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こんにちは。ライターの渡辺です。今日は、東京都新宿区にある「漢方の氣生」 にお邪魔しています。「漢方の氣生(きお)」の代表である久保田佳代(くぼた・かよ)さんは、カレー専門店「もうやんカレー」に使われている香辛料の監修にも携わっています。
薬剤師が香辛料を調合するってどういうこと?久保田さんが一体どんな方なのか気になって仕方がなかったので、直接話を聞きに行ってみることにしました。
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
今回お話を伺ったのは、漢方歴20年の超ベテラン漢方薬剤師の久保田佳代(くぼた・かよ)さん。平成13年に「漢方の氣生」を開局。心理カウンセラーの資格も取得し、目の前の人とじっくり向き合うことを大切にしている。
生後2ヶ月の赤ん坊をおんぶしながら現場に立っていたほど、バイタリティ溢れるパワフルな女性。好きなお酒は赤ワインで趣味はお料理。
1.漢方薬剤師がカレーの香辛料を調合
渡辺:久保田さんは、「もうやんカレー」の香辛料を調合していらっしゃるんですよね?薬剤師さんがカレーの香辛料を調合するだなんて、はじめて聞きました。
久保田さん:そう?薬剤師が食に関わることは全然珍しいことじゃないよ。七味唐辛子だって、薬剤師が調合することもあるくらいなんだから。実際私も、もうやんカレーの香辛料以外にも『漢方スパイス』の調合もしているし。「スパイス」とか「香辛料」とか呼び名が違うだけでどれも漢方処方に使う生薬、つまり薬味だからね。
>もうやんカレーの卓上にある『漢方スパイス』も、久保田さんが手がけたもの。スープ、タパスはもちろんビールともよく合う。
渡辺:確かに……。カレーにはターメリック(ウコン)が使われているし、久保田さんがカレーの調合に関わることは不思議なことではないのかも。ちなみに、どんな香辛料が入っているんですか?
久保田さん:山薬(さんやく)、桂皮(けいひ)、生姜(しょうが)を中心に、大体23〜26種類くらいを目安に調合してるかな。
>桂皮(シナモン)独特の香りにハマるのは、「ミライトーチMedia薬剤師」ディレクターの与那覇一史さん。
与那覇:桂皮ってスパイシーでとてもいい香りですね!「もうやんカレー」は会社の近くにあるので、週に1度は必ず食べに行くんです。
与那覇:でもまさか、久保田さんが香辛料を調合されていたとは……。久保田さんが調合している香辛料には、どんな特徴があるんですか?
久保田さん:手足の冷えや目の疲れ、あとは生理痛などに使うものが多いかな。長時間のデスクワークによって、足腰が冷えたり、眼精疲労からくる肩こりや頭痛に悩む人ってたくさんいるから。
渡辺:現代人特有の悩みですね。そもそもの話になるのですが、「もうやんカレー」とコラボするきっかけって何だったんですか?
久保田さん:「もうやんカレー」代表のお兄さん(辻安全食品株式会社の社長)と仲が良かったから。もともと代表は、食と健康の関係性をすごく大切にしている人だったんだよね。使っている材料は、全部グルテンフリーにこだわるくらい。それで色々と偶然が重なって、私が漢方薬剤師ということもあり「もうやんカレー」の香辛料を調合してみようか、という話になったの。
渡辺:そうなんですね。香辛料も薬と同じで、調合のバランスによって味や効果にも違いがあるんですか?
