
がん化学療法を行うにあたって、投与するがん剤の種類や投与量、手順などを時系列で記した計画書、『レジメン』。このレジメンを扱う仕事はどのような職種があるでしょうか。業務内容や年収、必要な資格やあると有利な資格についても説明してまいります。
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1.がん治療に関わる薬剤師
かつてレジメンは病院内の医師や看護師が管理することも多く、がん剤使用の投与スケジュールが誤って実施されるなどの医療事故も頻発していました。そのため、薬剤の専門家でもある薬剤師がレジメン登録と管理を行い、適切なスケジュールでがん治療を行っていくのが妥当ではないかという流れが生まれ、現在のようにがんの化学療法に薬剤師が積極的に関わるようになったのです。
レジメンと薬剤師の業務
レジメン内容の審査の時点から、薬剤師は関わっていきます。処方されているがん化学療法薬の休薬期間や投与上限量などをレジメンに登録しておけば、投与計画中にミスが起こる可能性を減少させることができます。また、実際にがん剤治療を始める前にも、用量は正しいか、検査値が適正であるか、副作用はどの程度出現しているかなどを確認します。
がん剤化学療法前チェックが終わると、観察した結果とレジメンに沿って、注射剤の混合・調製を実施していきます。そして、注射剤の投与中も患者を観察し、アレルギー反応が出ていないか、血管外漏出を起こしていないか確認します。
癌化学療法が終わると、服薬指導を行います。想定される副作用に関して説明し、副作用対策についても指導します。患者から質問がある場合は常に応対し、調剤薬局で投薬が行われる場合には調剤薬局への情報提供も行います。
2.レジメン管理に必要な資格とは
このようにレジメンの管理は、主に病院でのがん治療とともに行いますので、病院薬剤師が行う機会が多くなります。在宅で治療をする患者の場合は、担当の医師がレジメン作成・審査に関わることが多くなりますので、通院を行っている場合は病院薬剤師、在宅医療を受けている場合は提携する調剤薬局の薬剤師に管理が任せられることになります。
いずれの場合にも、レジメンを管理する特別な資格は必要ありませんが、『がん薬物療法認定薬剤師』や『がん専門薬剤師』の資格を持っているなら重宝されるでしょう。
がん薬物療法認定薬剤師
がん薬物療法認定薬剤師の資格を取得するには、薬剤師としての実務経験が5年以上あることと日本病院薬剤師会の会員であること、日病薬病院薬学認定薬剤師もしくは日本医療薬学会認定薬剤師の資格を有していること、日本病院薬剤師会が認定する施設で規定の実務研修を3カ月以上履修していること、日本病院薬剤師会が認定する講習会を規定時間以上履修していること、がん患者への薬剤指導実績が50症例以上あることが求められます。
その上で、がん薬物療法認定薬剤師の資格試験に合格した薬剤師のみが、『がん薬物療法認定薬剤師』となることができるのです。
がん専門薬剤師
がん薬物療法認定薬剤師の資格を有し、日本癌学会・日本癌治療学会・日本臨床腫瘍学会のいずれかの会員であることが、『がん専門薬剤師』資格を申請する条件となっています。がんに関する国際学会や全国規模の学会で3回以上発表し、がんに関する2編以上の論文を提出していることも資格申請に必要です。
その上で日本病院薬剤師会が実施するがん専門薬剤師の試験に合格した薬剤師のみが、『がん専門薬剤師』となることができます。
3.レジメン管理を行う薬剤師の年収とやりがい
レジメン管理を行うことでは年収にあまり影響は出ません。そのため、地域や医療機関の規模によって異なりますが、450万円~600万円と平均的な薬剤師の年収を得られるでしょう。病院によっては資格手当や薬剤管理手当として月1万円~2万円程度が支給されることもあります。
年収にはあまり影響を及ぼしませんが、がん治療を行う患者をトータルで支えるレジメン管理の仕事はおおきなやりがいのある業務と言うことができます。医師や他の薬剤師などの医療スタッフと一緒に、薬物治療の方針や方法に意見を述べて積極的に治療に関わっていきますので、チーム医療を実感することもできます。
疼痛コントロールなどの緩和治療も行い、適切な処置が患者の生活の質を向上させることを目の当たりにする機会も多くありますので、達成感も多い仕事だと言うことができるでしょう。
4.まとめ
薬剤師によるレジメン管理は、今後より一層需要が高くなるだろうと予想することができます。特に病院などの医療機関では薬剤師にレジメン管理が任される機会が多くありますので、がん剤に関する知識や情報を広く習得するだけでなく、急性期患者の管理や指導も学んでおく必要があるといえるでしょう。
また、知識ももちろん大切ですが、経験から学ぶことも多い業務です。積極的にレジメン管理に参加をし、がん患者の薬物療法のスキルを習得していきましょう。
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