履歴書の封筒の書き方は?郵送・手渡しそれぞれのポイントを紹介

履歴書を入れる封筒に何か不備があった場合、応募先の採用担当者からの評価に影響が出てしまう可能性は低いですが、ゼロではありません。「この応募者、あまり常識がない人かも…」と思われないように、この記事では、履歴書の封筒に関して基本的なポイントを紹介します。
また、多くの転職者の方が疑問に思うポイントについては、転職経験者100人を対象とした独自のアンケート調査を実施しました。アンケート結果は以下の項目でそれぞれ紹介しています。
履歴書を入れる封筒の書き方
履歴書を「郵送する場合」と「手渡しする場合」では、封筒の書き方に若干の違いがあります。
ここでは、履歴書を入れる封筒の書き方について、「郵送する場合」・「手渡しする場合」それぞれ紹介します。
履歴書を郵送する場合の封筒の書き方

封筒に手書きで記入する際は、太めの黒ボールペンがおすすめです。水性のペンだと水でにじんでしまい、また油性のペンだと裏映りしてしまう恐れがあるため、避けるのが無難です。
1. 応募先の郵便番号・住所を右側に記入
郵便番号を封筒の右上に書きます。数字を間違って認識されないように、大きくはっきりと記入するのが良いでしょう。応募先の住所は、都道府県から省略せずに記入し、必要に応じて「ビル名」「号室」も忘れずに書きましょう。
住所に不安がある場合は、応募先のホームページから確認すると郵送ミスを防ぐことができます。
住所の数字は漢数字・算用数字どちらでもOK
封筒に住所を記載する際の数字の書き方について紹介します。
一般的に、横書きの場合には算用数字(アラビア数字)、縦書きの場合には漢数字を使用しますが、住所を記入する際は、読みやすさを重視して漢数字・算用数字のどちらを使用しても構いません。
漢数字を使用する場合、「ゼロ」は「〇」と記入します。また、「25」「901」などのような二桁以上の数字は、「二五」「九〇一」と記入します。
2. 応募先の宛名は正しく書く
宛名は「会社名」を記入し、改行して「部署名」「担当者名」を書きます。会社名は「(株)」などのように省略せず、正式名称で記入しましょう。
宛名の正しい使い分けは?採用担当者様でいい?
宛名を書く場合、送り先によって「様」と「御中」を使い分けます。
個人を宛先として送付する場合は、「様」を使用します。
例
- 株式会社〇〇 △△部 〇〇〇〇 様
- 株式会社〇〇 採用ご担当者様
採用担当者の氏名が不明な場合は、「採用ご担当者様」を使用します。
企業や部署宛で送付する場合は、「御中」を使用します。
例
- 株式会社〇〇 御中
- 株式会社〇〇 △△部 御中
また、様と御中は同時に使用できないとされているため、注意が必要です。
3. 履歴書在中は手書きで記入できる
左下に「履歴書在中」または「応募書類在中」を赤色のボールペンで記入し、枠で囲みます。定規を使用するとズレなく囲むことができます。
手書きで記入する以外では、履歴書在中の文字を押せるスタンプや、すでに履歴書在中の文字が記載されている履歴書用の封筒を使用することができます。

4. 自分の住所・名前を左下に記入
左下に自分の郵便番号・住所を記入し、その左横に自分の名前をやや大きめな文字で書きます。宛先住所と同様に、都道府県から省略せずに書き、マンション名・部屋番号まで正確に書きましょう。
5. 投函日を左上に記入
投函日は記入が必須ではありませんが、記入する際は封筒の左上に記載します。
封筒に日付は必要?書かないのもあり?
履歴書を入れる封筒に日付(投函日)の記入は必須ではないので、書かない場合でも問題はありません。ただし、日付を記入しておくことで、配送トラブルにより提出が遅れてしまった際に役立つ可能性があります。
封筒に日付を記載する場合は、同封する履歴書などの応募書類にも同じ日付を記入しましょう。
6. のりで封をして〆(しめ)マークをつける
封筒に確実に封をしたこと・途中で開封されていないことを示すために、封筒にのりで封をしたあとに「〆」マークを書きます。封をする際は、郵送中に封が開かないようにセロテープなどは使用せず、スティックのりを使うことをおすすめします。
履歴書を手渡しする場合の封筒の書き方

