履歴書の送付状(添え状)の書き方【テンプレート例文付き】
応募企業に履歴書を送付する方法は、PDF形式にした履歴書をメールに添付するケースと、郵送するケースの2通りがあります。
郵送の場合は、ビジネスマナーとして履歴書に送付状を添えておきたいところです。そこで今回は、履歴書を郵送する場合の、送付状(添え状)の書き方について解説します。
目次
履歴書の送付状(添え状)の書き方【テンプレート例文付き】
送付状は必ず添えなければならない書類ではありませんが、ビジネスマナーとして同封するのが一般的です。
応募する企業や職種によっては、送付状が採用担当者の印象を左右する可能性があります。
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①投函する日付は右上
送付状の右上に日付を記載します。西暦・和暦どちらでも構いませんが、履歴書を送付した日付を入れましょう。
②宛名(応募企業)は左上
宛先である応募企業名を左上に記載します。株式会社などの会社形態まで正しく記入し、部署宛であれば「御中」、採用担当者宛であれば「様」をつけましょう。
採用担当者の名前がわからない場合は、「採用ご担当者様」と記載し、御中はつけないのが一般的です。
③名前や連絡先は日付の下
自分の名前や連絡先は日付の下に右に寄せて記載します。
名前、住所、電話番号、メールアドレスを入れるのが一般的です。
④【前文】挨拶文を記載
頭語から始めて、時候の挨拶を続けます。頭語とは手紙の冒頭に用いる「こんにちは」に該当する言葉で、「拝啓」「謹啓」などが挙げられます。
頭語からスペースを空けて、時候の挨拶を続けましょう。
挨拶文の例
履歴書に同封する送付状は、同封している応募書類の内容や用件を伝えることが目的です。
そのため、挨拶文は簡潔な文章でまとめましょう。
<挨拶文の例>
- 「拝啓 貴社におかれましてはますますご清栄のことと存じ、お慶び申し上げます」
- 「拝啓 早春の候、貴社ますますご清栄のことと存じ、お慶び申し上げます」
- 「謹啓 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」
時候の挨拶一覧
「時下」は手紙の冒頭に用いられる挨拶で、一年を通じて使えます。季節に合わせて変える必要がないため、ビジネスシーンで汎用的に使われる言葉です。
もし、送付状に季節感を入れてていねいな印象を与えたい場合は、「時下」の部分に時候の挨拶を入れるという方法があります。
時候の挨拶は月によって異なるため、送付する月に合わせて選びましょう。
時候の挨拶一覧
提出月 | 時候の挨拶(一例) |
1月 | 初春の候/厳冬の候 |
2月 | 立春の候/梅花の候 |
3月 | 早春の候/春色の候 |
4月 | 桜花の候/陽春の候 |
5月 | 新緑の候/立夏の候 |
6月 | 入梅の候/初夏の候 |
7月 | 猛暑の候/盛夏の候 |
8月 | 納涼の候/立秋の候 |
9月 | 初秋の候/秋分の候 |
10月 | 紅葉の候/菊花の候 |
11月 | 晩秋の候/落葉の候 |
12月 | 師走の候/初冬の候 |
⑤【主文】面接の依頼と自己PR・志望動機を簡潔に記載
送付状の主文には、簡単な自己PRや応募した経緯(志望動機)などを記載します。
挨拶や同封書類のみですと、簡素で事務的な印象を与えてしまう可能性があるため、自己PRや志望動機を添えて熱意をアピールしましょう。
ただしあくまで送付状なので、長すぎる自己PRや志望動機は逆効果です。
<自己PR・志望動機の例>
- 「ハローワーク○○の紹介により貴社の○○職に応募させていただきたく、応募書類をお送りします。
これまでXX年の○○職経験があり、○○業務を担当して○○を身につけて参りました」 - 「貴社採用ページを拝見し、ぜひ○○職に応募させていただきたく、応募書類をお送りします。
私は現在、○○職にXX年間従事しており、○○や○○業務に携わっております。貴社が求めている○○や○○経験がございますので、即戦力として貢献できるものと考えております」
⑥【後文】結びの挨拶を記載
最後に結びの挨拶を入れます。応募書類の送付状なので、面接への意欲が伝わる挨拶にしましょう。
結びの挨拶の次は、1行空けて右寄せで結語を入れます。
