HOP!薬剤師

専門性を生かして働きたい!緩和薬物療法認定薬剤師として日本調剤で働く薬剤師を徹底取材

今回は、日本調剤株式会社(以下、日本調剤)で緩和薬物療法認定薬剤師として活躍する原田寿(はらだひさし)さんを取材しました。

緩和ケア・在宅医療の現場で働きたいと考えるようになったきっかけや、緩和薬物療法認定薬剤師としての今後の展望について詳しくお話を伺いました。

緩和薬物療法認定薬剤師に興味がある方、もしくは認定資格を生かしてキャリアを構築したい薬剤師はぜひ最後までお読みください。

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

▼原田寿さん

日本調剤の原田寿さん

緩和薬物療法認定薬剤師を目指したきっかけ

緩和薬物療法認定薬剤師を目指した原田寿さん

ーもともと緩和薬物療法認定薬剤師になることを目指していたのですか?

いいえ、在宅療養していた祖母を間近で見ていたこともあり、元々は在宅医療に携わりたいと考えていました。そのためには医療従事者としての広い視野を持つことが大事だと感じ、新卒で病院に就職しました。
そこで2年ほど経験を積んだあと、在宅医療を専門としている調剤薬局に転職したんです。

その薬局では在宅医療はもちろん、緩和ケアにも積極的に取り組んでいたので、そこで初めて緩和ケアに足を踏み入れました。

最初は在宅医療の経験をしっかり積みたくて転職したのですが、緩和ケアに取り組むうちに「この分野をもっと深く知ることが、患者さまの役に立つのではないか」と思うようになったのです。

ー働くなかで緩和ケアの重要性に気付いたのですね

生きている以上、必ず「死」というものがついて回ります。どんな経緯をたどるにせよ、亡くなるまでに病気によるつらさや苦痛を感じる場面がありますよね。

従来はそれらに対して「治療」というアプローチが主流でしたが、最近では苦痛を和らげる「緩和ケア」というアプローチが定着してきました。

緩和ケアは患者さまにとって大きな価値があり、今後も必要とされている方が増えていくと考えています。

ー患者さまの「死」に近いところで働くのは、精神的につらい部分も多いかと思うのですが…

そうですね、最初の1、2年は患者さまに感情移入しすぎで苦しかった時期もありました。
そんな時、ある看護師さんに「患者の死は患者のものだから、あなたが苦しむ必要はない。泣いても悲しんでもいいけど、思い入れをしすぎると逆に失礼になってしまう」という言葉をもらったんです。

「確かにそうだな」と痛感し、患者さま・家族に寄り添って医療を提供しつつ、死を前にした際の大切な時間を過ごして良い旅立ちをしていただくお手伝いをする、というように自身の考えが変わることで気持ちが楽になりました。

そういった助言をくださる方が周りにいたのは幸運でしたね。

認定資格を生かして柔軟な働き方ができる日本調剤へ転職

日本調剤に転職した原田さん

ー日本調剤に転職したきっかけを教えてください

前職の調剤薬局は小規模の薬局だったので、もっと規模の大きい薬局で、在宅医療・緩和ケアのスキルを生かして在宅医療の仕組み自体を良くしていきたいという思いがありました。
また、前職の勤務地は自宅から遠く、仕事とプライベートのバランスが崩れがちだったことから、転職を本格的に考えるようになりました。

条件に当てはまる職場を複数社検討したうえで、日本調剤が一番自分に合っていると感じ、転職を決意しました。

ー「認定資格を生かして働く」という観点だと、日本調剤とほかの薬局はどのような違いがあるのでしょうか?

日本調剤は、対応している専門分野の幅がほかの薬局よりも広いですね。

通常、専門分野を扱っている薬局でも「がん領域に特化」といったように、一つの領域に絞られることが多いです。

そのため自分の専門領域にマッチした薬局を探すのに時間と手間がかかったり、転職先の職場で専門知識を生かせないといったケースも多いのです。

その点日本調剤は、在宅や緩和ケアだけでなく、がんや糖尿病など幅広い専門分野に取り組んでおり、どの分野でも資格を生かした高い専門性を発揮する働き方が可能です。

また全国に店舗があることも大きなメリットだと感じています。

在宅医療と一口に言っても、地域ごとに特色がまったく違います。たとえば方言があるようにそれぞれ地域の実情に則した形があります。

そんななかで全国に店舗を構えている日本調剤であれば、さまざまな地域の特性などをノウハウとして集約できるので、在宅医療全体の仕組みを変えていく提案も可能です。

ー資格や知識を存分に生かして働けそうですね

日本調剤では知識やスキルの専門性を高めるための「社内認定制度」があり、専門・認定薬剤師取得のサポートを受けられるだけでなく、取得後に資格手当が支給される制度もあるのです。