表面に「履歴書在中」のみを記載
履歴書を手渡しする場合は、応募先の住所や宛名を記入する必要はなく、封筒の表面に赤色で「履歴書在中」の文字だけ記入します。

裏面に自分の住所を記入し、のり付けは不要
封筒の裏面には、自分の氏名・住所を記入します。また履歴書をすぐに取り出せるように、のりなどで封をする必要はありません。
履歴書を入れる封筒の選び方
ここでは、履歴書を入れる封筒の色・サイズの選び方について紹介します。
封筒の色は白色・茶色が一般的
封筒の色については、白色または茶色が一般的です。
実際に100人の転職経験者に、封筒の色についてアンケート調査を実施しました。
Q: 履歴書を郵送・手渡しした際、何色の封筒を使用したことがありますか。(複数選択可)
最も人数が多かったのは白色で、61人が白色の封筒を使用したことがあると回答しました。
また、56人が茶色の封筒を使用したことがあると回答しており、白色以外では茶色の封筒も一般的であることがわかります。
一方で、応募先によっては「履歴書などの重要な書類には白色の封筒を使うべき」という考えを持つ採用担当者がいる場合があるので、無難さを重視するならば、白色の封筒を選ぶことをおすすめします。
封筒のサイズは角形2号・角形A4号
履歴書を入れる封筒のサイズは、「角形2号」または「角形A4号」が最適とされています。
具体的な大きさについて「角形2号」が 240mm×332mm 、「角形A4号」が 228mm×312mm で、「角形2号」の方がやや大きめです。
一般的に履歴書などの応募書類は二つ折りにしてA4サイズで送付するため、A4サイズの書類を入れることができる封筒を使用します。
履歴書は送付状や職務経歴書など他の応募書類もまとめて送付することが多いので、他の応募書類が入りきらず、書類に折れやシワができてしまうことを防ぐために、A4サイズよりもやや大きめの「角形2号」の使用をおすすめします。
履歴書の封筒への入れ方
ここでは、履歴書を封筒に入れるときの注意点について紹介します。
履歴書の三つ折りは避けた方が無難
履歴書を提出する際、三つ折りにしてもいいのか疑問に思う方もいるでしょう。
履歴書は、A3サイズのものを半分に折って、A4サイズの状態で提出することが一般的とされています。
それをさらに三つ折りにしてしまうと、管理やコピーがしづらく、また折り目がついて読みづらいため、応募先への配慮として、三つ折りは避けた方が良いと考える転職者もいるようです。
ただし、履歴書を三つ折りにして提出することが明確に禁止されているわけではありません。
どうしてもA4サイズの封筒を用意できなかったため、履歴書を三つ折りで提出したとしても、応募先からの評価に影響することはほぼないでしょう。
とはいえ、履歴書は二つ折りにして提出することが主流とされているため、無難な方法で履歴書を提出したい場合は、三つ折りは避けることをおすすめします。
クリアファイルの使用は任意
履歴書をクリアファイルに挟んでから封筒に入れるかどうかは、個人の判断に任される部分です。
クリアファイルは、履歴書を整った状態で保持し、汚れや折れを防止するために使用します。履歴書をなるべく綺麗な状態で応募先に届けたいと考える方は、クリアファイルを使用することをおすすめします。
Q: 履歴書を郵送・手渡しした際、クリアファイルを使用したことがありますか。
転職経験者100人を対象に実施したアンケート調査では、54人がクリアファイルを使用して履歴書を提出した経験があると回答しました。クリアファイルを使用したことのある転職者は一定数いるようです。
採用担当者からの印象に直接的な影響はほぼないですが、履歴書の状態を考慮する際には、クリアファイルの使用を検討してみてください。
郵送するときのポイント
ここでは、履歴書を封筒に入れて郵送する方法について紹介します。
送付状は必須ではない
履歴書を郵送する際、送付状を同封する必要があるのか、気になる方も多いでしょう。
Q:履歴書を郵送した際、送付状を同封したことがありますか。
転職経験者100人にアンケート調査を行ったところ、56人が送付状を同封したと回答しました。
送付状は、郵送先の採用担当者が履歴書を受け取った際に、応募者がどのような目的で送ってきたのかを一目で把握できるようにする役割があります。そのため、応募先への配慮として送付状を同封する転職者が多いようです。
送付状の内容や有無で、履歴書の取り扱いや評価に直接的な影響はないため、履歴書の郵送に送付状は必須とされていませんが、なるべく丁寧な手段を選択したい場合は、同封することをおすすめします。
送付状の基本的な書き方

