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薬剤師が物申す!2018年11月後半のニュース|ディオバン事件、2審も会社、元社員ともに無罪 他

今年は暖冬だそうですが、朝晩は冷え込みが厳しくなってきましたね。風邪をひかないようお気をつけくださいね。

さて今回も薬剤師関連のニュースをご紹介していきます。毎月気になるニュースが多く飛び交っていますが、今回はどのようなニュースがあったのでしょうか。

11月後半に起きた薬剤師関連のニュースから3つをピックアップしてご紹介していきましょう。それぞれのニュースに対して薬剤師目線からのコメントもしていきます。

ディオバン事件、2審も会社、元社員ともに無罪

ニュース概要

ノバルティスファーマ社の降圧剤(一般名バルサルタン、商品名ディオバン)を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件の控訴審で11月19日、東京高裁は薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員、白橋伸雄被告とノバ社に対して、一審の無罪判決を支持、検察側の控訴を棄却した。

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エムスリー 2018/11/19

コメント

「ディオバン事件」をみなさん、ご存知でしょうか。降圧剤として販売されていたディオバン(一般名:バルサルタン)は当初、血圧を下げるだけでなく心血管系のリスクを低下させる効果もあるとして販売されていました。

他の降圧剤にはない効果があると宣伝されていたため、ディオバンを積極的に使う医師も見られたほど、ディオバンの効能は広く知られていました。

心血管系リスクを低下させると記載された論文が発表されたためです。ところが、心血管系のリスクを低下させるというデータは実は虚偽のデータであり、そのような事実はなかったことが後からわかったのです

臨床研究をした大学と、ディオバンを製造しているノバルティス社とが裏でつながっており、不正データを公表していたことがわかりました。

今回のニュースでは、不正データに関与したノバルティス社の元社員が無罪になったというものです。

ディオバンのデータが嘘だったと知ったときは、私もとてもびっくりしました。今から6年ほど前、私が病院実習をしていた大学5年のころ、当時面倒を見てくださっていた薬剤師に「ディオバンは他の降圧剤と違って、心血管系のリスクも減らせるんだよ。すごいでしょ。」と言われたのを今でも覚えています。

同種同効薬の違いについて一生懸命勉強していた私にとって、ディオバンは別格の薬のようなイメージさえありました。

しかしそれが嘘だったなんて物凄く憤りを感じます。騙されたとさえ思いました。私たち薬剤師や医師、薬学生など薬に関わるすべての方は、薬のデータに関しては論文やメーカーが発表していることを信じるしかありません。

誰も嘘が公表されているなんて思うはずがないのです。このディオバン事件のせいでどれだけの方が犠牲になったでしょうか。医療従事者だけでなく、ディオバンを投与されていた患者さんも被害者です。

今回は元社員もノバルティス社も無罪になったとのことですが、ニュース内にもある通り“故意に虚偽情報を渡して学術論文を作成、発表させる行為は何らかの規制が必要”であるという考えをぜひとも忘れずに今後の対応をしてほしいものです

添付文書電子化、概ね賛同‐紙媒体の製品同梱を廃止へ

ニュース概要

8日の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会では、医薬品の添付文書情報を電子化する方向で概ね賛同を得た。法改正により、製造販売業者が製品の外箱にQRコードを表記し、医療機関や薬局が最新情報に迅速にアクセスできるようにするなどの方策を盛り込む。

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薬読 2018/11/12

コメント

調剤をしていると、新しい箱を開けるたびに入っている添付文書がもったいないと感じることがありませんか?同梱されている添付文書って、ほとんどそのまま捨てることが多いかと思います。

薬局から出るゴミのほとんどが、使われないまま捨てられている添付文書なのではないでしょうか。私が働いたことのある薬局はどこも山のように添付文書が捨てられていました。

「うちの薬局だけでもこれだけの添付文書が捨てられているのだから、日本全国の薬局を合わせるとものすごい量の添付文書が毎日捨てられているのでは?」と思ったことがある方はきっと私だけではないはずです。

ところがついに、添付文書が電子化されることになったというのです。お薬手帳が電子化されているのになぜ、添付文書は電子化されないのだろうとずっと思っていたのですが、ついに電子化されることになったんですね。

電子化されるのは医療用医薬品だけであり、要指導医薬品や一般用医薬品は含まれません。

薬局や病院に実習に来ている薬学生にとっては、添付文書は学校では習わないような情報がてんこもりであるため「添付文書コレクション」を作って手元にためておくこともあるでしょう。

しかし実際に薬剤師として現場に出ると添付文書を確認する機会は意外とありません。ペーパーレス化することでムダな資源を使わなくて済むのは大きな利点でしょう。

しかし電子化された添付文書にはもちろん問題点もあります。電子化された添付文書は箱に印字されたQRコードからアクセスすることで読めるのですが、逆に言えば災害時や電気が通っていないときなどは読めなくなるということです

紙の添付文書のようにペンで印をつけたりマーカーを引いたりすることもできません。このように添付文書が電子化されることはメリットもデメリットもあります。従来の紙の添付文書と同じような利便性を残したまま電子化されることを期待したいですね。

日米の医療の違いとは?