私も緩和ケアの社内認定試験を受けてみたのですが、認定を取得している私でも難しいなと思うほど良く作りこまれていました。

このように、これから専門性を身につけようとしている薬剤師はもちろん、すでに認定資格を持っている薬剤師に対しても自己研さんをサポートしてくれる制度があるのはありがたいですね。

ー先ほど触れた「仕事とプライベートのバランス」という観点ではいかがでしょうか?

すごく働きやすい環境だと思います。

全国に店舗があるので自宅に近い職場で働けますし、その分プライベートの時間も確保しやすいです。

また、一緒に働く薬剤師の考え方も柔軟です。

私は入社後、在宅・緩和ケアではなく、まず外来調剤をやりたいと希望を出しました。

というのも、これまで在宅や緩和ケアが専門だったこともあって、外来調剤をまったく経験してこなかったからです。

すると上長は「じゃあやってみようか」とすんなりと受け入れてくれました。外来調剤は初めての経験ばかりで、毎日が新鮮で楽しいです。窓口での服薬指導の場でも緩和ケアの知識を生かして患者さまをサポートすることができ、充実した日々を過ごしています。

ー企業として柔軟に対応してくれる文化があるのですね

今後は在宅医療の仕組みを変えるような活動をしたい

夢を語る日本調剤の原田さん

ー原田さんの今後の展望を教えてください

現状の在宅医療は、患者さまや薬の情報の提供方法が薬局や医療施設によってバラバラなので、医療関係者の中で混乱が起きてしまったり、情報が正しく伝わらないという課題があります。

だからこそ今後は、在宅医療の仕組みを変えていけるような活動をしていきたいですね。

たとえば情報提供に関する共通のフォーマットを作り、医療職や介護職などの在宅医療関係者に正しく情報が伝わるようにする、といった取組みです。

前職でも在宅についてさまざまな取り組みをしてきたのですが、「仕組みから作っていくこと」はできませんでした。

日本調剤の規模があるからこそ可能となる、スケールの大きなことをやっていきたいですね。

もちろん、在宅の現場で患者さまと向き合っていくことも続けたいと思っています。緩和薬物療法認定薬剤師としてのスキルや経験も生かしながら、職場のスタッフや地域の医療・介護職の方々とともに、患者さまの人生に寄り添い、支えていきたいと思います。

取材を終えて

在宅医療や緩和ケアの課題感、そして今後どのような医療の仕組みを作っていくか…熱く語る原田さんの姿はとても印象的でした。

そして原田さんの熱い思いをしっかり受け止め、活躍をサポートしてくれる日本調剤という存在もとても大きいようです。専門性は、それをフルに生かせる環境があってこそ花開くものだと痛感しました。

この記事が「専門性を生かして働きたい」と考えている方の役に立てれば幸いです。

日本調剤について詳しく知りたい方はこちら
https://www.nicho.co.jp/career/

※この記事は、弊社別メディア「ココファーマ」の記事を転載したものです。

HOP!ナビとは

転職やキャリアに関わるコンテンツを通じ、「今の仕事に悩む人」がより自分らしく働けるようにサポートしているメディアです。

不安のない転職活動や理想の転職先探しに役立ててもらうため、転職者や人材業界関係者へのインタビュー調査はもちろん、厚生労働省などの公的データに基づいたリアルで正しい情報を発信し続けています。

HOP!ナビ
HOP!ナビ-関わるヒトすべてをポジティブに-
さまざまな業界で「今の仕事に悩む人」がより自分らしく働くためのサポートをするメディアです。
詳しくはこちら

