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40代のITエンジニアが転職で失敗しないための7つの準備

人手不足が極まっている現在では40代での転職は珍しく無くなっています。

特にIT業界は、「クラウド」「IoT」「情報セキュリティ」などの新しいテーマが次々と登場し、ITベンダーに加え、技術サービス会社(派遣・請負)やインターネットサービス企業、ITユーザ企業に製品メーカーでも人材ニーズが拡大し、ITエンジニア転職には強い追い風が吹いています。

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

             
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40代ITエンジニアの転職事情

また、ITエンジニア側も従来の転職理由であった「現職の業績不振」や「過重労働常態化」「年収アップ」「専門性アップ」などに加え、「親の介護でUターンしたい」「介護離職したが復帰したい」「フリーランスや非正規雇用を続けてきたが正社員として安定したい」などの近年の社会現象に関わる理由も増えてきており転職市場は活況を帯びています。

加えて、今の40代は実感として一昔前より5歳ぐらい見た目・体力が若く、その分、「専門性を高めたい」「管理系業務が増えてきたが、現役のエンジニアを続けたい」「新しい技術に関わりたい」「より上流工程に関わりたい」というようなかつての30代の転職理由を挙げる40代ITエンジニア転職も増えています。

このように40代ITエンジニアの転職機会は確かに増えましたが、成功しやすくなったかどうかは別問題です。

転職市場で求められるスキルを意識せずに「技術者不足と言われているからすぐ転職できる」という安易な気持ちでいると、自分のスキルと採用側のニーズのギャップを埋められず、なかなか転職先が決まらない状況に陥ってしまします。

そこで40代ITエンジニアを採用する場合の面接官や採用担当者が見ているポイントや40代の転職が失敗しないための取り組み方などをステップごとにまとめてみました。

ほんとうに転職すべきかどうか考える

40代ITエンジニアの転職は「管理より実務を続けたい」「現職場の人間関係を含めた不満がある」「過重労働がきつく、家族との時間が取れない」「年収が上がらない」などの理由が多いかと思います。

まずは「ほんとに転職すべきか、現職での部署異動・配置転換などで希望が叶わないか」をじっくり考えてください。転職機会が増えたとはいえ、40代での転職は事実上最後の機会と捕らえるべきであり、当然それなりのリスクが伴います。

じっくりと考えて転職を決意したのなら、その時間が転職活動のモチベーションアップにもつながります。

自分の転職市場での価値を考える

1社で長く勤務したエンジニアが転職しようとする場合、自社での社内評価が自分の価値だと思い込む人がいます。結果、その人のスキルと企業が求めているスキルに乖離があり、採用側から見た客観的な評価はそんなに高くないことになりがちです。

特に役職がついていると、「自分はどこへ行ってもそれなりにできる」と思ってしまうかもしれません。本当に採用側にとっても価値がある人材なのか、あくまで社内でしか通用しない人材なのかということを自己分析してください。

自分のスキルを棚卸しした上で、客観的に見て自分がエンジニアとしてどれくらいのスキルがあるのか、また自分の得意な技術分野に関する求人がどれぐらいあるのか、その処遇はどの程度かなどといったことを転職活動開始前に知っておくことは大切なことです。

転職先のめどをつけてから退職する

40代ITエンジニアは忙しく、応募しているのに現職多忙を理由になかなか面接日の設定ができない人がいます。

そういう状況では、転職活動をすべきではないと思います。転職にはしっかりとした準備が必要であり、最後の機会ともいえる40代では、現職より転職活動を優先できる状況かどうか、あるいはそうする固い意志があるかどうか自身で確認してください。

また、勤務しながらの転職活動はむずかしいからといって、先にやめてしまうことは大きなリスクがあり、できれば避けてほしいと思います。

ブランク無く転職することは難しくても、手ごたえのある企業を見つけてから退職申し出することを勧めます。

転職活動に専念するため退職しましたというのは潔いですが、先に退職してしまうと、転職活動が長引いた場合にあせりが発生し、希望とはギャップのある企業で妥協してしまう可能があります。

