エンジニアが転職するタイミングは?~実例に基づいて考えるベスト年齢

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転職を希望しているけど、ベストなタイミングが分からない。しかも引っ込み思案で、優柔不断だから決断できない。

そんなふうに日々悩んでいるエンジニアの方々。できるだけ有利な条件で転職し、キャリアアップも年収アップも同時に実現するベストタイミングを知ったなら、悩みなどウソみたいに一気に吹き飛んでしまいますよね。

今回は、現職のキャリアコンサルタントから聞いた、エンジニアに特化した実例集紹介。20代後半で勇気をもって未来へ踏み出した先輩たちのエピソードを元にして、ベストな転職タイミングや年齢について考察します。

  
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【case 1】下請け企業のプログラマから上流工程へ~自分の市場価値を見定める

Aさん(男性・25歳) 下請け会社プログラマ→中堅SIer所属SE

大手システムインテグレーター(SIer)の下請けに位置する企業で、プログラミングに従事していたAさん。新卒入社3年目での転職希望で、望む条件は以下の3点でした。

  • より上流工程のSEへキャリアアップしてシステム開発
  • 年収アップ
  • できれば大手SIerへ

正直、中途採用ならプロジェクトリーダー経験者で、開発などの業務経験が豊富でなければ大手Slerへの転職は難しいです。そもそも、新卒以外への門戸は非常に狭くなっています。

下流から、一つでも上流の仕事へのキャリアチェンジなら、会社によっては将来性を見越して候補生として採用するケースも存在しています。が、大手SIer限定となると厳しいと言わざるをえません。

ITゼネコンの最上部に位置する大手SIerの場合、開発現場には最大でも10人程度の少人数しかいないものです。そのメンバーに入ることが難しいのは、たやすく理解できることでしょう。

ところが下請けや孫請けの企業、いわゆる協力会社として営業する中小のSIerは慢性的に人手不足。テストからプログラミングにいたるまで元請けから丸投げされるケースも多いため、どこの会社も非常に多忙。中途採用ニーズが高い特徴を持っています。

こういった話をすると中堅や零細を敬遠しがちですが、ただしスキルを磨く場所として考えるなら最適です。

カウンセリングで把握したのは、Aさんがやや発言に関して消極的であることでした。企画発案やミーティングなどの機会が多い上流工程へキャリアアップするには、ヒューマンスキル的に物足りないところがあります。また、そうした消極的傾向の原因が、性格的なもの以上に業務経験の足りなさによると推察できました。

ただ、プログラマーとしてのスキルレベルは高い。企画力やマネジメント能力を磨くことについても勉強しているし、性格的に明るく礼儀正しい点も将来的に上流を目指す上で強みとなります。

企業とのマッチングにあたり、こうしたAさんの市場価値を判断した上で、

“上流工程候補生を受け入れる中堅企業への転職”

当社はこの方向性を提案し、若手を求める中堅SIer非公開求人を紹介させていただきました。

Aさんに関しては使用言語の種類が多く向上心も高いため将来性が見込める。とはいえ、キャリア的に上流へ移るにはまだ足りない。それゆえ今は経験を積み、上流工程の仕事がどんなものかを把握し理解することが必要です。まずは現場において勉強していただくことが、遠回りにみえて最終目標の大手SIerへ向かう近道であると判断したわけです。

また、将来的な大手への転職可能性を上げるためには、英語力をつけておくと有利ともアドバイスさせていただきました。目的実現のために経験を積むなら、若いうちがチャンスですから!

Aさん自身、やりがいをつかみ年収も50万円アップしたと喜んでくれました。

【case 2】難しいとされるSIer→Web系~狭き門を通過するには?

Bさん(男性・25歳) 中堅SIer所属SE→Web系エンジニア

SIerからWeb系へ。ちまたではこの形での転職は難しい、狭き門とされています。

が、意外にそんなことはありません。Web系自体の求人数は近年増加傾向。30歳以上には門戸が狭いながら、20代後半でのキャリアチェンジに関しては採用数が多くなっているのが実情です。SlerからWeb系への転職を目指す求職者の数も増えています。

Bさんも、そうした格好での転職希望者でした。

  • 「入社3年未満の転職は嫌われますか?」
  • 「SIerからWeb系へのチェンジは成功しにくいと聞きました」

不安がって質問するBさんへ、以下の項目を説明ないしヒアリングさせていただきました。

  • SIerでもWeb系でも、20代後半までの若手層を求めるのは同じ
  • 好奇心旺盛な人材をWeb系は好む
  • プライベートでも技術を学ぶ姿勢があるか
  • システム全体の設計、構築などに興味があるか
  • 家族や恋人以外と、夜通し会話できる自信があるか

