1.新卒で転職する人は3人に1人!入社したての薬剤師が転職を決める理由とは?
新卒なのに転職するなんて、という気持ちはもう捨ててください。1年目ではまだ早いなんて思わなくても大丈夫です。同じ会社に最低3年はいるべきだということは決してなく、新卒薬剤師でも普通に転職しています。
ここでは新卒薬剤師の離職率がどれくらいなのか、なぜ新卒薬剤師は転職してしまうのかを見ていきましょう。
新卒転職者の割合
新卒で転職するのは今の時代、特別に珍しいことではありません。なぜそんなことを言い切れるのでしょうか。
実はこのようなデータがあるのです。転職率は厚生労働省の出している雇用動向調査結果の概況で確認することができます。それによると医療職・福祉職に就いており1年以内で辞める人は8.9%、3年以内で辞める人は32.3%となっています。
薬剤師だけの転職率のデータではありませんが、何と10人に1人が入社して1年以内に、3人に1人が3年以内に転職しているのです。
ただし、この数字はあくまでも目安。とある企業のお話ですが、同じ社宅に住んでいた新卒薬剤師の4人の同期が1年しないうちにいつの間にか1人になっていたという話もあります。働き始めて2~3ヶ月で辞めてしまう人も中にはいました。
入社したら最低でも3年は働かないと会社のことなんて分からないと言う上司がおそらくどこの企業にもいると思うのですが、その言いつけを守っているのは新卒の約2/3しかいないんです。
新卒が100人いたら30人が3年後にはもう別の職場で働いていることになります。そう考えると入社したばかりのうちに転職を考えるのは珍しいことでも、おかしいことでもありません。
新卒転職者の転職理由
入ったばかりの職場をこんな理由で転職するなんて自分だけだろうか。初めての転職だと周りがどんな理由で転職しているのかなかなか分かりません。
そのため「本当にこんな理由で転職していいのだろうか?」と不安に思ってしまいます。では、ここでは今までに実際に転職した新卒薬剤師たちの転職理由を見ていきましょう。
1位:人間関係
新卒薬剤師の転職理由、1位は人間関係です。薬剤師が職場内で人間関係をこじらせるのは実は良くあります。
多くの薬剤師が女性であること、そして職場が狭くて閉鎖的な空間であることが人間関係を悪くしやすい主な理由です。例えば薬剤師と事務さんとの関係。自分よりも長い年月働いている事務さんとは特に対立しやすいでしょう。
お局的な存在の事務さんがいる場合は大変です。新卒である自分は必要以上に気を使わないといけなくなります。
薬剤師に対抗意識を持っている事務さんも中にはいますね。何かにつけて薬剤師に対して上から目線の発言をしたり、ひどいと嫌がらせをしてきたりすることも。事務さんがしたミスをあたかも薬剤師がミスしたかのように吹聴して回るような方も実際にいました。
事務さんとではなく、薬剤師同士でいざこざが起きてしまうケースもあります。「あの人はいつも投薬をせずに自分の薬歴ばっかり書いている!おかげで私は薬歴を一向に書けない。」という声を何度か聞いたことがあります。
投薬ばっかりする人、薬歴の記入ばっかりする人と分かれてしまうと、投薬ばかりしている人が後からまとめて薬歴を書かなければいけなくなります。
勤務時間内に薬歴を書く時間がないために居残りをして書いている方も少なくありません。薬剤師同士でうまく意思疎通ができないと仕事にも大きな影響をもたらしてしまうのですね。
2位:労働環境
労働環境に不満を持つ方も非常に多いです。特に残業に関しての不満を多く耳にします。求人には「残業ほとんどなし」と書いてあったはずなのに実際は毎日のように残業だと嘆いている薬剤師が非常に多くいるのです。
ひどいパターンだとほぼ毎日2~3時間残業しているという方もいます。さすがに毎日残業が続く状態を「ほとんど残業なし」と言い切るのには無理がありますね。
8時間働くだけでも体力を削られるのに10時間前後も働くなんてとてもじゃないですが毎日は続けられません。さらにひどい場合だと残業代が支給されないことも。
いわゆるサビ残ですね。職場の上の立場の人から残業代をカットとしろと言われて勤怠をつけられないことが多くあります。
残業以外の労働環境の不満としては、休憩がなかなか取れない、当直が多いなどの声が挙がります。どこの職場もほとんどのところがお昼休憩は規定上60分ですよね。
しかし、人手不足の職場やとても忙しい職場では休憩時間を60分確保することが非常に難しい状態にあります。超繁忙店と言われる都内にあるようなドラッグストアでは30分ほどしか休憩に入れないというお店もあります。
当直は特に病院で働いている薬剤師に多いですね。ほとんどの職場で当直は1人でこなさないといけません。何もかもを1人で対処しないといけない不安と、昼夜逆転による体への負担が大きいことから当直がない職場へ転職したいと考える薬剤師が多いです。
3位:給与面での不安
やはり働いている以上、給料面を気にせずにはいられません。給料面に関して働き始めてからしか分からないことも意外と多いです。そのため、入社前と入社後とでギャップができてしまい転職を考えてしまいます。
例えば入社前の就職説明会では「社員のランクによって年収が上がる、ランクは5段階あって上に行くほど年収が高くなる。」と説明されます。
この説明を聞いて1番上のランクに上がるまで頑張ろうと意気込みを決意し、実際に働き始めます。すると1番上のランクどころか1つしかランクが上がらない方がほとんどだった、なんてことがあります。
就職説明会のパンフレットに書いてあるモデル年収はあくまでモデルであり、実際に到達するのがほとんど不可能な場合もあるのです。
将来を見据えて入社した方にとっては年収が思ったよりも上がらないというのはとても致命的です。薬剤師は奨学金を返さなければいけない人も多いですし、親に学費を返すと約束している人もいるでしょう。
自分よりも10年ほど先輩の薬剤師の年収を聞いたら、今の自分の年収とほとんど変わらなくて驚いた経験を持つ方もいるでしょう。
さすがに10年もキャリアが違う人であれば自分よりもいくらか多く貰っていてもいいはずなのに、ほとんど変わらないと知るとこのままここで働くより転職した方が年収は上がるのではとどうしても考えてしまいますね。
番外編:その他(地方配属など)
人間関係や労働環境、給与面以外で転職理由によく挙がるのが「地方に配属になってしまった」というものです。これはチェーン展開している調剤薬局やドラッグストアでときたま起こる問題です。
まだ電車が通っているような地域ならマシな方で電車もない、バスもない、家から1時間以上かかるなんてところに配属になってしまうことも。地域によっては患者さんがほとんど来なくてヒマだと嘆くはめにもなってしまいます。
やっとの思いで薬剤師免許を取ったのにほとんど投薬ができない、もっと勉強したかったのに決まった処方ばかりしかこないという不満が地方配属になると少しずつ溜まっていきます。