久保田さん:そうだよ。香辛料がバランスよく調合されているから、解毒や代謝が促されて汗もたくさんかく。汗をかくと顔色もよくなるし肌もきれいになる。翌日はもっとその効果を感じてもらえると思う。朝起きたときの化粧ノリが全然違うから。そうやって、おいしく食べながら体の悪い部分を改善できるのが漢方の力なんだよね。
2.体は毎日の食事で作られている
渡辺:おいしく食べながら体の悪い部分を改善できるだなんて、忙しい現代人にとっては嬉しい限りですね。面倒くさがりの私でも続けられそう。
久保田さん:渡辺さん、薬食同源(やくしょくどうげん)って言葉知ってる?これは、『体は毎日の食べ物で作られる』という考え方なんだけど、台湾や韓国では、今でもその考え方が人々の食生活に深く根付いてるの。だから、ほとんどの料理には漢方がたくさん使われてる。つまり、食と体の健康、心と体の健康というのは全部ひとつにつながってるということ。
渡辺:体に良いものを3食きちんと食べましょうと言われているのは、そうした「薬食同源」の考え方がもとになっているんですね。
与那覇:体の健康といえば、僕は毎日のデスクワークで肩こりと頭痛がひどくて。薬を飲めば何とか我慢できるんですけど、それでも体の調子が悪いと気が滅入ってしまうというか……。
久保田さん:体の不調って実は、その人の感情が原因で引き起こされてる可能性が非常に高いの。その人の思考のクセや生活習慣、過去の経験などが体の不調につながっていることがほとんどなの。与那覇さんの頭痛や肩こりも姿勢の問題だけでなく本当は、そうした気持ちの沈みも起因している可能性があるよね。でもそういうことって、その人ときちんと話をしないとわからないことじゃない?
与那覇:それで心理カウンセラーの資格も取得されたんですか?
久保田さん:そう。漢方薬剤師としての知識にコミュニケーション“技術”をプラスすることで、その人の心の奥底にあるものを引き出すことができる。そうやって、体の不調の原因を突き止めるの。私がやっている東洋医学というのは、根治治療といって根っこからの治療だから。私はかれこれ20年以上色んな人をカウンセリングしてるから、その人の表情や姿勢、話し方、声のトーンを聞いただけで、その人の背景がわかるよ。
与那覇:すご!!!!
渡辺:(見透かされている気がする……)
3.漢方薬剤師に必要なのは人と向き合うこと
渡辺:久保田さんがカウンセリングをするうえで、一番大切にしていることって何でしょうか?
久保田さん:四方八方、色んな角度からボールを投げてその人の本音を引き出すこと。ただし、決して横柄にならないことも大切だと思う。だって、私はその人の体の悪いところを教えてもらわないと漢方を処方できないから。
渡辺:たとえば、カウンセリングの最中にウソをついていた場合はすぐにわかりますか?
久保田さん:すぐわかる。そういう人には「もう帰れば?」って怒ることもあるよ。いくら私が真剣に向き合おうとしても、当の本人が自分の心や体と向き合おうとしなかったらその病気は治せないじゃない。それに人というのは、突き放されたり怒られたりしたときに本音が出てくることが多いから。
渡辺:久保田さんは、常に目の前の人と真摯に向き合っているんですね。今後、久保田さんのような漢方薬剤師を目指す人ってどんどん増えてくると思うんです。漢方薬剤師として一番必要なことって何でしょうか?
久保田さん:目の前の人と、どれだけ真剣に向き合えるか。これに尽きると思う。自分の勝手な決めつけで「こうに違いない」「こう言っているからこうだろう」っていう見立ては絶対にダメ。
それから、いっぱい経験をして、全く関係ない職種の人でもいい、できるだけ多くの人と会って接する機会を持つようにして欲しいな。そうすると、色んなアドバイスができるようにもなるから、漢方薬剤師としてのキャリアも広がるんじゃないかな。
渡辺:ありがとうございます!
4.まとめ
取材を終えたあと、気づけばいつの間にやらカウンセリングの時間に。どんなときでも明るく前向きな久保田さんのお話を聞いているだけで、不思議と元気をいただけた気がします。
漢方は、ただ単に体の悪い部分を治すのではなく、不調を生み出す元となる感情にアプローチしながら、カラダとココロの両面を豊かにしてくれるもの。
長年、偏頭痛や肩こりに悩まされている方も、実は食生活や物事の考え方に原因が潜んでいるのかもしれません。ぜひ一度、久保田さんに相談してみてはいかがでしょうか?それではこの辺で失礼いたします!
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