結語とは頭語の対になる言葉で、「拝啓」なら「敬具」「拝具」が使用され、「謹啓」であれば「謹言」「謹白」が使われます。
<結びの挨拶文の例>
- 「何卒ご高覧の上、面接の機会をいただけますと幸いです。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 敬具」 - 「ご検討の上、ぜひとも面接の機会をいただけないでしょうか。
ご査収の程、よろしくお願い申し上げます。 謹白」
⑦同封書類を箇条書きで記載
中央揃えで「記」と記入し、その下に同封する書類と枚数を箇条書きにしましょう。
送付状に同封書類を記載することで、採用担当者が漏れなく応募書類を確認できます。
同封書類を記したら、右下に「以上」と記載して送付状は完成です。
履歴書に添える送付状の印刷〜郵送方法のポイント【作成後】
送付状を作成したら、プリントアウトして封筒に入れ郵送します。
印刷するサイズや用紙、封筒への入れ方などを解説します。
A4サイズで職務経歴書に合わせる
応募書類は一般的に、履歴書はA3サイズを2つ折りにして、職務経歴書もA4サイズで作成します。
そのため、送付状もサイズを揃えてA4で印刷しましょう。
なお、A4サイズの方が一般的ですが、履歴書や職務経歴書をB5サイズで揃えている場合は、送付状も合わせてB5サイズにしても問題はありません。
1枚におさめる
送付状は、同封している書類や送付者を明らかにするために添えるものです。
封筒を開けて書類を出したときに、内容が一目でわかるように1枚に収めましょう。
送付状の用紙はコピー用紙でOK
送付状の用紙は一般的なコピー用紙で構いません。履歴書や職務経歴書などの応募書類に重ねて提出するため、可能であれば違和感がないように同じ用紙を使いましょう。
送付状を一番上にしてクリアファイルに入れる
応募書類を郵送する際は、クリアファイルに入れてから封筒に入れるとていねいな印象になります。
封筒が水に濡れたり折れたりしても、クリアファイルが応募書類を守るので安心でしょう。
入れる順序は、一番上に送付状、その次に履歴書、最後にその他資料の順番です。
封筒に入れる際は、宛名が書いてある表面と送付状などの書類の向きを揃えます。
応募先に送る履歴書の送付状は手書きでもいい?3つの作成方法
応募企業に送る履歴書の添え状は手書きでもいいのでしょうか。3つの作成方法を解説します。
方法1.パソコン【推奨】
以前は手書きの送付状を作成するケースもありましたが、現在はパソコンで作成するのが一般的です。
前述した書き方のルールを参考に、送付状を作成しましょう。
冒頭で紹介している送付状のテンプレートをダウンロードして作成すると効率的です。
方法2.スマホ
パソコンを所持しておらず、スマートフォンで作成したい場合は、送付状作成ツールを活用すると効率的です。
無料のツールが提供されているため、「送付状 作成ツール」などのキーワードで検索し、自分が使いやすいサービスを選びましょう。
作成した送付状はPDF形式で出力されるので、コンビニのネットワークプリントを利用すると簡単に印刷できます。
方法3.手書きなら縦書きで
手書きで送付状を作成する場合は、フォーマルな縦書きの便箋を選びましょう。手書きのポイントは下記の通りです。
<送付状を手書きする際のポイント>
- 罫線入りの白無地の縦書き用便箋を選択する
- 万年筆はにじみやすいので避け、黒のボールペンを使用する
- 間違えた場合は修正液を使わず、新しい便箋に書き直す
- 数字は漢数字・和暦で書く
次に、具体的な書き方を解説します。
①挨拶文は1行目から
縦書きの場合は、横書きの送付状とは順序が異なります。
1行目は頭語から始めて、時候の挨拶を入れます。
また、頭語と時候の挨拶は1行で収まるように書きましょう。
②本文は1文字下げて書く
挨拶文から1行または2行空けて本文を続けますが、本文は原稿用紙のように1文字下げてから書き始めます。
文章量が多い場合は、読みにくくならないように、文章の区切りの良いところで改行しましょう。
また、同封書類は改行して箇条書きで記載する方法と、文章として本文に記載する方法があります。
どちらでも問題はありませんが、改行して箇条書きで記載した方がわかりやすいので、1枚で収まるように行数が多い封筒を使うといいでしょう。
③結びの挨拶を書く
結びの挨拶を記載し、改行して1番下に結語を入れます。