ニュース概要

日米の違いは医療保険制度に帰宿するのではないかと思っています。特記すべきは日本の保険制度は国民皆保険でその気になれば貧富の差に関係なく、誰でも全国津々浦々診療を受けたい病院で診てもらいたい医師の診療を受けることができる点だと思います。つまり日本の制度は患者側に主点を置いた、それはそれで素晴らしいものだと思います。

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エムスリー 2018/11/18

コメント

日本の医療は保険があるから安い、一方でアメリカは保険料も高ければかかる医療費も高いというのはとても有名な話ですね。

しかしまさかここまでアメリカの医療費が高いとは思ってもみませんでした。1ドルが110円とすると800ドルは約88,000円。

こんな大金を毎月個人で払うのはとてもきついはずです。無職の方だと毎月2,000ドル=220,000円の負担となります。無職の方がこの金額を払えるはずもないので、もちろん保険には入れません。

ニュース全文を読んでもらうとわかるのですが、MRIを撮っただけで約150万円も請求されるアメリカ。恐ろしくて病院になど行けそうにありません。お金がなくて必要な医療を受けられない方が出てしまうのもこれはうなずけます。

このニュースを読んで、「アメリカの医療費は高すぎ」と思ったのと同時に「これだけ高ければ嫌でも薬剤師の地位は上がるだろう」とも思いました。

アメリカの薬剤師の平均年収をご存知ですか?なんと約1,200万円もあるのです。日本の薬剤師の平均年収の倍ほどもあります。

もちろん年収が高いだけあって、薬剤師に任されている仕事の量は日本とは比べ物になりません。アメリカでは病院にかかると恐ろしいほどのお金がかかるため、医師ではなく薬剤師に相談に行く流れが定着しているのです。

そのため薬剤師の仕事内容は多岐にわたります。薬剤師がインフルエンザの予防接種をすることもできるんですよ

よく日本では「もっと薬剤師の地位を上げよう」という話が持ち上がることがあります。あまりに年収差のあるアメリカの薬剤師のように、日本の薬剤師の年収を上げようといった動きもときおり見られます。

確かに日本の薬剤師はもっともっと医療に深く関わって薬剤師としてのレベルを上げていくべきだとは思います。

しかしアメリアの薬剤師のような地位になることは難しいのではと、このニュースを読んで感じました。そもそも患者さんが薬剤師に求めていることが日本とアメリカとでは違いすぎるのです

日本でも病院にかかることで何十万、何百万とかかるのなら今のようにちょっと風邪を引いたくらいでは病院に行かないでしょう。

市販薬を買ったほうが安いのなら、ドラッグストアや薬局に足を運ぶはずです。でも実際はそうではありません。検査内容や処方される薬の種類によっては市販薬を買うよりも、病院にかかった方が安いことが普通にあります。

薬剤師の地位を上げたい、処方せんがなくても薬局に足を運んでくれる患者さんを増やしたいという気持ちはわかりますが、根本的な保険制度がアメリカと日本では違いすぎるため、日本の薬剤師がアメリカの薬剤師の活躍できる日はまだまだ難しいかもしれません

まとめ

今回は、

  • ディオバン事件
  • 添付文書の電子化
  • アメリカと日本の医療制度の違い

の3つのニュースをピックアップいたしました。私個人では、とくに添付文書の電子化に驚きましたね。

ほとんどゴミとして捨てられるあの添付文書がついに電子化されるというのは驚きのニュースです。これからどう導入されていくのかが楽しみですね。

この記事を書いた人
薬剤師兼ライター
まりもさん
薬学部を卒業後、新卒でドラッグストアに就職。暗算が苦手なため調剤ではなくドラッグストアという道を選択。現在はライター業をメインに活動中。 ドラッグストアでの勤務経験を活かし、市販薬の説明記事や薬剤師の転職お悩みを解決する記事などを執筆を担当。
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