これ、じつは対人事担当者との面接対策をも兼ねています

SIerからWeb系へのチェンジが難しいとされるのは、その業務における特性や、置かれた状況が異なるためです。

SIerは分業制なので、基本的にシステムの一部分に関する工程しか請け負いません。システム全体を俯瞰する必要がないため、決まりきった作業にしか従事しないことが多いのです。ゆえに低いスキルレベルでも働ける、そんなケースが往々にしてあります。

これに対してWeb系では設計からテスト、インフラ構築や運用といった複数の工程を一人のエンジニアが行うケースがデフォルトです。個人技が重視される職種とも言えます。

そうした環境の職場であり、ただでさえ変化の激しいWeb業界ですから、つねに新しい技術や知識を学ぶ好奇心旺盛さが不可欠で、指示待ちをせず自発的に業務に取り組み工夫できるか、チーム内でコミュニケーションがとれるか、そういったファクターがスキルあるいは適性として問われるのです。面接においても、SIer出身者なら100%聞かれる内容です。

逆の言い方をすれば、だからこそ30歳以上のミドル層よりも、まだ学ぶ余地があり伸びしろに期待できる若手の転職者が好まれるのです。

長年月SIerでシステムの一部にのみ携わってきた人よりも、かえって早めに脱却した人のほうがWeb系では有利。むしろSIerでの長い経験が邪魔になる、そんな見方さえできるわけです。

Bさんはこの話で安心し、むしろ自信を深めたそうです。とにかくスキルアップすることに重点を置いている人でしたから、Web系が求める人材像にピッタリ合っていました。この特性が見出せるだけでも、SIer→Web系への転職に際しては有利ですから。

ちなみに、

“家族や恋人以外と、夜通し会話できる自信があるか”

一種の謎かけじみた項目は、Googleの採用面接において重視される「エアポート・テスト」を、私(エージェント)個人の言葉に置きかえたものです。

 “雪に閉ざされた空港の機内で、未知の人と一緒。夜通し語り明かすことができるか?”

面接官は、求職者を観察しながら上の内容に沿い、その人のコミュニケーション能力や好奇心などを推し量ります。Web系企業の代表格であるGoogleにおいて、採用可否に対する最重要の判断基準とされています。

今回のケースでは、直接Bさんに近い意味合いを質問しました。模擬面接を試みた格好ですが、とはいえBさんの返答内容以前に私はOKと判断。非常にマッチングしやすい転職者でした。

キャリアチェンジは早い者勝ち?~エンジニアの転職は若手が有利

2つのエピソードから分かるのは、エンジニアの世界における採用基準の特殊性です。通常の社会通念なら経験不足とされる新卒入社3年目程度でも、エンジニアのケースでは歓迎されやすいことが分かります。

エンジニアの世界は基本的に人手が足りず、将来性に期待できて教育のしがいや伸びしろがある若手が好まれます。SIerかWeb系か、下流か上流かといった所属や職種によりけりで左右されるポイントがあるにせよ、若手の転職は不利でないのです。20代後半なら、むしろ歓迎されるケースが多いのだと読み取れます。

コンサルタント、エージェントと呼ばれる転職のプロのマッチングや指導が、理にかない頼りになることも分かります。協力してくれた人材コンサルタントの情報制度が高いせいもありますが、転職先企業を豊富にそろえているエージェントに相談すれば、マッチングの選択肢が多い分だけ希望の会社に出会える確率も上昇するのです。

結果的には、エンジニアにとって20代後半はキャリアチェンジにベストな年代と言えます。

もちろん、ただ若いだけではダメです。Aさん、Bさんの例からも浮き彫りになりますが、どういった志向や個性を持っているかが大事で、日頃の学びなど努力も惜しんではなりません。コンサルタントを活用するとしても、そうしたファクターが前提にあってこそです。

どんな未来が欲しいのか、どれが自分に向いているのか。自身の市場価値や将来へのビジョン、得意不得意分野など、エージェントに聞かれるまでもなく、その程度は自己分析しておくべきでしょう。同時に未知の業種や職種について勉強するなど事前の準備を整えて、チャレンジの道をスムーズに踏み出したいところです。

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