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ゲームで本音を引き出す「人狼採用」トラストリング社が目指す新しい就活のカタチ
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近年、少子高齢化により労働人口が減少し、人材の獲得競争が激化しています。厚生労働省の調査によると、2023年3月卒の大学新卒者の就職率は98.1%にも及びます。
各企業は人材獲得のため「他社との差別化」を図り、ユニークな採用を行う企業も増えてきています。
今回ご紹介するトラストリング株式会社もその一社。人狼ゲームを採用に取り入れている同社に、ユニーク採用導入の経緯や成果について伺いました。
話を聞いた人
トラストリング株式会社 代表取締役
島田大学さん
1994年に京セラミタ株式会社入社し、開発部に配属。法務知的財産部を経て2005年に退社。その後、さまざまな企業と業務委託を受け、2011年にトラストリング株式会社を創業。1度も赤字になることなく黒字経営を続けながら現在に至る
話を聞いた人
トラストリング株式会社 広報担当
原寿さん
2024年3月に近畿大学経営学部を卒業。2024年よりトラストリング株式会社に入社。広報担当として活躍中
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事の目次
そもそも人狼ゲームとは
人狼ゲームとは、プレイヤーが村人と人狼に分かれて行う心理戦ゲームで、洞察力、説得力、駆け引きが勝敗のカギを握ります。
ゲームは夜と昼の2ターン制で行われます。夜ターンに人狼が村人を一人ずつ襲撃(排除)し、昼ターンに全員で議論して、投票により人狼と疑わしい人を排除します。村人が人狼を特定するか、人狼が村人の数を上回ると終了。
シンプルなルールのため、世界中で愛されている飲み会などでは定番のボードゲームです
トラストリング社の「人狼採用」とは
トラストリング社が実施する「人狼採用」は、従来の形式的な面接を覆し、学生と企業が本音で交流することを目指した取り組みです。2020年から実施され、現在も続く人気の採用方法となっています。
【人狼採用の流れ】
①会社説明会(人狼採用)への参加申し込み
➁事前面談(自己PRのサポート)
- 人狼採用の2週間ほど前に、社員が30分程度のサポートを実施
- 学生の良いところを引き出し、自己PRのアドバイスを行う
③人狼採用当日(オンライン開催)
- 1分間の自己PR
- 会社説明(30分程度)
- 10人ずつのグループに分かれて人狼ゲームを実施(1ゲーム約15分、3回程度)
- 質疑応答タイム
④面接
- 人狼採用に参加した希望者は全員面接に進むことができる
なぜ採用に人狼ゲームなのか
同社で代表を務める島田さんは、この採用方法に込めた想いをこう語ります。
昨今、就活・転職市場では、ミスマッチが大きな問題となっています。その原因の一つに、面接が候補者と企業にとって形式的なやりとりになっていることが挙げられます。お互いに良く見せようとするあまり、リアルな姿を見せられていないんです。
以前から、今の就職活動のあり方に疑問を感じていた島田さん。互いに本来の姿が見えやすい採用方法はないかと考えていたといいます。転機となったのは、社員合宿で開催した人狼ゲームでした。
人狼ゲーム中、新卒のメンバーたちの緊張が溶けていく様子を見て、コレだっ!と確信しました。お酒を飲みながら人狼ゲームをすると、誰もが素顔を見せやすくなることに気づいたんです。
実際に人狼ゲームを採用に取り入れたところ、これが大当たり。わずか数十分ほどのゲームですが、「彼は人の表情を良く観察しているな」「自チームが勝てるようにうまく立ち回っているな」など、一人ひとりの考え方や個性が良くわかるようになったといいます。
人狼ゲームには社員も参加し、お酒を飲んだりお菓子を食べたりと和気あいあいとした雰囲気で進みます。やはり採用の一環なのに全員が楽しそうなのが良いですね。
人狼採用では、単にゲームを楽しむだけでなく、学生にとって価値のある経験を提供することも重視しているとのこと。
例えば、1分間の自己PRに向けて、社員があらかじめ参加者全員と30分程度の面談を実施。自己PRで何を話すと良いのか、学生の良いところを引き出すアドバイスを行います。
社員がとことん学生と向き合うことで、学生に合否に関係なく人狼採用を受けてよかったと感じてほしいんです。自分自身の良いところを自覚し、それをPRできるようになれば、今後の就職活動にも役立つはずですから。
この独特な採用方法は、企業にとっても大きな成果を上げていると島田さんはいいます。導入前の2019年は年間9名程度だった応募者が、2023年には1116名にまで増加。さらに、採用のミスマッチも大幅に改善されたそうです。
学生からも「社員の飾らない姿が見られる」と好評!
広報の原さんによると、人狼採用に参加した学生からは「社員の方々が飾らずに本音で接してくれているのが伝わり、ゲームは人狼だけど正直な会社説明会だった」という声も上がっているとのこと。実は原さんも人狼採用を経験して2024年に入社した社員の一人です。
求人サイトで『人狼採用』を見つけ、最初は何だこの会社と思いました。でも、その斬新さに惹かれて、会社説明会に参加したんです。まず、多くの社員が参加されていることに驚きました。参加者全員がその場を本気で楽しんでいる姿が印象的でしたね。
原さんは、「入社後もギャップが少なく、自分を出しやすい環境だった」と入社当時を振り返ります。
普通の企業の説明会で話せる社員は1〜2名が一般的です。しかし、人狼採用では5、6人もの社員のほか社長まで参加していて、企業の雰囲気がつかみやすいんです。
トラストリング社のユニークな取り組みは、採用に留まりません。飲み会で眼鏡をなくした社員のために年2回まで眼鏡を購入する「眼鏡保証制度」や、飲みすぎた翌日に午前休暇が取得できる「二日酔い休暇制度(年2回まで)」など、ユーモアを交えた制度が多数存在します。
これらの制度は、単なる福利厚生ではありません。島田さんは、「会社の課題を楽しく解決したいんです」と笑顔で語ります。
今後の展望として、島田さんは対面での「リアル人狼採用」の実現を目指しているといいます。「オンラインよりもリアルな場での交流の方が、より深い相互理解につながるはず。なにより対面でできたら多分もっと楽しい時間になるんじゃないかな」と島田さんは期待を寄せています。
ユニーク採用は奇抜なだけでなく、求職者と企業にとってWIN-WINな取り組み
形式や建前にとらわれず、互いのありのままを見せ合える人狼採用。トラストリング社では、企業と学生のより良いマッチングを目指しています。
ユニーク採用には、従来の就活では得られない新しい発見や、自分自身の新たな一面を見出すチャンスがあるかもしれません。
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