薬剤師が市販後調査(PMS)を行う際に求められるスキルとは?

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「PMS(市販後調査)って具体的にどんな仕事をするの?」

「PMS業務を通してスキルアップしたい!」

医薬品の安全性などに関する情報を収集・提供するPMS業務は、仕事としての重要性が高く、やりがいや使命感を感じられる仕事です。この記事では、PMSの具体的な業務内容や求められるスキル、転職方法などをわかりやすく紹介します。

 

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1.PMS(市販後調査)は具体的にどんなことをするの?

PMS(市販後調査)とは、Post Marketing Surveillanceの略語で、医薬品が臨床試験を終えて承認、販売された後に行われる調査のことです。

医薬品が承認される前に行われる治験では、より厳密な評価をするためにさまざまな制約がかけられています。症例数や投与期間には制限がかけられ、子どもや高齢者、腎臓や肝臓に障害のある人などは治験段階で使われることはありません。そのため新しい医薬品が販売されると、治験段階に比べて使用する患者数が急増するなど状況が多様化するため、それまでは見つからなかった重篤な副作用が発現することがあります。新医薬品発売後も継続的に、注意深く安全性や有効性に関して情報収集を行う必要があるのです。

PMSの仕事は、新薬に関するこれらの情報を収集、解析することです。解析されたデータは、薬剤の添付文書や資料の改訂に役立てられています。

PMSの業務は製薬会社やCROが行なっています。おもな業務内容は、次の通りです。

1.市販後調査

新薬発売後、6ヶ月間にわたり医薬品の有効性や副作用、相互作用などの安全性に問題がないか追跡調査する。また、医療機関に対し、正確な情報提供、注意喚起を行う。

2.使用成績調査

日常の診療において使われたときの、副作用の発現状況や品質、有効性、安全性などの調査を行う。

3.特定使用成績調査

小児、高齢者、妊婦、腎機能や肝機能に障害のある患者や、長期に使用する患者など、治験では行えなかった患者に対して医薬品を使った影響を調査する。原則6年間行う。

4.再審査申請関連業務

再審査とは、承認後一定期間を過ぎたあとに、企業が実際に医療機関で使用されたデータを集め、承認されている効能効果や安全性について再度確認する制度のこと。PMDA(医薬品・医療機器総合機構)への申請を行う。

5.再評価関連業務

再審査が終わってからも、定期的に医薬品の有効性、安全性を見直す制度がある。これを再評価と言い、再審査後5年ごとに調査を行う。

6.学会論文発表対応

これまでに行なった市販後調査や使用成績調査をもとに、学会や論文発表を行うための業務。また、治験を担当した医師が学会発表を行う際のサポートも行う。

これらの調査はGPSP(製造販売後調査・試験の実施の基準)に基づき行われ、医薬品・医療機器の有効性や安全性を確かめるためにGVP(製造販売後安全管理の基準)に基づく安全性確保業務が行われます。

医薬品は、市販後でなければわからないことも多々あります。

そのためこれらの調査を実施し、医療機関に適切な情報提供を行うことは、医薬品の適正使用を考えるうえで非常に大切な業務になるのです。

2.あえて薬剤師がPMS(市販後調査)を行う意義とは?

PMSがどのような仕事をしているのか、ご理解いただけたでしょうか。

では、実際にPMSの仕事に就くためには何か特別な資格がいるのでしょうか?

実は、PMSの仕事をするために必要な資格はありません。薬剤師資格も必要ないため、薬剤師以外の方がPMSの業務に就くことも可能です。

事務作業が多く、薬剤師でなくても活躍できそうなPMSの業務ですが、医薬品や薬学に関して臨床的な知識が求められます。対象の医薬品に関しては、それぞれの会社で研修を実施することも多いですが、特定の疾患領域に関して専門的な知識が求められるので、薬学にまったく触れてこなかった方には、新しく覚えなければならないことも多く苦労することになります。

その点、薬学的な知識のベースがある薬剤師は専門知識の習得も早いため、就職・転職の場において優遇されるようです。

また、PMSは医師や製薬会社のMRから情報収集を行なっているので、医療関係者とコミュニケーションを取る際、薬学の知識を持っていると話がスムーズに進みます。薬剤師資格が必要な仕事ではありませんが、薬剤師がPMSを行うことで、医療関係者に対してより適切な情報収集、情報提供を行うことができるようになるのです。

その点で、薬剤師がPMSを行う意義、メリットがあると言えるでしょう。

3.PMS(市販後調査)で求められるスキルとは?

PMSに特別な資格は必要ありません。しかしその仕事内容は、薬剤師として働く調剤薬局や病院の仕事や、製薬会社の仕事とはまったく異なるものです。

そのため、PMSにはほかの仕事とは異なるスキルも必要になります。

1.英語力

PMSはさまざまな情報を取り扱っています。海外安全性情報(CIOMS)など海外の情報を収集、分析することもあります。そのため国内、外資問わず、PMSの仕事には英語力が必要です。最近ではビジネスレベルの英語力を求められることも多いようです。

2.コミュニケーション能力

PMSの業務は事務作業ばかりではありません。医師やMRなどの医療関係者から市販後の医薬品の安全性、有効性について聞き取りを行うのも大切な仕事です。

特に医師は忙しいため、調査の協力が得られにくい場合もあります。そのため普段から密なコミュニケーションを取り、正確な情報を収集する能力も必要とされています。

3.マネジメント能力

PMSでは一つの市販後調査だけに専任して行うことは少なく、同時に複数のプロジェクトを扱うことがほとんどです。そのため、収集したデータを整理、確認する高度な管理、マネジメント能力が求められます。

4.市販後調査に関する知識

PMSには市販後調査に関する知識や経験が求められます。疾患や製品知識だけでなく、薬事申請関連法規や、実施基準など調査に関わる知識など幅広い知見が求められます。

それぞれのスキルを高めることで、市販後調査を円滑に進めることができ、ひいては医薬品の適正使用の確立につながるのです。

4.薬剤師がPMS(市販後調査)の仕事に転職する方法とは?

薬剤師が転職して、PMSの仕事に就くためにはどうすればよいのでしょうか。

PMSの求人は、調剤薬局やドラッグストア、病院や製薬会社といった一般的な薬剤師の仕事と比べると少ないため、一人で探してもなかなか希望の求人に出合うのは難しいかもしれません。そこで、PMSの求人を見つけるためには、薬剤師専門の転職サイトを利用することをおすすめします

PMSは経験やスキルが求められる仕事なので、経験者が優遇される傾向にあります。しかしなかには「未経験者可」の求人を出している企業もあります。また、英語や医薬品に関する研修制度が充実している製薬企業もあるので、未経験の方はそのような会社を優先的に狙ってみるのもよいでしょう。

「研修制度の充実」といった条件は、どの企業も求人票に書いていることが多く、実際の研修内容は求人票を見ただけではわかりません。研修の詳細については、転職エージェントに直接聞いてみましょう。転職エージェントは薬剤師の転職事情を熟知しているため、その会社がどのような研修を実施しているのか把握しています。転職サイトに登録し、担当コンサルタントに自分の希望条件、優先順位を伝えておけば、的確なアドバイスをもらいながら、転職を有利に進めることができるでしょう。

なお、薬剤師専門の各転職サイトにはそれぞれ特色があります。また、担当コンサルタントの実力や相性によっても、理想の求人と出合えるかどうかが変わります。

相性のよいコンサルタントと転職活動を進めるためにも、転職サイトには複数登録しておきましょう。それぞれから紹介された求人を比べることが、よりよい転職先を探すための近道ですよ。

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