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この記事の目次
老健とは?
老健の正式名称は介護老人保健施設。
病院での入院治療を終えたものの介護が必要な65歳以上の方を対象にリハビリテーションを中心とした様々なサービスを提供し、半年ほどで在宅復帰してもらうことを目指します。
老健の最大の魅力は必ず1名の常勤医師が居ることで、そのため入居者やその家族は安心できます。老健とそこに勤める医師の社会的ニーズは近年高まる一方です。
老健の医師の役割とは?主な業務内容5つ
老健の施設長は原則、常勤医師が就かなければなりません。つまり老健の医師は、診療だけでなく施設スタッフの管理もしなければならないのです。
加えて、老健施設の売上を管理する仕事もあるので、老健の医師には経営感覚も求められます。
1.入居者の健康管理・健康指導
老健施設の利用者は「病院での高度な治療は終わっているけど、自宅に戻れるほど健康が回復しているわけではない」という方々ばかりです。
医師はそういった入居者の健康管理や健康指導をします。1つの老健に200人近くが生活していることもあるので、医師にとってこの業務はかなりボリュームがあります。
しかしいわゆる「大きな治療」はしません。老健で当座の処置をしても入居者の症状が改善しなければ、救急車を呼ぶか、系列の医療法人の病院に通院してもらいます。
2.看護師・介護士への指示
医師は老健のトップですので、スタッフたちが快適に働けるよう勤務環境を整える必要があります。
病院では医師と看護師がメインプレイヤーとなりますが、老健では介護職とリハビリテーションスタッフが主役になります。
そのため老健医師は、「介護職とリハビリテーションスタッフを立てる」ということを常に意識する必要があります。
3.職員の人材管理・配置
老健施設の管理者は医療法人ですが、医療法人の理事長はたいていは病院にいるため、老健を不在にしています。老健のことは施設長である医師に任せきりになるでしょう。
つまり老健において医師は子会社の社長のようなもので、医師は50人以上のスタッフたちの人材管理や指定された配置基準に基づいた人材配置をすることが求められます。
4.財務管理
老健の入居者の1人当たりの売上は20万円ほどになるので、入居者が150人いれば1カ月3,000万円になります。
そのほか、光熱費やおむつ代、食費や人件費などもかかります。
こうした「大きなおカネ」の管理も老健施設長の仕事となります。
5.入居希望者の合否判断
老健は65歳以上の高齢者なら誰でも入れるというわけではありません。むしろ老健は、介護度と医療度が「ちょうどよい」入所者しか受け入れることができません。
老健では入居希望者が現れると、面談や施設見学をしてもらいます。続いて施設内で「入居判定会議」を開催します。
この会議には老健医師、看護・介護・リハビリテーション管理職、事務長などが参加し、「この入居希望者を入居させるかどうか」を検討しますが、最終判断は医師が行います。
このように老健医師の業務は大変ですが、「自分には無理かも」と思う必要はありません。というのも老健には、医師をサポートする診療体制が整っているからです。
まず老健医師にとって最も頼りになるのは事務長と看護師管理職です。この両名が、ほとんどの業務の仕切りをしてくれるでしょう。
また医療についても、それほど心配する必要はないでしょう。
原則、老健には病状が重い患者はいなく、医師の専門領域は問われません。しかも老健の管理者は医療法人、つまり病院です。老健の入居者が急変したり重症化すれば、すぐに系列の病院に送ることができます。
老健の医師に向いているのはこんな先生!
