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<求人>漢方薬剤師の新しいカタチ目指す。

話を伺った人:住吉忍(すみよし・しのぶ)さん

神奈川県鎌倉市大船にオフィスを構える『株式会社ウィメンズ漢方』の代表を務める。複数の不妊治療専門クリニックで漢方外来も担当している。西洋医学と東洋医学を組み合わせた不妊治療を提案し、多くの女性の妊活サポートに取り組む。より多くの人に「自然に妊娠しやすい身体づくりをしてほしい」と精力的に活動中。

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

漢方で妊活に悩む女性の力になりたい

「今日本では、子どもが授かれずに悩んでいる女性が46万人以上(※厚生労働省調査)いると言われています。

西洋医学の進歩により不妊に悩む方は少なくなってはいますが、それでも妊娠できない人はまだまだ大勢いるのが現状。

私たちは様々な知識を用いて、そういった不妊の悩みを抱える方のサポートをしています」と住吉さんは語る。

不妊治療を受けている女性の中には、年齢の関係で卵巣や卵子の働きが弱ってしまっていたり、身体がもともと弱かったりと病名がつかない理由で妊娠できない人も多い。

そういったなかで注目を集めているのが、ウィメンズ漢方が得意とする西洋医学と東洋医学(漢方)を融合させたハイブリットなアプローチ方法だ。

西洋医学と東洋医学の並走がもたらす新たな希望

2つの医学の違いを木に例えると、西洋医学は傷ついた枝や葉の部分を治療するのに対し、東洋医学(漢方)は根っこの部分を治療し改善していく方法。

つまりこのハイブリットなアプローチは、西洋医学で患部を治療しながら、東洋医学(漢方)で身体全体の不調を改善していくというもの。まさにいいとこ取りと言えるだろう。

「不妊で悩む女性の多くは、『冷え』や『血行不良』、『生理不順』といった問題を抱えています。そういった部分を改善せずに、不妊治療に力をいれても十分な効果は見込めないと私は考えています。根本的な部分から、身体の機能を整えるためには漢方は欠かせません」

「いくら不妊治療をしても、身体が健康で妊娠しやすい状態でなければその効果は半減してしまうんですよ。だから漢方で身体を整え、不妊治療を受け入れやすい状態にしておくことで、より高い効果が期待できるんです」

不妊治療は長期化するケースが多く、身体的にはもちろん、精神的、金銭的にも負担がかかる。薬や注射による副作用で体調を崩してしまう人も少なくない。『漢方を服用することで不妊治療の期間を短くできる』のであれば、さらに多くの女性が救われるはずだ。

現に住吉さんのところへ訪れた相談者の中には、漢方を飲みながら生活習慣を改善することで不妊治療を成功させた人も大勢いるという。その評判を聞きつけ、今も多くの女性たちが住吉さんのもとへと相談にやってくる。

しかし現在、ウィメンズ漢方ではそれを受け入れるだけの漢方薬剤師を確保できていないのが現状だ。その問題については後で触れるとして、なぜ今まで西洋医学と東洋医学のハイブリットは、メジャーなアプローチ方法になり得なかったのだろうか。

「やっぱり、成果が見えづらいことが原因だと思います。漢方というのは、飲み始めたことで劇的に体質や症状が改善されるわけではありませんから。直接的な成果を実感することが難しい分、どうしても後回しにされてしまうんです」

西洋医学で症状が改善できなかった人が、最後の頼みの綱としてウィメンズ漢方のもとへ訪れるケースが多いという。

実際、「もっと早くからウィメンズ漢方に来ていればよかった」という声もあとを絶たない。

「どちらかで解決できなかったから、もう一方に頼るのではなく、両方いっぺんに活用した方が良い。東洋医学(漢方)と西洋医学、どちらも得意不得意な分野がありますから。それらを併用することで、より高い効果が期待できるんです」

これまでのカタにとらわれることなく、『患者さんのためになれば』と挑戦する前向きな姿勢があったからこそ、ウィメンズ漢方は不妊に悩む女性たちの問題を解決することができたのであろう。

しかし住吉さんの新しい取り組みはこれだけではない。

『薬を売らない』という選択肢を持つために『知識を売る』

ウィメンズ漢方では、従来の漢方薬局と異なるビジネスモデルを展開している。今までの『薬を処方することで患者さんからお金を受け取る』仕組みに対し、ウィメンズ漢方は『カウンセリングや相談時間』に対してお金を受け取る仕組みを採用。

これによりウィメンズ漢方では、患者さんに薬を売らないという選択肢を得られたという。

「薬局といえども会社である以上は、利益を追い求める必要があります。そうなるとカウンセリングや無料相談を続けていくためには、どうしても薬を買ってもらう必要があったんです」

つまりウィメンズ漢方の仕組みは、薬ではなく、漢方薬剤師としての知識を提供することに価値を置いていると言える。

しかしこの新しい方法は、漢方薬剤師としてだけでなく、西洋医学の知識はもちろん、カウンセリング能力や栄養学などの知見も求められる。

「知識に対してお代をいただくわけですから、当然求められる知識や責任は桁違いに増えます。患者さんによっては、漢方に頼るよりも運動をしたりサプリを飲んだりした方が良いケースもある。そんなときは漢方を売るのではなく、その方に合った食事の献立や運動計画、おすすめのサプリなどを一緒に考えて提案します」

住吉さんをはじめとするウィメンズ漢方に所属する漢方薬剤師は、薬剤師というよりも女性の不妊治療をトータルでサポートするカウンセラーという方が、我々の持つイメージには近いのかもしれない。

「だからうちで働く薬剤師には、本当にさまざまな知識が必要なんです。そうでないと患者さんに的確なアドバイスや提案はできませんから」

漢方薬剤師でありながらも、「必ずしも漢方に頼ることが正解ではない」と語る住吉さん。その瞳には、『患者さんの人生にとことん向き合う』という強い覚悟と決意が宿っていた。

漢方のエキスパートとして「知識や熱意がある方だったら即採用』

現在、住吉さんが代表を務めるウィメンズ漢方では、正社員やパート、業務委託で働いてくれる仲間を募集している。

同社の魅力は大きく分けて2つある。まずは何と言っても『知識を売る』という漢方薬剤師としての新しいカタチだ。患者さんのためを想い、漢方を処方するだけではなく様々な分野から提案やアドバイスをする。責任も増えるが、その分得られるやりがいも桁違いに大きい。


次に『働き方の多様性』だ。育児休暇はもちろん、時短勤務なども積極的に採用しており、特に女性にとって働きやすい環境と言えるだろう。現にウィメンズ漢方で働いているスタッフの大半は、子を持つ女性で、家庭と仕事を両立している。


家庭との両立に悩んでいる人や、今のキャリアに疑問を感じて悶々とした日々を送っている人は、面接とまではいかなくとも一度話を聞いてみても良いかもしれない。ウィメンズ漢方の一員として働くかどうかはさておき、現状を打破するための何かしらのヒントは得られるだろう。

「HOP!<ナビ薬剤師>からのひとこと」

調剤薬局で働く薬剤師さんのなかには、「取り扱う薬剤が限られていることもあり、日々の業務がどうしてもルーティーンワークになりがち」という声もあるようです。現状の業務内容に満足していない方は、ぜひ応募してみてはいかがでしょうか。

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