このときに、結語の末尾を1文字分空けておくと見やすくなります。
④提出日と自分の名前を書く
提出日の次の行に、下揃えで自分の氏名を記載します。
苗字と名前の間は、1文字分を空けて書きましょう。
⑤「会社名」「部署名」「担当者名」を1行で書く
氏名の次の行(一番左側)に、応募企業名と部署名、担当者名を1文字分のスペースを空けながら1行で記載します。
文字が収まりきらず2行になってしまう場合は、企業名と部署名で改行し、担当者名を次の行に記載するといいでしょう。
履歴書の送付状でやってはいけないこと3つ
履歴書の送付状でやってはいけない注意点を3つご紹介します。
1.自己PRや志望動機を長々と書く
送付状はビジネスマナーとして応募書類に添えるものなので、自己PRや志望動機を伝える書類ではありません。
特に自己PRや職務経歴書にも記載しているので、長々と送付状に記載すると重複してしまいます。
送付状に自己PRや志望動機を入れる場合は、簡潔で読みやすい分量を意識しましょう。
2.希望条件を書く
求人に複数の職種や勤務地が書かれている場合は、送付状にどのポジションに応募するのかを書いた方がわかりやすくなりますが、年収などの希望条件を送付状に記載するのはやめましょう。
応募の段階で希望条件を伝えると、一方的な印象を与えてしまいます。
希望条件は、面接で募集内容の説明を受け、自身の経験・スキルを伝えて相互理解が深まってから伝えるようにしましょう。
3.補足事項が多い
例えば転職回数の多さやブランク期間の説明など、送付状に必要のない補足事項を長々と書いてしまうと、「弁解が多い」という印象を与えてしまう可能性があります。
補足したい経歴がある場合は、簡潔に履歴書や職務経歴書に記載するか、職務経歴書のまとめ方を工夫しましょう。
履歴書に送付状を添える理由は?不要の場合もある?
履歴書に送付状を添えるのは何のためなのでしょうか。送付状の目的と送付状が不要なケースをご紹介します。
誰が何の書類を送るのかを伝えるため
送付状は、誰がどのような書類を送ったのかを一目で伝えるために同封します。
そのため重要なのは、送り主の氏名や連絡先と、同封書類の記述です。
履歴書を持参するなら不要?送付状なしのケース
応募企業の面接時などに履歴書を持参するよう指示された場合は、送付状は不要です。
ただし、受付で渡すケースもあるので、応募書類は封筒に入れて持参しましょう。
履歴書の送付状に関するよくある質問4つ
履歴書の送付状に関するよくある疑問についてお答えします。
Q1.すでに面接が決まっている場合も送付状が必要?
A.面接が確定している場合も送付状が必要です。
面接前に郵送で履歴書を送付する場合は、面接日時を本文に入れておくと確認になるでしょう。
Q2.アルバイトやパートの応募にも送付状が必要?
A.アルバイトやパートに応募する場合は、送付状はなくても問題ありません。
ただし、送付状があった方が印象は良くなるので、事務スキルがアピールになる職種への応募や、たくさんの応募が集まりそうな条件の良い求人に応募する際は、送付状を添えるのも一案です。
Q3.履歴書に送付状を忘れた…合否に影響する?
A.送付状の有無が合否に影響するケースはほとんどないでしょう。
ただし、経験・スキルが書類選考のボーダーラインにあり、他に複数の応募者がいた場合は、「ビジネスマナーが身についていない可能性があるため、他の応募者を優先しよう」という理由で見送りになる可能性が考えられます。
Q4.ハローワークの紹介先にも送付状は必要?
A.ハローワークの紹介先企業に履歴書を送付する場合も、他の応募経路や一般的なビジネスシーンと同様に、送付状は必要です。
ハローワークから紹介されたことを本文で記載しておきましょう。
【まとめ】履歴書を郵送する際は送付状を添える
履歴書に添える送付状はビジネスマナーの一環で同封します。
必ず必要というわけではありませんが、社会人の基礎スキルが身についていることを伝えるために、送付状は同封することをおすすめします。
転職活動を効率化するために、テンプレートをダウンロードして活用しましょう。
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また完成した履歴書はPDFでダウンロードもできるため、メールでの添付はもちろん、コンビニ等で印刷するのも便利です。