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内定辞退の方法は電話が一番多い【正社員1,000人調査】内定辞退の理由や辞退した企業数について年代別に比較

内定辞退について徹底調査

2024年3月における大卒者の就職率は過去最高の98.1%(※)を記録しました。 売り手市場である現在は、内定辞退が当たり前の時代でもあります。

実際、今回の調査でも企業の正社員1,000人のうち497人が「内定を辞退したことがある」と回答しています。

今回は「内定辞退」を経験した497人を中心にアンケートを実施し、辞退の連絡方法や辞退した理由、辞退する際の心情やトラブルなどについて年代ごとにまとめました。

さらに、内定辞退に関連するエピソードについても紹介しています。

※出典:「令和6年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」厚生労働省

内定を辞退したことはある?

調査対象:社会人/正社員 1,000人(20~60代、各200人)
調査地域:全国
調査期間:2024年7月19日~22日
調査主体:ミライトーチ編集部
調査委託先: アイブリッジ株式会社

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

内定辞退の連絡方法で一番多いのは電話!申し訳ない気持ちから失礼に当たらない方法を選択

正社員1,000人への調査で「内定辞退の経験がある」と回答した497人に対し、「内定辞退の方法」(複数回答)について聞いたところ、1位は「電話」で333人、2位が「メール」の130人、3位は「直接口頭」の79人という結果となりました。

20代から60代の年代別に見ても「電話」での辞退方法が圧倒的に1位でした。

内定辞退の連絡方法についての回答グラフ

さらに年代別に見ると、2番目に多かった「メール」については、年代が上がるごとに減少していきます。
50代と60代は、メールが一般的でない時代にも就活をしていたことが理由のひとつと考えられます。

また50代と60代では「フェードアウト」の経験者がほぼいませんでした。年代が高くなるにつれ礼儀を重んじる辞退方法を選択するのかもしれません。

内定辞退の連絡方法を選んだ理由は「失礼に当たらない」が一番多い

内定辞退経験者497人に対して、「内定辞退の方法を選んだ理由」(複数回答)について聞いたところ、1位は「失礼に当たらない」で194人、2位は「採用担当者と顔を合わせなくて済む」の150人、3位は「誠意を見せたかった」で129人でした。

内定辞退方法の回答では「電話」が圧倒的多数でしたが、失礼に当たらないまでも担当者と顔を合わせず、誠意が見せられる方法として選ばれたのかもしれません。

内定辞退の連絡方法を選んだ理由ランキング

年代別に見ると、20代を除いた30代以上は「失礼に当たらない」がいずれも一番多い結果となりました。

20代では「採用担当者と顔を合わせなくて済む」が一番多くなりましたが、社会人経験が少なく対応の仕方がまだよくわかっていない、という理由があるのかもしれません。

内定辞退を伝える際の心情で一番多いのは「辞退する企業に対して申し訳ない」

内定辞退経験者497人に対して、「内定辞退を伝える際の心情」(単一回答)について聞いたところ、1位は「辞退する企業に対して申し訳ない」で43%、2位が「辞退を伝えるのが面倒くさい」で15%、3位は「辞退を伝えるのが怖い」で12%でした。

年代別に見ると、年代が高くなるにつれ「辞退する企業に対して申し訳ない」が増加傾向にあり、60代の56%という結果が年代中一番大きい割合でした。

内定辞退を伝える際の心情の回答グラフ

さらに年代別に見ていくと、20代と30代は他の年代に比べ「辞退を伝えるのが面倒くさい」や「辞退を伝えるのが怖い」の割合が大きくなる傾向にあります。

年代が高くなるほど、面倒くささや怖さよりも、企業や採用担当者に対する申し訳ない気持ちが先に立つようです。

内定を辞退してもトラブルは「特にない」が圧倒的多数

さらに、内定辞退経験者497人に対して「内定を辞退してトラブルはあったか」を聞いたところ、「特にない」が圧倒的1位で292人、2位が「辞めてほしくないと粘られた」の111人、3位は「辞退の連絡が遅すぎてトラブルになった」で61人でした。

年代別に見ても「特にない」が断トツで1位となっています。

内定を辞退してトラブルはあったかどうかの回答

今回は年代別で差が出なかったので、全体の結果だけグラフでまとめました。

年代別に細かく見ると、20代から40代では「採用担当者にかなり怒られた」や「裁判を起こすと言われた」など、深刻なトラブルに発展するケースも一定数あるようです。

50代や60代ではトラブル自体が少ない傾向にありますが、これまでの回答から浮かび上がってきた、礼儀を重んじることや、相手に対する思いやりの気持ちが結果として表れているのかもしれません。

回答者から同時に寄せられた内定辞退にまつわるトラブルエピソードをいくつかご紹介します。

  • 辞退した企業の担当者にネチネチ言われた(20代/製造)
  • ドタキャンに近い辞退だったので、だいぶ不満を言われた(60代/教育)
  • 辞退した企業側に怒鳴られた(30代/金融・証券・保険)
  • 担当者が自宅にまで説得しに来て困った(60代/情報通信)
  • 内定辞退ができなかった(50代/その他)
  • 粘られすぎてトラウマになった(30代/非営利団体)