応募したい企業を充分調査する

現在はネット上に転職情報があふれています。転職エージェントもいくつもあり迷ってしまうとかもしれません。しかし、新卒ではありませんのでそうたくさんの企業に応募する訳にはいきません。

キャリアアドバイザーやコンサルタントとしっかり相談し、自分でもしっかり調査し納得して数社にしぼり応募してください。

エージェントのキャリアアドバイザーは成功報酬ですから、マッチングより採用されやすさを優先するケースもあるかもしれません。自分の人生ですから、あくまでも自分で選択してください。

業務経歴書を準備する

業務経歴書は、エンジニアの転職でもっとも大事なツールです。

40代になると多くの業務経験を積まれた方が多いですが、新卒のころからの経歴を何ページも漫然と書かれた業務経歴を見ると、要点をまとめるのが苦手なのだなと閉口してしまいます。

逆に、長期間同じ職場で業務されていて、あっさりと1枚に書かれている場合もありますが、業務経歴書は誰が見て何を判断されるかを理解できていないのだなと感じて面接する意欲が沸きません。

まずは自分の業務経歴を棚卸ししてください。そして、その中から転職後に担当したい業務に関わる技術・経験をピックアップします。

そして、期間のギャップが無いように経歴全体を書き出し、アピールしたい経歴とそうでない経歴でメリハリをつけて3ページ程度に収めます。

アピールしたい経歴では自分の立ち位置と自分の業績を明確にし、業務レポートと同じように見る人になにを知ってほしいか、理解してほしいか、訴えたいかを考え、忙しい採用担当が短時間でもさっと眼を通せる見易さに加え、技術担当の面接官が見て興味をそそるような技術キーワードを配置する工夫も必要です。

また、ITエンジニアの重要な業務に仕様書、手順書、報告書などのドキュメント作成があります。業務経歴書は、そのドキュメント作成能力の確認材料にもなります。何度も見直し、できればキャリアアドバイザーなどのレビューも受けてください。

面接対策をする

20代、30代、40代と転職希望者の年代で面接官や採用担当者が見ているポイントは当然異なります。

20代では、業務経験や保有スキルはこれからですから、「将来どうなりたいか」「それを相手に伝えられるか」「仕事に対する情熱はあるか」などのマインドや人物に重点を置いて面接官は確認します。

30代では、「即戦力としての業務経験・スキルをもっているか」「自立した業務推進をしているか」「コミュニケーションがスムーズか」「エンジニアとしての学ぶ気持ちを持ち続けているか」などを確認します。

そして40代では即戦力としての経験・スキル及び自立した業務推進力は当然持ち合わせているとして、最後の転職機会と応募者も採用側も認識し「転職理由が明確か」「転職でなにを実現したいか。

それは具体的で現実的か」「考え方が偏っていないか」などを充分確認します。

企業は40代ITエンジニアの採用にあたり以下の内容を考えながら面接します。

  • 定年まで相応の処遇で雇用継続できるか
  • 採用にかかったコストを早期に直接・間接的に回収できるか
  • 採用後の想定配属先にマッチするか(役割、メンバー構成、処遇ほか)
  • 応募者が転職で実現したいことを入社後に提供できるか

40代の転職理由は「家族を養うため年収アップしたい」「親の面倒を見るためUターンしたい」などの業務内容以外の事由や「管理業務が中心になりエンジニアとしての専門職に戻りたい」「より上流工程に関わりたい」「レガシーな技術から新しい技術に関わりない」などのエンジニアとしての事由まで幅広くあります。

どんな理由にせよ転職理由を妙にアレンジせず率直に伝えることを勧めます。アレンジしても面接のやり取りの中でつじつまが合わなくなりマイナスの印象を与えてしまいます。また、転職理由いかんより、理由がはっきりしないことのほうが採用側は不安を感じます。

