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薬剤師の生涯学習にもPDCAが必須に!学習の心得とポイントとは

こんにちは!栃木県宇都宮市の保険薬局で管理薬剤師を務めている船見です。

 

2016年度調剤報酬改定から始まった「かかりつけ薬剤師」制度では、かかりつけ薬剤師となるための条件として、薬剤師としての勤務年数や勤務先薬局での勤務時間や勤務年数に加えて、「薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度などの研修認定取得」という条件が定められています。

 

また、同様に2016年度から始まった健康サポート薬局制度においても、所定の研修を受講している薬剤師が常駐していることが要件とされています。

厚生労働省が2014年に発表した「薬局の求められる機能とあるべき姿」おいて、薬剤師が「薬剤師としての業務内容の向上に資する生涯学習に積極的に取り組んでいること」と、薬剤師の学習について言及されているように、これまで以上に薬剤師にとって、スキルアップ・生涯学習に取り組むことは、“あるべき姿”として重要な意味を持つと言えるでしょう。

 

この記事では薬剤師の学習のポイントや心得を私の経験を元にして紹介していきます。

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

生涯学習にもPDCAサイクルが必須に

上述のように、かかりつけ薬剤師となるための要件として研修認定の取得があり、その研修認定の1つに日本薬剤師研修センターによる「研修認定薬剤師」があります。研修認定薬剤師になるためには、4年間で40単位(1単位/1.5~4時間の研修、更新には3年間で30単位以上)を取得する必要があります。

一方で、この研修認定薬剤師制度については、疑問の声があることも事実です。単位となるシールを取得するためには、薬剤師研修センター所定の集合研修やインターネット研修などを受講する必要がありますが、それらの研修での習得内容や理解度については特に規定がないため、受動的な研修会への参加やインターネット学習であっても単位が取得可能となっており、“シール集め”と揶揄されることがしばしばあります

そうした状況を鑑みてか、研修認定薬剤師制度でも、2019年4月より認定申請の際に「生涯学習自己診断表(薬剤師生涯学習の指標項目)」1)の提出が必要2)になります。この診断表は、業務上必要となる知識と自身の知識の到達度とを自己点検し、そのギャップを埋めるべく学習計画を立てることを目的としています。

つまり、生涯学習においても、Plan-Do-Check-Action、いわゆるPDCAサイクルの実施が求められている、ということです。

薬剤師の学習の目的とは

そもそも「薬剤師の任務」について、改めて考えられたことはあるでしょうか?薬剤師法第―条には、こう記されています。

(薬剤師の任務)

第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

つまり薬剤師は、薬局に来る「患者さん」だけでなく、地域住民の健康な生活に役立つことが求められているわけです。そう考えれば、薬剤師が生涯学習を通じて学ぶべきことは自ずと見えてくるのではないでしょうか。それは、自身の業務を最低限こなすための知識にとどまることなく、患者さんを中心とした地域医療に貢献するための幅広い知識が求められる、ということになります。そして、それらの知識は単に研修会やインターネット研修での受動的な受講だけで得ることは難しく、反復学習、あるいは予習をしてから望む反転学習など、より能動的な学習への意欲が必要ということになります

学習に“目標”をもって臨むこと

自分の話をさせていただくのは恐縮なのですが、僕自身が研修会などに参加する際に気をつけていることがあります。それは、そのテーマについて、日常の業務で疑問に感じたり、失敗したりしたエピソードをしっかりと思い起こしてから研修会に臨むことです

「他人事」で話を聞くのと、「自分事」として話を聞くのでは、やはり身につき方の差は歴然としています。また、経験したことのない疾患や治療薬でも、関連した疾患・治療薬や類似した疾患・治療薬について、自分の知識を整理しておくことを心がけています。

そして、研修会を通じて得た知識を、業務の中で積極的にアウトプットをしていくことが重要だと感じています。実際に自分の知識と経験とが合致して初めて理解し、自分のものとして定着していくのだと感じます。そして、それが何より患者さんの健康に大きく寄与、つまり薬剤師の本来の任務として、社会に還元できることになっていくのだと考えます。

是非、多くの薬剤師の皆さんと一緒にこれからも切磋琢磨しながら、学習を続けていけたら、と思っています。

参考記事

この記事を執筆した人
パワーファーマシー
中央薬局 今泉店
薬剤師
船見正範
薬学部を卒業後、製薬企業の品質管理部門を経て、調剤薬局に転職。
社内のDI活動や、薬歴スキルアップ活動などを担当。地域の高齢者の薬物治療の適正化に役立ちたいと、高齢者薬物治療やEBMについて学び、その成果を学術大会などで発表を続けてきた。
現在は、地域の薬剤師仲間と、EBMや処方提案についての勉強会も主催している。
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