサポートをするメディアです。
詳しくはこちら

関連記事

薬剤師の「困った」を即解決!薬剤師限定コミュニティ「ヤクメド」…

「患者からの問い合わせにうまく対応できない」「医師とのコミュニケーションがうまく取れない」 こうした薬剤師の悩みを解決するのがコミュニティサイト「ヤクメド」です。 今回はサービスの魅力…

  • 🕒
  • 2020.06.29更新

未来まで継続・発展する薬局を一緒に作りたい|経営の専門家が語る…

薬局の経営支援を行う石黒さん。「未来まで継続・発展する薬局を一緒に作りたい」という想いの下、さまざまな薬局経営者の伴走者として、薬局を発展させる取り組みを行っています。 石黒さんの薬局経営…

  • 🕒
  • 2020.06.23更新

患者が抱える問題を薬剤師としてどう解決できるのか?ファミリー薬…

神奈川県横浜市にある「ファミリー薬局横浜神大寺店」は、訪問服薬指導やセルフメディケーションに力を入れています。 「患者さんの生活環境や食生活を把握して、ストレスのない提案をしていきたい」と…

  • 🕒
  • 2020.06.23更新

薬剤師という肩書きに捉われない。等身大で患者と向き合う岡本さん…

大手製薬会社でMRとして活躍後、2年程前に薬剤師として再スタートを切った岡本翔佑さん。数々の営業実績を残していた岡本さんが、製薬会社を辞めてまで薬剤師にキャリアチェンジしたワケと地方薬局の目指すべき…

  • 🕒
  • 2020.06.23更新

専門性を生かして働きたい!緩和薬物療法認定薬剤師として日本調剤…

今回は、日本調剤株式会社(以下、日本調剤)で緩和薬物療法認定薬剤師として活躍する原田寿(はらだひさし)さんを取材しました。 緩和ケア・在宅医療の現場で働きたいと考えるようになったきっかけや…

  • 🕒
  • 2020.06.12更新

薬局業務を全面サポート!薬局薬剤師のための画期的サービス「kusud…

「患者とのコミュニケーションにもっと時間を使いたい」「業務の無駄をなくしたい」 そんな薬剤師の思いを実現してくれるのが薬局業務支援システム「kusudama(薬玉)」です。 一体どのようなサ…

  • 🕒
  • 2020.06.09更新

<求人>漢方薬剤師の新しいカタチ目指す。

話を伺った人:住吉忍(すみよし・しのぶ)さん 神奈川県鎌倉市大船にオフィスを構える『株式会社ウィメンズ漢方』の代表を務める。複数の不妊治療専門クリニックで漢方外来も担当している。西洋医学と…

  • 🕒
  • 2020.06.08更新

「くすりのしおり®」で薬剤師さんと患者さんのコミュニケーションが…

こんにちは。「HOP!ナビ薬剤師」編集担当の与那覇です。 皆さんは「薬を飲んで症状が良くなった!」という経験だけでなく、「薬を飲んだら、かえって身…

  • 🕒
  • 2020.05.27更新

「あのアニメのお爺さんも漢方薬剤師!?」台湾の研究機関に突撃取…

自由に伸び縮みする6本の手に、黒くて丸いサングラスが特徴的なキャラクター。皆さんは、 スタジオジブリが2001年に公開した『千と千尋の神隠し』に登場する釜爺をご存知ですか? 釜爺とは、物語の舞台となる ...

  • 🕒
  • 2020.05.27更新

【ヤクジョ取材】薬剤師が転職サイトを使うメリットをエージェント…

薬剤師が転職するとき、「転職エージェント」を活用するのは当たり前の時代になりました。 ※そもそも転職エージェントって何をするの? 「転職をしたい」と考えている相談者に、希望条件にあった企業を…

  • 🕒
  • 2020.05.27更新

漢方薬剤師が「もうやんカレー」の香辛料を監修!漢方に秘められた…

こんにちは。ライターの渡辺です。今日は、東京都新宿区にある「漢方の氣生」 にお邪魔しています。「漢方の氣生(き…

  • 🕒
  • 2020.05.27更新

スポーツファーマシストが語る!ドーピングが禁止される2つの理由

この記事の目次ドーピング禁止の理由は『選手の健康』と『スポーツの価値』を守るためドーピングに手を染めてしまう理由は『名誉』と『重圧』『昨日の食事』で陽性に?高い精度のドーピング検査による弊害ドーピング ...

  • 🕒
  • 2020.05.18更新