そして、転職でなにを叶えたいかも率直に伝えてください。「年収」「ポスト」「勤務地」「業務内容」などをあいまいでなく具体的にです。ただし、事前にその内容が現実的かどうかは充分確認しておく必要があります。あまりに応募した会社事情や業界常識とのギャップがあれば、当然「残念ですが」となります。

また、面接はコミュニケーション力やプレゼンテーション力を確認する場でもあります。

40代は、年齢相当の応対ができることを前提に面接を開始します。最初に行う自己紹介で、業務経歴書に書いてあることを1つ1つ長々と話されると、一気に面接官のテンションが下がります。書いてあることは見ればわかりますから、ご自身がどういう経歴であり、どういう技術を強みがあり、今後、どういうIT技術者をめざすかを長くて5分程度、できれば3分ぐらいでまとめて話されれば、この場のT.P.Oを理解しているなと感じますし、その後のQ/Aもテンポよく進みます。

ITエンジニアの中には、面接のような場面が苦手な方も多いと思いますが、自分の人生を決める重要な時間ですので、ぜひ、自己紹介と自身で想定した問答集を下書きし、事前練習をしてください。

苦手な人ほど、なにも準備しないで臨んで後悔することになります。コミュニケーション力と口下手は別です。コミュニケーション力とは相手の質問の意図を汲み取って的確に答えられるかというスキルです。転職するからといって急にコミュニケーション力を高めることは無理かとは思いますが、スキルの1つであり、学んで習得できるものですから、いろいろ出ているノウハウ本の1冊ぐらい読んでおくべきだと思います。

内定受諾する前に

運よく内定をいただいた場合、次のようなことも確認しておくべきです。

40代の場合、年棒制(みなし超過勤務手当てを含む)を提示されることも多くなります。過重労働管理が重要視されている昨今では、無茶なことは少なくなってきたと思いますが、年棒に含まれるみなし残業時間が何時間相当かは確認したほうがいいと思います。

入社後の配属先や業務内容をできるだけ具体的に確認してください。採用側の事情で要望に沿った配置ではない可能性もあります。

ネットでの企業評判はそのまま鵜呑みにする必要はありませんが、あらためて内定が出た企業の状況確認をしたほうがいいでしょう。

まとめ

転職するしないに関わらず、充実した40代ITエンジニア人生を過ごすには、30代で今後のキャリアを考え、担当している業務の領域だけに満足せず、自分の強みを増やしておくが必要です。

30代のうちから自分のキャリアプランや明確な目的意識を持って仕事をしておくと、転職に踏み切った際も「現職でこういうキャリアを積み重ねその経験を活かせる転職を決意した」「こういう課題を感じて改善に取り組んだが、会社の事情で限界があり転職に踏み切った」というように、転職における前向きな目的やキャリアの方向性を無理せず自然に答えることができます。

また、技術者として長く現役を続けていくのであれば勉強は欠かせません。IT業界では新しい技術が次々と現れてきますので、最新の技術の中でも特に需要が高いものにピントを絞り勉強していくと転職市場での自身の市場価値をあげることができます。

加えて、各種のIT資格の取得は、それ自体でも加点になりますし、その資格試験に申し込み、合格に向けて計画的に学習し、その日に試験に臨み合格を勝ち取るというプロセスを踏める人としても評価されます。

転職は、希望の企業に入れば成功とは言えません。転職は見合い結婚のようなものです。すべての希望がかなうことはありません。むしろしばらくは不慣れなことの連続でストレスが高まるもあるかもしれません。

そこで一喜一憂していたら疲れてしまいます。新職場で前職より良くなったことをしっかり認識し「自分で決めたのだ」と言い聞かせ、日々を過ごしてください。やがて、新職場に溶け込んで以前より輝いている自分に気づくときが来たら成功と言えます。

ぜひ充分な準備を行い自分で納得して高いモチベーションを持って転職活動を進めましょう。

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