
市販されていない薬剤を調整する『製剤業務』。製剤業務が求められる場面と意義、製剤方法について説明してまいります。
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1.製剤業務とは
薬物治療において必要であるにもかかわらず適切な医療用医薬品がない場合や、市販薬そのままの剤形では治療に使用することが困難な場合などに、患者にもっともよいと思われる医薬品を調製することを『製剤業務』と言います。
医師の指示に基づき病院の薬剤部において病院薬剤師が製剤したものを『院内製剤』、薬局で漢方薬を独自に製剤したものを『漢方製剤』、薬局製剤製造販売業の認可を受けた薬局において薬局薬剤師が製剤したものを『薬局製剤(薬局製造販売医薬品)』と区別することもあります。
2.院内製剤の分類と利用範囲
院内製剤はその病院特有の薬剤で、製造方法や使用法によって3つに分類することができます。いずれの場合も製剤した医療機関のみでの使用となりますので、入院患者や外来患者など当該医療機関を利用する患者に向けてのみ処方されます。
院内製剤:クラス1
薬事法で承認された医薬品を使用して、薬事法の承認範囲外の用法・投与量で製剤したもので、人体に侵襲性があると思われる治療薬や診断薬はクラス1に分類されます。また、試薬や患者の生体成分、薬事法で認可されていない成分を使用する場合も、クラス1に分類されます。
クラス1の製剤を行い、患者に使用する場合には、病院内で倫理性と化学的妥当性を審議する必要があり、さらに、文書によって患者に処方提案の内容説明を行い、同意を得る必要があります。
院内製剤:クラス2
薬事法で承認された医薬品を使用して、薬事法の承認範囲外の投与方法・用法・用量で製剤したもので、人体に侵襲性が少ないと思われる治療薬や検査用薬はクラス2に分類されます。また、医薬品や試薬でないものを原料として調剤し、治療や診断以外に使用されるものもクラス2に分類します。
クラス2の薬品も、病院内で倫理性と化学的妥当性を審議する必要がありますが、患者の同意と確認を必要とするかどうかは審議会で決定することができます。
院内製剤:クラス3
薬事法で承認された医薬品を使用して、薬事法の承認範囲内の用法・用途・用量で調剤したものはクラス3に分類されます。また、医薬品や試薬でないものを原料として製剤し、ヒト以外に使用する場合もクラス3に分類します。
クラス3の薬品は、製剤リストと目的を院内の適切な部署に報告してから使用します。審議や安全性・効果・有効性の検証は必要ありません。
3.薬局製剤について
薬局製剤は院内製剤とは異なり使用者を限定・管理することができませんので、都道府県知事に薬局製剤製造販売業の認可を受け、薬局内で販売し、厚生労働大臣が指定する有効成分以外の有効成分を含有しないことが条件となります。なお、認可は6年間のみ有効ですので、適時更新手続きを行いましょう。
また、製剤できる薬品は、厚生労働省医薬食品局長別添の『薬局製剤業務指針』で定められています。指針を熟読し、指針に定められた医薬品のみを製剤しましょう。
薬局製剤の製造方法
薬局で製剤業務を行うときは、製造方法が質的・量的に規定されています。質的限定は、薬局に備え付けの器具や設備で作ることができるもののみを製剤し、混和や溶解などの簡単な物理的操作で作れるものだけを製造することです。
量的な限定とは、薬局管理者が管理できる分量だけ製剤することを意味しています。また、調剤や販売などの他の業務の支障とならない程度のみ、製剤に時間を割いても良いと規定されています。
薬局製剤の販売方法
質的限定と量的限定に従って、薬局製剤を製造した後は、薬袋に『容量』『製造番号』『製造販売者氏名』『薬品の販売名』を記したかチェックします。そして、製造記録を作成し、製剤した医薬品が、きちんと封がされた状態になっているかを確認します。
また、服用する際に守らねばならない事項や、服用できる対象者、起こり得る副作用などを詳細に記載した『添付文書』を作成し、薬局製剤を販売するときに必ず消費者に手渡します。
薬局製剤は第一類医薬品と同等の扱い方をしますので、販売するときは必ず薬剤師が服要指導を行いながら手渡し、購入者が直接手を触れることができる場所に陳列しないようにします。薬局製剤について相談された場合には、薬剤師は責任を持って答えなくてはいけません。
4.まとめ
比較的安価に製造することができるので、薬局製剤が大きな収入源となっている調剤薬局も少なくありません。いずれにしても、不特定多数の患者が服用するものですので、正確に秤量して製剤するのはもちろん、投薬指導をきっちりと行い、誤った使用法にならないように指導していく必要があります。また、院内製剤は、強い成分を使用することもよくあります。慎重に慎重を重ねて秤量し、処方通りに製剤していきましょう。
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