50歳以上の中堅・ベテラン医師
老健に歓迎されるのは、50歳以上の中堅・ベテラン医師です。それは、老健の入居者は65歳以上の方なので、高齢者への理解があり対人力が備わっている必要があるからです。
また、老健の介護職員の中には、これまで介護の仕事をほとんどしたことがない50代60代が多くいる状況です。老健施設長は、そういった新人高齢介護職員がミスなく仕事ができるようにしてあげなければなりません。
こうした柔和な対応は、年齢的な熟成度を増した医師のほうが得意でしょう。
ゆったり勤務したい医師
「病院の激務はもうこりごり」「クリニックを開業するリスクも負いたくない」「当直やオンコールから解放されたい」
もしあなたがこの3つに該当するのであれば、老健医師に向いています。
老健医師には当直はありません。土日祝日に休むことができます。
オンコールがない老健がほとんどですが、オンコール制度がある老健でも、夜中に緊急電話を受けた医師が出勤する必要はありません。医師は自宅に居ながら、24時間365日常駐している看護師に対応を指示すればいいのです。
老健医師の仕事は、体力的にもメンタル的にも負荷が小さい業務といえるでしょう。
患者との密なコミュニケーションを求める医師
もし「患者と向き合う時間がない」という不満を抱えていましたら、そんなあなたは老健に向いているかもしれません。
病院の医師は治療以外のことに多くの時間が割かれます。また多くの場合看護師たちが医師と患者の間に入ります。これでは医師は「患者を治している」という実感が得られません。
ところが老健の入居者たちは、あり余るほどの時間を持っています。
気になったことがあれば、直接入居者の部屋に行き存分にコミュニケーションを取ることができます。
医師-患者の関係以上の強い「ボンド」を求める医師には、老健の医師はぴったりです。
老健の医師のメリットとは?大人気の理由
比較的ゆったり勤務できる
繰り返しになりますが、老健の医師は老健施設長を兼務します。つまり老健の医師は、自分のペースでゆったり仕事をすることができるのです。
入居者の方も急変しますが医師が行うべきは治療ではなく、治療を受けさせるための段取りをつけることです。
病院の勤務医の求められている、長い勤務時間、強靭な肉体、プレッシャーに負けないメンタルは、老健ではほとんど必要がありません。
患者と深く接することができる
病院で1人の患者が受ける回診や健康指導は、長い治療期間の中で1回か2回でしょう。
しかし老健における健康管理と健康指導は、日常的にずっと行います。つまり医師は1人ひとりの入居者と向き合う時間を長く取ることができるのです。そのため、入居者-医者間で密な関係を築くことができます。
都心から地方まで勤務可能
老健は全国のあらゆる場所にあります。都市部に限らず地方にも多く存在します。
そのため老健勤務を目指す医師は、様々な地域の中から勤務地を選ぶことができます。もちろん「故郷に帰ろうかな」という思いも実現できます。
定年を過ぎても長く働ける
ある老健の医師求人募集には、「応募年齢30~99歳」と書かれてありました。
99歳は極端な例としても、採用する医師の上限年齢を80歳や75歳に設定する老健はたくさんあります。
これは老健の医師の役割は、高度な医療や救急対応ではなく、豊富な経験や対人力を駆使した高齢者ケアだからです。
老健の医師にはデメリットも?勤務の実態
治療を行わない物足りなさ
どんな職場にも、良い面と劣る面があります。老健勤務のデメリットは、「物足りなさ」かもしれません。
老健では原則、医療行為を行いません。それは、医師が医療をすればするほど老健の持ち出しが多くなり、経営を圧迫する体制があるためです。
そこで老健の医師は、「もっと治療が必要だ」と判断したら、自ら治療や施術を行うのではなく、医療機関に送らなければならないのです。
そして当然のことながら、老健の医師は医療行為を行わないので医療の面でのスキルアップは望めません。
人間関係の調整に苦労
2つ目のデメリットには、職場内の人間関係のトラブルに巻き込まれやすいこともあります。
老健には、介護職員、看護師、リハビリスタッフ、管理栄養士、薬剤師など多くの職種の人が働いていて、賃金も勤務形態も学歴も様々です。
そうなると「介護観」も異なってくるのでスタッフ間のもめごとが多く発生するのです。
もし両者の話し合いで決着がつかなければ、施設長である医師が仲裁に入らなければなりません。
少ない求人数
もし「老健の医師になりたい」と心が決まりましたら、すぐに行動することをおすすめします。
なぜなら、1つの老健に勤務できる医師はたった1人だからです。あなたが「この老健が良さそうだ」と思った老健に勤めることができる医師は、たった 1人なのです。
しかも老健の医師は健康である限り働けるので、一度医師が決まると次にそのポストが空くのはいつになるかわかりません。
求人の多くは非公開
老健医師を狙う医師は確実に増えています。
実は、良い条件を提示している老健には応募の殺到を懸念して求人を非公開にしたがるケースも多いのです。非公開求人とは、ネット検索では表示されない案件のことです。
ではどのようにして「本当に知りたい老健医師求人」を入手したらいいのでしょうか。
老健の医師の求人募集は少ない?求人の勝ち取り方
医師の転職では、焦りは禁物です。しかし良い医師・施設長募集はすぐに埋まってしまうので、転職活動は常に時間との勝負です。
では、焦らず時間を短縮するにはどうしたらいいのでしょうか。
それは転職支援サイトを活用することです。
老健について熟知する転職支援サイトのコンサルタントの力を借りることで、時間の節約と納得の転職活動が実現できます。
また、先ほど老健医師の求人情報は非公開求人であることが多い、と説明しました。
その非公開求人にアクセスできる唯一の方法も、転職支援サイトに登録し、コンサルタントに問い合わせることなのです。
こうした情報が無料で得られるのですから、転職支援サイトに登録しない理由はないでしょう。
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