内定辞退経験者は30代が一番多い!新卒時は20代で転職時は40代が多い

企業の正社員1,000人に対し、内定辞退したことがあるかを聞き年代別にまとめました。
また、そのうちの内定辞退経験者497人に対し、年代別の辞退数やどの募集時(新卒・転職)に辞退したかなど詳しく聞いてまとめました。

全体の内定辞退数は30代が多く50代が少ない

企業の正社員1,000人に「内定を辞退したことはあるか」を聞いたところ、「ある」が497人で49.7%、「ない」は503人で50.3%と全体的にほぼ半々という結果となりました。

年代別で見ていくと、「ある」が一番多かったのは30代で58%、逆に一番少なかったのは50代の40%でした。

内定を辞退したことはあるか?辞退率を年代別まとめ

年代別の特徴としては、20代と30代で「ある」と答えた人が約60%と全体の半数以上を占めますが、40代以上になると50%を割り出します。

現在の40代と50代前半といえば就職氷河期とも呼ばれた世代。就職市場における世代間ギャップが内定辞退の割合に影響しているようにも思えます。

新卒時の内定辞退は20代が多く転職時では40代が多い

内定辞退経験者497人に対し、辞退したのは新卒時と転職時「いつの応募時だったのか」(複数回答)を聞いたところ、新卒時が304人と転職時の267人を上回る結果となりました。

年代別に見ると、「新卒時」と答えた人が一番多かったのは20代の85人、「転職時」は40代の68人でした。

内定を辞退したのはいつの応募時?就活か転職かを年代別にまとめ

年代別の特徴としては、40代以上から新卒時の内定辞退経験者の数が急激に減っていること。20代や30代と比較すると、およそ半数です。

やはりここでも就職氷河期以前と以後の世代間ギャップが浮き彫りになる結果となりました。

転職時の内定辞退経験者については30代と40代が比較的多くなっていますが、スキルや経験値が上がる中堅層だからかもしれません。

内定辞退した企業数を比較!新卒時は20代で転職時は30代が多い

今回は内定を辞退した企業数についても年代別に聞いてまとめています。

新卒時の内定辞退数は年代が低いほど多い傾向

新卒時の内定辞退経験者304人に対して、「新卒時に何社の内定を辞退したか」について聞いたところ、一番多かったのが1社で36%、2番目は2社の31%、3番目が3社で17%という結果となりました。

年代別の内訳を見ると、20代は3社が一番多く、30代と40代は2社、50代と60代は1社と、年代が低いほど内定辞退の企業数は多い傾向でした。

新卒時に何社の内定を辞退したかの回答

年代別の特徴としては、20代〜40代では内定辞退数が3社や5社など複数の割合が大きくなっていきます。

就職氷河期以前と以降では、内定に対する意識に大きな違いがありそうです。特に現在の20代と30代が新卒で就活した時代は就活生にとって売り手市場です。そのため就活が有利に進められ、複数社から内定をもらえた面もあるでしょう。

転職時の内定辞退数は年代が高いほど少数になる傾向

転職時の内定辞退経験者267人に対して、「転職時に何社の内定を辞退したか」を聞いたところ、一番多かったのは1社で39%、2番目が2社の28%、3番目が3社で18%と、新卒時と同じ順番になりました。

年代別の内訳を見ていくと、1社と答えた人の比率が一番多かったのが60代の60%、2社の比率が多かったのは40代の32%、3社の比率が多かったのは20代の26%という結果でした。

転職時に何社の内定を辞退したか年代別にまとめ

さらに年代別を見ていくと、30代では4社以上の割合が27%と他の年代に比べ大きくなっています。

30代は売り手市場であることに加え、中堅層であることが理由のひとつとなっていそうです。

内定辞退の理由ランキングは「他に行きたい企業から内定をもらった」が断トツで1位

内定辞退経験者497人に対して、「内定を辞退した理由」(複数回答)について聞いたところ、1位が「他に行きたい企業から内定をもらった」で314人でした。

2位は「給与など条件面で折り合えなかった」の117人、3位が「求人条件と実際の内容に違いがあった」で97人という結果となりました。

内定を辞退した理由ランキング

年代別に見ると、どの年代でも「他に行きたい企業から内定をもらった」という理由が断トツで1位となりました。
人数別に見ると、30代が79人で突出するものの、他の世代間では大きな差はありません。

一方、50代以降では、TOP3以外の理由を挙げる人の数はだいぶ少なくなる傾向にあります。
年代が高くなるにつれ就職先にあまり多くは求めない、もしくはそこまでの選択の余地はなかったとも読み取れます。

実際どうだった?内定辞退のエピソード

最後に内定辞退にまつわる思い出エピソードについても一部紹介します。

内定辞退のエピソード

まとめ

この記事では、内定辞退について正社員1,000人に調査を行いました。

内定を辞退した経験の「ある人」と「ない人」は全体で半々に割れましたが、年代別に見ると年代が低くなるにつれ経験者が増える結果となりました。

これには就職氷河期など就職市場の世代間ギャップがひとつの理由として挙げられます。

さらに世代間ギャップを感じられたのが、内定辞退の連絡方法とそれを選んだ理由、そして辞退する際の心情です。
世代が高くなるほど、誠意や思いやり、謝意が垣間見える回答結果が目立ちました。

就職活動や社会人経験で育んだ考え方や対処方法は、辞退を伝えられる側にも響くようで、実際に内定辞退でのトラブルは全世代を通じて少ないという結果となりました。

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