関連記事

緊急取材!「薬キャリAGENT」を特におすすめしたい人は?コロナ禍の…

医療ポータル「m3.com」を運営するエムスリーグループのサービスである「薬キャリAGENT」。 サービスの特徴や強み、薬キャリAGENTをおすすめしたい薬剤師、そしてコロナ禍の転職サポートにかける想いを…

  • 🕒
  • 2024.04.11更新

直撃取材!「ヤクジョブ」が追及する人と人を大切に繋げる転職とは…

クラシス株式会社が運営する薬剤師専門の求人サイト「ヤクジョブ」。 サービスの特徴や強み、そして転職サポートにかける想いを同社の営業担当清水さん、薬剤師の渡邉さんに伺いました。

  • 🕒
  • 2023.04.28更新

50歳以上で調剤未経験が応募条件?|I&H株式会社が展開するオールド…

阪神調剤薬局をはじめ、多くのグループ企業を束ねるI&H株式会社。 同社では、年齢を重ねた薬剤師のみを採用する「オールドルーキー制度」というユニークな制度が存在します。 制度の魅力を探るべく…

  • 🕒
  • 2021.12.21更新

地域社会で活躍できる薬剤師養成のために、青森大学が行う2つの取組…

地域社会で活躍できる薬剤師の養成に力を入れている青森大学薬学部。 今回は具体的にどんな取り組みをしているのか、詳しいお話を佐藤昌泰准教授に伺いました。 佐藤 …

  • 🕒
  • 2021.04.20更新

患者さんと医療機関の情報連携を円滑に。電子お薬手帳「harmo」が守…

Healthcare Service Providerとして、ひとの一生への貢献を目指すシミックヘルスケア・インスティテュート株式会社。 今回は電子お薬手帳サービス「harmo」について、同社の狩野さんにお話を伺いました。

  • 🕒
  • 2021.03.22更新

城西大学薬学部が「栄養・薬学アドバンストコース」に込めた想いと…

薬のみにとどまらず、栄養支援の知識も有した薬剤師の育成を目指されている城西大学薬学部。今回は城西大学薬学部に2020年度に新設された「栄養・薬学アドバンストコース」に関して、城西大学薬学部 薬学…

  • 🕒
  • 2021.03.16更新

社会に貢献できる薬剤師を育てたい。2021年に薬学部を新設する湘南…

社会のニーズが多様化する今、薬剤師の職域では医師や看護師といった多職種との連携・協働が推進され、医療への幅広い知識が求められるようになってきています。 そんな時代に対応できる薬剤師の育成を…

  • 🕒
  • 2021.02.25更新

薬剤師としてのスキルアップだけでなく、人と人のつながりを大切に…

現場で活躍する薬剤師や医師による講義を、オンラインで実施している北海道科学大学薬学部。今回は北海道科学大学薬学部の「生涯研修認定制度」について、北海道科学大学の今…

  • 🕒
  • 2021.02.02更新

地域医療に貢献する薬剤師を養成するために。大分大学の取り組みとは

薬剤師の育成・教育・専門性向上の支援を通じて、地域医療への貢献を目指す大分大学医学部附属病院薬剤部。 具体的な取り組みについて、薬剤部長の伊東さんに詳しいお話を伺いました。

  • 🕒
  • 2021.02.01更新

健康情報をすべての人に。『ヘルス・グラフィックマガジン』のこだ…

調剤薬局は、対人業務の重要性の高まりとともに「薬をもらうところ」から「健康相談ができる場所」に変化しつつあります。 そんななか、アイセイ薬局では従来の調剤薬局の役割から一歩踏み込んだ取り組…

  • 🕒
  • 2020.12.21更新

緊急性と安全性の両立を。地域医療においてベルランド総合病院が目…

高度急性期病院として、地域医療に貢献するベルランド総合病院。 今回は同院の薬剤部で活躍する薬剤師の皆さんにお話を伺いました。 ▽取材にご協力いただいた方々 ■小泉 …

  • 🕒
  • 2020.12.09更新

「コロナ禍でようやく理解された」月刊『最新医療経営 フェイズ・ス…

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療機関は患者数・処方せん枚数の激減といった深刻な影響を受けています。 厳しい経営に頭を悩ませる医療関係者も多いのではないでしょうか。 そこで今回…

  • 🕒
  • 2020.12.03更新