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中国人向けの旅館HP立ち上げで大混乱

職業:WEBデレィクター
困った依頼:旅館の中国語版サイト(プロジェクトリーダーとして関わる)

それは私が3年前中規模な制作会社で働いていた時でした。当時の私の職業はWEBデレィクターでした。ディレクターといっても範囲は広く、クライアントとの打ち合わせ、デザインの企画、構成、納品物のチェック、事務作業など多岐に渡るものでした。

普段の案件としてはWEBサイトの新規作成、リニューアル、コピーライティング、リライト作業などが主な依頼です。その中で1度困った依頼がありました。それは中国語でのサイト作成の依頼です。

中国の文化がまったくわからないまま、中国人向けのサイト制作を依頼された

私の勤めていた会社では、社長命令で依頼を受けた仕事は基本的に断らないという方針でした。当然私は、依頼を引き受ける事になります。しかし、私は中国に行った事もなければ中国語も全く分かりません。

クライアントは旅館でした。規模としては、従業員20名程度、山里にある滞在型アミューズメント施設であり、日本でも数少ない特殊な成分を含んだ温泉が売りのようでした。なぜ中国語のサイトかというと、当時の日本は中国人観光客が盛んで、多くの中国人が日本に来ていたからです。それを見込んでの依頼でした。

私がデレィクターとして組んだチームの構成は、アシスタントデレィクター、デザイナー、私の3人で私が責任者でした。プロジェクト名は「中国人観光客用ホームページの作成」でした。

依頼主の丸投げ=>追加要求というお決まりのパターン

クライアント側の担当者の印象は、少し頼りのないマネージャーといった感じでした。既存の日本語ホームページについては全て業者任せにしており、WEBには全く知識が無いようでした。しかし、仕事に対する情熱は高く、業界の先頭に立って中国人観光客を呼び寄せたい感じが伝わってきました。

しかし、困った事がありました。

私は中国人観光客の趣味、嗜好、中国人にとってどんなデザインが分かりやすく、伝わりやすいのかが全く見当付かなかったのです。もちろん社内に中国人などおらず、何をどうしていいのかさっぱり分かりませんでした。

クライアントに対して困った事は、私どもに仕事を任せますといいながらも、いろいろと追加の要求をしてくる事でした。普通のサイト作成であれば、文章の追加、修正、といった事は日常茶飯事なのですが、今回の依頼の場合は追加があった場合・・・例えば最初の段階では、既存のサイトのデザインをそのまま中国語にするという話だったのですが、途中でやっぱりデザインを中国人向けにしたいや、納期が1ヶ月だったのを20日でお願いしたいなど、無茶な注文の度に私のチームは混乱していました。

プロジェクトの責任者として初めての依頼だったので困った私は、中国の情報を集める事にしました。調べて分かった事は中国人というのは派手な色使いや過激な演出を好むといったものでした。

文章の翻訳も引き受けねばならず、結局・・・

更に困った事は、文章をどうするかです。もちろん自分達ではできない、そこで翻訳会社に外注する事にしました。外注先もなかなか見つからず結局は、よくわからない少し怪しそうな会社に依頼する事になりました。

サイトを作成する時はまず文章の原文を最初に頂くのですが、これが催促しても遅いのです。最初の納期より短くなったため私は焦りました。仕方なく私は、最初にサイトのデザインを作り後から翻訳した文章を流し込むという制作方法にしました。

結局、私達チームは翻訳会社任せのよく分からない文章をサイトに載せ、クライアント側も責任者の私も文章やデザインがサイトとして成り立っているか分からないまま納品する事になりました。

普通ならあってはならない事なのでもうしたくない仕事です。今は大手のIT企業のデザイン制作部のデレィクターとして働いていますが、クライアントにも恵まれており、事前に契約書もあって、安心して、仕事に取り組む事ができる様になりました。

以上が私が体験した困った依頼でした。