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薬剤師が最新ニュースに物申す!5分で読める2020年11月のニュース

こんにちは、けちゃおです。

夏場に一度落ち着きを見せた新型コロナですが、気温も下がり再拡大の兆しが出てきています。いくつかの製薬会社ではワクチンの開発も順調に進んでいるという明るいニュースも入ってきていますが、まだしばらくは我慢の日が続きそうですね。

今回も、そんな新型コロナの影響を感じさせるニュースを3点ピックアップしていますので、是非読んでみてください。

2025年11月の薬剤師の転職市場

  • 12月は薬局・病院ともに繁忙期のため、今のうちに転職活動を始める薬剤師が多い
  • 薬局では在宅対応や処方箋枚数増に備えた人員補強が進み、即戦力求人が目立つ
  • 落ち着いて面接や職場見学を行えるラストチャンス。年明け入職を見据えた準備に最適

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

MR総数、過去最大減続く‐製薬大手の人員削減が影響

ニュース概要

2020年3月末のMRの人数は、5万7158人と発表されました。これは前年から2742人の減少で、2013年度以降6年連続の減少となっています。減少はMR雇用1,000人以上の大手企業が6割を占めており、内資系、外資系ともに大幅な減少が見られています。

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薬読 2020/11/2

意見

MRの減少が続いています。国内のMR数は7年前の13年度に最多の6万5752人となってから徐々に減り続け、7年間で13%程減少したことになります。もともとデジタル化が進みMRの存在意義が薄れてきているところに、今回の新型コロナウイルスによる訪問制限などで大幅に需要が減ってしまったという印象です。

今回のデータを見て、個人的に驚いたのは外資系よりも内資系の製薬会社の方が減少幅が大きかったということです。これまでは、内資系の企業は外資系に比べてある程度守られていて、大規模なリストラをすることはほとんどありませんでした。しかし、近年は国内大手製薬も早期退職を募るなど厳しい状況が見て取れます。

また、MRの人数が減っている理由の一つに、「画期的な新薬の減少」ということもあると思います。

MRの人数が最も多かった2013年は、糖尿病や高血圧など、生活習慣病の薬で各社大規模なプロモーションを行っていました。私も当時はMRとして働いていましたが、こういった生活習慣病薬の売り上げをどれだけ上げられるかがMRとしての評価に直結していました。

しかし、次第にこれらの分野での新薬は減り、特許切れの薬も出てきている現在は、より専門性の高い薬を扱うことが増えてきました。その結果、競合が減り、企業としては大規模なプロモーション活動を行う必要がなくなってきたことも、MRの減少につながっていると思います。

私の知り合いのMRにも何人か話を聞いてみましたが、やはりコロナの影響で出来る仕事も減り、早期退職などのニュースでMRという仕事の将来性に危機感を抱いているようでした。しかし、20代、30代は早期退職の対象となることは少ないため、今すぐに転職活動を始めなければ、という状況の人はいませんでした。

今後も、MRの数は減少傾向が続くものと思われます。今は安泰と思っている若い世代も、数年後はどうなっているかわかりません。MRとして生き残っていくのか、それとも転職して他の業種でキャリアを積んでいくのか、どちらにせよ、今のうちからキャリアビジョンをしっかり考えておいたほうがよさそうです。

MRは今後少数精鋭となっていきます。その中で生き残るためには、いくつかのポイントがあると思いますので、それを考えてみたいと思います。

一つは、専門性です。先ほどお伝えしたように製薬会社はオンコロジーや免疫疾患などの専門性の高い薬が主力となってきており、MRも領域別となっている会社も増えてきました。また、一般的な情報は医師が自分で調べる時代となってきていますので、MRは「調べてもわからない」ような情報を的確に伝える必要が出てきています。

MR認定センターも来年から、継続教育を重視した新しいMR認定制度を施行します。これまで以上に、新しい知識を取り入れていく姿勢が必要となりそうです。

もう一つ私が考えるのは、地域医療への貢献です。近年、病院や薬局は「地域に根ざした医療」を行うことを求められています。MRも、例えば医師会や他施設と連携した講演会の実施や他の医療機関との情報共有のための橋渡し役など、求められるものも少なくありません。MRはどうしても全国転勤があり、ひとつのエリアに長くいることは難しいケースが多いですが、だからこそこういった情報に長けているMRは医師から見ても重宝される存在になるのではないかと思います。

変わる処方薬の受け渡し「宅配」「ロッカー」新型コロナ感染防止で接触回避

ニュース概要

新型コロナの流行により、4月からオンライン服薬指導が前倒しで解禁されました。解禁後、5~6月には約7万件のオンライン服薬指導が実施され、その薬の受け渡しは9割近くが配送業者を利用しているという結果になりました。

様々なサービス開発が行われている中、薬局の周辺に無人のロッカーを設置して、QRコードを使い非接触で薬を受け取れるような試みを始める薬局も出てきています。

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Answer News 2020/11/9

意見

新型コロナウイルスの流行に伴い、今年はオンライン服薬指導が解禁となるなど大きな進展がありました。

オンライン服薬指導についてはこのコーナーでもたびたび取り上げてきましたが、今回はその中でも服薬指導後の薬の受け渡しの在り方について考えてみたいと思います。

私もこの数ヶ月で、何件かオンライン服薬指導を経験する機会がありました。実際に体験してみて改めて感じたのは、オンライン服薬指導では「どれだけ薬局、患者双方の負担を減らせるか」ということが重要なポイントだということです。

