勤め先・自分・患者のために重要な薬剤師にとっての「保険」の種類

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薬剤師はその職業柄、「保険」と切っても切れない関係にあります。医療の現場に関係する保険は誰にでも簡単に理解できるものではありません。患者が提示する保険証から、薬剤師が業務に携わる上で欠かせない損保に至るまでいくつもの保険が存在するのです。それらの保険の種類とその存在意義、薬剤師が個人で加入しなければならない保険、登録などについて今一度おさらいしておきましょう。

1.調剤薬局に来店した患者に提出してもらう「保険証」

調剤薬局勤務の薬剤師が日々当たり前のように目にする健康保険証。国民健康保険・社会保険という違いはあっても、患者の負担が定められた割合で済む根拠となるものです。2週間に一度、1ヵ月に一度通ってくる患者の中には「もう顔見知り、データも残っているから大丈夫だよね」「処方せんにも書いてあるから大丈夫でしょう」との考えから、提示してくれない方もいます。しかし、これは問題です。

というのも、病院側が記号・番号を入力ミスしていたり、保険証が期限切れとなっていたり、さらには負担割合が変化していることもあるからです。このような時はあとから患者に請求をしなければなりませんし、書類が健康保険組合などに受理されなかったりという問題につながります。不必要な揉め事にしないためにも、「確認させてください」と伝えなければなりません。

健康保険法施行規則第五十四条にも「(略)薬剤の支給を受けようとする者は、保険医療機関等において、診療に従事する保険医又は医師若しくは歯科医師が交付した処方せんを当該保険薬局等に提出しなければならない。(略)」と明記してあるとおりです。患者が表情を曇らせても、毅然とお願いをするべきです。

2.保険薬剤師の登録ってどうすればいいの?

保険薬剤師の登録をすることによってはじめて、公的医療保険の適用を受け調剤薬剤師として仕事を始めることができます。勤務する保険薬局のある都道府県を管轄する地方厚生(支)局の事務所等へ届出を行います(平成20年10月1日以前は社会保険事務所への届出でしたので、注意が必要です)。

申請は登録を受けようとする薬剤師本人が行い、受付日が登録日となります。登録申請書(1枚)と共に薬剤師の免許証の写しを窓口へ提出、もしくは郵送、電子申請します。勤務先の名称や所在地を記載する欄には勤務が決まった調剤薬局を記入しますが、転職活動中など勤務先が決まっていない場合はお住まいの住所での登録が可能です。この場合は、住所を管轄する厚生局の事務所等で手続きが必要です。

登録が初めてのときは、事前に手続きを済ませておくとスムーズに仕事をスタートさせることができます。登録証交付後は、「新規指定時集団(個別)指導」などの研修を受講します。

3.薬剤師の入るべき損保(損害賠償保険)について

どのような仕事であっても、業務上のミスはあってはならないものです。しかしながら、人間は「うっかりミス」を起こしてしまうものです。薬剤師という仕事は、患者の病気が良くなるための薬を出すことです。その薬をうっかり取り違えたり、用量を誤ってしまったら―。考えたくはないことですが、時には健康被害や後遺症、死亡事故につながることもないとは言い切れません。

実際に、調剤事故において、薬剤師個人に対し賠償責任を問う裁判が起きています。これは決して他人事ではありません。万が一のケースに備え、薬剤師損害賠償保険に加入することは大切なことです。

この薬剤師損害賠償保険は、病院や薬局という施設単位で契約する場合と、薬剤師個人が契約する場合とがあります。施設が契約している場合でも、保険商品によっては薬剤師個人に対しての請求には対応できないものもあります。施設契約の損害賠償保険があるとしても、勤務する前に適用範囲をきちんと確認しておかなければなりません。

4.個人で損保(損害賠償保険)に登録する場合は、どこがおすすめ?

先にも触れたとおり、損害賠償保険にも施設契約(開設者向け契約)と個人契約(薬剤師契約)とがあります。薬局が契約する損害賠償保険は、施設開設者や管理薬剤師に対して損害賠償請求が行われたときに効力を発揮するものです。

薬剤師個人に対して損害賠償請求が行われたとき、自分自身を守る術となるのが個人契約(薬剤師契約)です。薬剤師会が斡旋する保険に入ることもできますが、近年多くの損害保険会社が「薬剤師賠償責任保険」を取り扱うようになっています。

施設が在籍中の薬剤師すべてをカバーする保険に入っていれば個人で保険に加入する必要はありません。個人契約をする前に、施設の加入している保険の適用範囲を確認すべきです。

5.薬剤師と保険薬剤師とは?どのような違いがあるの?

薬剤師の資格をお持ちの方ならご存じのことと思いますが、今一度おさらいをしておきましょう。保険にタッチせず病院内やドラッグストアなどで薬のアドバイスを行うのが薬剤師。国民健康保険や介護保険など、何らかの形で“保険”に関わることが求められるのが保険薬剤師です。

病院外の保険調剤薬局で働く際には保険薬剤師の登録をしなければなりません。処方せんをもとに患者に対して薬剤の説明をすると同時に、調剤料の点数算定方法や解釈の仕方、請求に至るまでを行える知識と経験が求められます。

病院内の薬剤部に勤務するときには保険薬剤師の登録は不要。医師の指示のもと、調剤や患者への指導を行うことがメインの仕事です。保険の知識は不要かもしれませんが、街の調剤薬局では取り扱わない薬剤(抗がん剤や麻酔薬や麻薬)に接することも多くあります。入院している重篤な患者に触れることも求められます。どちらが上・下、ということではありません。あなたがどの道を選ぶか―“キャリア形成”を一番に考えていただきたいと思います。

6.「薬剤師専門転職エージェント」は、薬剤師の道を照らす存在

薬剤師として勤めるといっても、様々な道があります。求められるスキルも多様。健康保険・社会保険に関する知識が必須の保険薬剤師、街の調剤薬局では取り扱わない特別な薬剤を使用する病院で働く薬剤師―。どれもそれぞれに尊く、大切な仕事です。あなたがこれから目指す方向はどこでしょうか。希望にマッチし、環境の整った職場を見つけるには、薬剤師専門転職エージェントへの登録が近道です。

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