送付状に記載する内容は、以下が一般的とされています。
送付状の構成
- 日付(投函日)
- 宛名
- 自分の住所・連絡先・氏名
- 拝啓(頭語)
- 時候の挨拶
- 結びの挨拶
- 敬具(結語)
- 同封する書類の一覧
切手の料金は140円が最適
履歴書を郵送する場合、封筒に貼り付ける切手の金額は140円がおすすめです。
郵送物のサイズが「角形2号」または「角形A4号」の場合、重量が50g以内で120円、100g以内で140円の料金が必要です。
基本的に、履歴書やその他応募書類を同封した封筒の総重量は100g以内に収まるため、余裕をもって140円切手を貼っておけば、重量オーバーで料金不足とみなされ、応募書類が手元に返送されてしまうことを防ぐことができます。
切手料金が十分かどうか不安に思う方は、郵便局の窓口で実際に計量・計測してもらうと確実です。
普通郵便以外にも「速達・特定記録」が利用可能
履歴書を封筒に入れて郵送する際、特に理由がなければ、通常の普通郵便での郵送で問題ありませんが、履歴書は普通郵便で郵送する以外にも、「速達」「特定記録」などの方法を利用できます。
実際に転職経験者100人を対象に、「履歴書の郵送方法」についてアンケート調査を実施しました。
Q:履歴書を郵送した際、どのような郵送方法を用いたことがありますか。(複数選択可)
提出締切がギリギリで、普通郵便では遅れてしまいそうな場合は、「速達」の利用がおすすめです。260円の追加料金で、土日祝日でも翌日中に届けることができます。速達について詳しく知りたい方は、日本郵政ホームページ〈速達〉をご覧ください。
無事に応募書類が応募先に届いたことを確認したい方は、「特定記録」の利用がおすすめです。160円の追加料金で、インターネットで配達状況を確認できるようになります。特定記録について詳しく知りたい方は、日本郵政ホームページ〈特定記録〉をご覧ください。
また、履歴書は封筒を使用せず、「レターパック」で郵送することもできます。レターパックは、コンビニで購入・発送することが可能であり、追跡サービスも利用できます。レターパックについて詳しく知りたい方は、日本郵政ホームページ〈レターパック〉をご覧ください。
手渡しするときのポイント
履歴書を手渡しする際は、慌てず焦らず、一般的なマナーを意識して行動すれば問題ありません。
以下、履歴書を手渡しするときの一般的なマナーです。
面接官に直接手渡す場合
封筒から履歴書またはクリアファイルごと取り出し封筒の上に重ね、面接官が文字を読める向きで渡してください。「こちら私の履歴書です。本日はよろしくお願いいたします」などと一言添えて、軽く頭を下げながら両手で渡すと丁寧です。
受付へ預ける場合
受付へ預ける場合は、履歴書は封筒から取り出さず、封筒のまま渡します。面接官に渡す場合と同様に、受付の方が文字を読める向きで渡してください。相手が面接官でなくても「本日はよろしくお願いいたします」などと一言添えて、お辞儀をしながら両手で渡しましょう。
以上が履歴書の手渡しの仕方ですが、あくまでマナーですので、慎重になりすぎる必要はありません。面接の際は、履歴書の中身や面接で話す内容を重視して準備しましょう。
調査概要
調査名:履歴書の封筒に関する調査
対象者:履歴書を封筒に入れて送付したことのある転職経験者100名
調査元:ミライトーチ編集部
調査時期:2023年7月
調査方法:インターネット調査