まず、薬局側にとってどのような負担があるのかを考えてみましょう。オンライン服薬指導を行うとなれば、まずオンラインが行える機器を購入するなど体制を整える必要があります。また、指導後に医薬品を郵送するにしても、郵送の手続きなど、患者さんが来局されたときと比べると余計な手間がかかることになります。

一方で、患者側にはどのような負担があるでしょうか。郵送で受け取る場合、患者側は自宅で薬を受け取れるため薬局で受けとるよりも感染リスクは低くなり、手間もかからないというメリットがありますが、郵送にかかる費用は自分で負担しなければなりません。また、どうしても届くまでに時間がかかるので、「今日すぐに服用したい」といった場合には不向きです。

他にもドローン配送など、様々な取り組みが検討されていますが、どの方法も一長一短といった印象です。その中で、今回紹介されている「ロッカーでの受け取り」という方法は、新たな方法として今後の注目されていくかもしれません。

ロッカーの利用で最大のメリットは「好きな時間に受け取れる」という点でしょうか。例えば仕事があって薬局の営業時間中に受け取りに行くことができない、郵送にしても自宅で受け取れる暇がない、といった方には良い方法だと思います。「非接触」「金銭的負担なし」「時間的負担減」が実現できるため、今後積極的に取り入れる薬局も増えていくのではないかと思います。

いずれにせよ、今回の新型コロナの流行により、薬局と患者との関わりも大きく変わっていくことが予想されます。薬局としては様々な選択肢を用意しておき、患者さんによって最適な受け渡し方法を提供できると良いですね。

新型コロナ:医療機関の受診控え5割、若い世代多く

ニュース概要

製薬会社のロシュが行った新型コロナによる受診行動の変化に関するアンケートによると、定期的な受診を一度でも延ばしたことがあるのは49%、そのうち今まで受診しないままとなっているのは29%とのことでした。

何かしら定期的な受診を行っているのは高齢者ほど割合が高く、60代では6割以上になります。一方で、受診控えをしているのは若い世代に多く、20代の4割以上という結果となりました。

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日経 2020/11/13

意見

今年一年間で病院を取り巻く環境も大きく変化しました。多くの病院、薬局では受診控えによる売り上げの大幅低下がみられましたが、今回ロシュが行ったアンケートでは実際にどの程度の受診控えが起きているのかが明らかにされています。

アンケートによると、定期的な受診を延期したことがあるのは49%、そのうち今も受診していない人は29%にのぼるということです。個人的には、少しの期間受診を控えたという人が半数近くいるのは予想できましたが、そのまま受診を止めてしまった人がこれだけ多くいるということは驚きでした。

確かに、血圧や糖尿病の薬は少し飲むのをやめたからといってすぐに影響が出るというものではありません。自覚症状としてもほとんど変わりないでしょう。しかし、例えば糖尿病は放っておくと神経障害など様々な合併症にもつながります。コロナ対策で外出を控え、自分の命を守るという行動も大切ですが、病院に通うことも自身の健康寿命を延ばす、つまり「自分の命を守る」ということにつながると思います。今は電話診療やオンライン診療を利用すれば外出せずに診察を受けることも可能ですので、コロナにも気をつけつつ、病院はしっかり受診して、自身の健康を守っていただきたいと思います。

また、もう一つ興味深いのは、定期受診を止めてしまった人の割合は若い世代の方が多いという点です。ご存じの通り、新型コロナは高齢者の方が重症化しやすく、若い世代は軽症で済むことがほとんどです。そのため、若い世代はあまり気にせず外出している人も多いのですが、「病院通い」に限定すると、若者の方が行かなくなるという逆転現象が起きていることになります。

これには様々な理由が考えられますが、例えば

  • 高齢者に比べて服用する薬の数が少なく、体力的にも元気なことが多く、薬がなくなることをあまり大事ととらえていない。
  • 元々病院に通う習慣があまりないので、一度行かなくなると通うのを止めてしまう。

といったことがあると思います。

 

私自身も、普段薬を飲む習慣がないので、薬を処方された際「もう大丈夫だろう」と自己判断で止めてしまったこともあります。若い世代の病院離れは、そもそもの服薬に対する意識の低さから来るものなのだと思います。

今後、秋冬にかけて気温の低下と共に新型コロナの再流行も懸念されています。外出を極力控える生活になることも予想されますが、その際も何を重視すべきなのかをしっかりと考えて、少なくとも定期薬のための受診はしっかり続けていただきたいと思います。

まとめ

新型コロナの流行によって、医療業界も働き手と受け手(患者)双方に様々な変化が見られています。今回は、ロッカーでの薬の受け取りという薬局側のポジティブなニュースと、MRの減少、定期受診の減少というネガティブなニュースを取り上げて考察してみました。

これらのニュースは、新型コロナの流行が仮に落ち着いたとしても、完全には元に戻らないと思います。新たなサービスという前向きな変化は当然ですが、MRの減少や患者数の減少もすぐにもとの水準まで回復するものではありません。あらゆる場面で、今回の急激な変化に対応する「対応力」が求められていると感じます。

少しでもポジティブなニュースを増やせるように、私たち医療機関の人間もしっかり対応していきたいですね。

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