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履歴に残らない形で巧妙に契約内容に追加や変更をしてくるクライアント

職業:WEBデザイナー
困った依頼:地域情報サイトの開発 

広島の地域情報サイトの開発をWEBデザイナーとして受注した時の話です。依頼の内容は、広島の各地域の情報を収集して実際に現地に訪問し、店内及び店外の写真撮影2枚と店舗状況を顧客の目線でシートに書き込み納品をするというものでした。

凄く自信家の女性が担当

クライアントは資本金約7億円位の大きな会社で、大企業から様々な下請けをしている会社でした。その会社は女性目線でのインターネットサービスを展開する会社で、担当者は自分に凄く自信があるような印象の女性でした。

そのプロジェクトには4名で関わりました。ライティングや写真撮影が主だったので少人数でのプロジェクトチーム編成で、機動力を重視して仕事をスピーディに行うイメージをチームメンバー全員で共有してあたりました。

最終的にかかった期間は、約3か月です。とにかく、クライアントの担当者がこの依頼の納品物を拒否しないようにその期間内はずっと考えていたと思います。どんなに良いとこちらが想って作ったコンテンツであっても、クライアントの担当者の希望に沿わなければ納品を受け付けてはくれません。

契約書に書いていない作業を要求された

まず、このクライアントの担当者は契約書に書いていない細かい作業まで要求をしてきました。具体的には、「PDFファイルを渡すから印刷代はそちら持ちで必要な資料を印刷して下さい」や、最初に写真は店舗のどこの写真か話し合われていなかったのにも関わらず、一方的に「店内の写真も必ず撮影をして下さい」、等です。

つまり、プロジェクトがスタートして具体的なアクションをこちらがする段階になってからプロジェクトの細部に関する些細な変更点があると、こちらも今作っているコンテンツは本当に納品をして良いコンテンツかどうか迷ってしまいます。

自分が作ったコンテンツが確実に納品をさせて貰えるコンテンツなのかという不安は、クリエイティブな職業に就く人間にとってみれば非常に大きいのです。例えば、文章を作って納品をしたとして、その納品された文章を高圧的に批判された場合、プロジェクトチームのクリエイターが委縮して作業効率まで悪化してしまいます。

そうなった場合に一方的に製作をする会社側がダメージを被ってしまい、クライアント側の会社の都合の良いように全てが進んでしまいます。そうなってしまうと見込んだ利益も入ってこなくなりますし、最悪の場合『買いたたかれる』可能性もあります。

契約金額が大きいからと片目をつぶったのが間違い

我々がその時に受けた依頼は、かなり最悪のケースに近いものでした。しかし、契約時の金額が大きかったのでその点は目を一時的につぶって作業を続行する事にしました。これが判断ミスでした。

クライアント側は依頼に対してインターネットの取引ログに残らない形で巧妙に、自分達の都合の良いように契約内容に対して身勝手な追加や変更を付け加えはじめたのです。

実際に、契約書には仕事の内容が書面化して残されていますが、インターネットの取引ログに残らない形での契約内容に対する追加や変更は、書面では無いので証拠能力が低いです。

抗議は聞き入れてもらえず

ですので、私はクライアントに対して「きちんとインターネット上の正式な取引ログに残る形での契約内容に関する追加や変更要望をお願いします」と抗議をしました。しかし、抗議の内容は悲しい事に聞き入れて貰えませんでした。

それもその筈、クライアントは大企業からの下請けを受注する会社でしたので、我々末端のWEB製作会社など容易に切って捨てられる立場であったのです。また、クライアントは大企業から仕事を請けた時の予算額でどうやって納品物を完成させるのかという事しか考えておらず、我々WEB製作会社の現場を全くと言って良いほど理解をしていませんでした。

意を決して一次発注元に告発

ですので、私は直接一次発注元の大企業に対して、「あなたの下請けが不当な手段で外注を使って仕事を終わらせようとしています」と告発をしました。大企業の担当者は私の話を良く聞き、すぐ担当部署に連絡をしてくれました。

正直、契約書をタテにされて何が何でも採算が合わない依頼を遂行させられる位ならば、告発という形で戦った方が良いという私の判断からそういう形をとりました。

結果、クライアントの担当者は一次発注元の大企業からお叱りを受けたようで、この件については無事に我々の契約終了の要望を通す事が出来ました。理不尽な要望に対して無駄な人件費を使う形にならずに、本当に良かったと思っています。

結局、大企業の下請けをする大きな会社というものは、意外と『上から目線』で発言をしてきます。自分達は偉い、バックにはこれだけの大きな会社がついている、自分達の力が無ければこの仕事が取れなかったのだから、自分達のルールで下請けのWEB製作会社は低コストの製作をすべきだと。

悪質なクライアントは切り捨てるべき

確かに、考え方は一見それが正しいように見えます。しかし、確実に利益を上げていく為に必要なのはいかにそういった悪質なクライアントを早く『切り捨てる』事が出来るかという事です。

とにかく割に合わない迷惑な依頼に対しては、なるべく穏便に契約終了をする形をとるのが最も望ましいと思います。しかし、場合によっては戦う選択肢しか無い時もありますので、その時は戦うしか無いかと思います。