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サイト完成後にダブルブッキングが判明。結局報酬もゼロに

職業:webデザイナー
困った依頼:ゲームソフト販売店のショッピングサイト制作 

我が社でwebデザイン依頼を受注する際、必ず確認をとるようになったきっかけを作った、あるクライアントから受注したwebデザインの制作依頼の話です。

当時、私がまだwebデザイン事務所を開設して間もない頃、それまで勤めていたデザイン事務所で懇意にして下さっていたクライアントさんとは別に、新規の受注として、あるゲームソフト販売店を運営する企業から、一つの依頼を受けました。

オンラインショップサイトを好条件で受注

以来の詳細は、それまで公式サイトを持っていなかったゲームソフト販売店の公式サイトを作成してほしいというもの。また、その際には、単なる店舗紹介だけでなく、オンラインで商品の注文や予約ができるショッピングサイトにしてほしいという依頼でした。

ちょうど、Eコマースが世間で注目される時期だったこともあってか、この手の依頼が多く舞い込んできた時期でもありました。納期は契約日から1ヶ月以内、報酬も比較的割高な内容だったこともあり、喜んで受注させていただくことに決めました。

資本金が多かったので信頼しておつきあい

クライアントさんの企業規模は、地方都市を中心に、20店舗ほどのゲームソフト販売店を持つ企業です。また、それらの事情以外にも、チケット販売や飲食関係のFC契約店舗を持つ企業ということから、比較的中規模の経営実績を持つクライアントさんでした。

資本金を3000万円ほど持つ企業だったので、その点も、それまで、全くつきあいのない新規の顧客からの依頼を原則断っていた私に、ある程度の信頼感を与えてくれた要素でした。

実際に、私のデザイン事務所との交渉を行う担当者の方も、今回のwebサイト構築を機に新設されたインターネット事業部の責任者の方だそうで、戴いた名刺にも書かれていたとおり、部長という肩書きを持つ方でした。30代半ばほどの、比較的若い見た目の方で、見た目とは裏腹に、とてもしっかりした印象の人物。

あまり観相学に精通しているわけではありませんでしたが、少なくとも、接してみて不快になるような人物ではありませんので、こちらの方と交渉するという形で、仕事を進めていました。

徹夜をして納期前に仕上げ

納期が1ヶ月以内という期間にもかかわらず、販売システムを同時に構築するという事も有り、それほど余裕が有るわけではありません。また、当時の我が社には、私を入れて2人のwebデザイン担当しかいなかったので、この2人で仕上げなくてはいけないという点も、少しハードルの高い点となりました。

ただ、時々、人手が足りなくなってしまったこともあり、以前、会社員勤めとして働いていたデザイン事務所の仲間にも手伝ってもらい、2人+1人という形でプロジェクトを遂行していました。その結果、1ヶ月のうちの3分の1ほどを徹夜してしあげるという形で、納期の1ヶ月から1週間早い24日で仕上げることができました。

ダブルブッキングが判明

ただ、ここで突然の問題が起こります。それは、クライアント側のダブルブッキングの判明と、それに関係する、我が社の提案の拒否でした。というのは、実際に作品が完成し、クライアント企業へ私自身が作品を持ち込んだ時のことです。

担当の事業部長に挨拶をし、その上で、完成を伝えて作品を閲覧していただきました。ところが、担当者の彼から意外な言葉が。

「せっかく完成していただいたのですが、実は、別のある大手デザイン会社に仕事を発注しており、そちらで完成した作品を採用することに決めました。」

という内容。あまりにも突然の出来事だったので、一瞬、目の前が真っ白になってしまったほどです。ただ、もちろん、正式な契約を交わしたにもかかわらず、ダブルブッキングをされていたことや、もう一方の企業案が採用されたことに対して、私も文句を思わず言ってしまったほどです。

1/5の報酬を支払うと言うが・・・

ただ、どうやら、我が社への依頼の方が、もう一方のデザイン事務所への依頼よりも後に行われたそうで、いわば、保険として我が社への契約を行ったことも同時に判明したんです。

その上で、今回は採用することができないが、報酬額の5分の1の金額を支払い、その上で、チケット販売業のほうで必要な公式ショッピングサイトの作成を再度御願いしたいという提案を受けました。

一見すると、これは非常に有利な提案のように感じるかもしれませんが、正直、webデザインを含めたデザイン関係の契約において、ダブルブッキングは非常にマナー違反に値する行為ですし、そういった行為を平然と行うこのクライアントの対応に、私自身があまりにも我慢出来なかったこともあって、結局、この提案を蹴ることに決めました。もちろん、報酬の5分の1という提案もです。

契約違反が起きた際の取り決めが重要

この一件があってから、私自身も契約に関して反省する点を多く持つことができました。確かに、徹夜をして制作したwebデザイン案が無駄になったばかりか、必要なくなってしまった事はすごく辛い現実です。

ただ、契約の段階できちんとそれを確認しておかなかったことや、ダブルブッキングに関する契約違反に対しての正式なルールを事前に取り決めていなかったこちらにも落ち度があると判断したからです。

事務所の開所後初めてのこのようなトラブルを経験したことによって、以後、私がクライアントからの注文を受注する際には、必ず、相手方に対して契約重複の有無の確認や、もし、契約違反が起こった際の保証などの取り決めなど、顧問弁護士との相談も行った上で、きちんと記すようにしたほどです。