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上司同士のいがみ合いが原因で多くの案件に納期遅れが発生

 

職業:フリーデザイナー
困った依頼:雑貨のデザインと外注案の提出 

フリーデザイナーになるずいぶん前のこと、まだ私が会社で勤務していたときのことです。

その当時私は社内でパソコンが使えるほうとして配置されていたのですが、商品の発注から営業補佐、ときにはwebパーツを作ったりと、なんとも微妙なポジションに身を置いていたためにいわゆる「何でも屋」のようになっていたのです。

同じことをずーっとやるよりは、たまに体も動かせて自分にはあっているように感じていましたが、ある日この何でもやることが大きな問題を引き起こすことになったのです。

クリエイト部とWEB部の中間のポジション

会社は小規模な中小企業に属するもので主に輸入雑貨を扱っていました。輸入雑貨販売のほかには自社商品をデザインし、製作、他国にある工場へデザイン案を出して生産してもらうということもしていました。

社内にはこの自社商品と輸入雑貨を販売するWEB部とデザインと営業をするクリエイト部、あとは営業や通常の事務、また下請けのコーディングをする派遣部隊など、細かく分かれていました。

そのとき私はクリエイト部とWEB部の中間にいました。だいたいクリエイト部の仕事を請け、他国の工場に送るためのデザイン図版の指示書の清書をしていることがほとんどだったのですが、たまにWEB部のwebパーツなども作成していました。

そのころはだいたい1週間ごとに案件が変わるような感覚で忙しすぎず、手持ち無沙汰になることもないといったような感じのペースで仕事をこなしており何も問題がないといっても過言ではなかったのです。

各部門の上司達がいがみ合いを始める

ところが、私から見てクライアントになるWEB部の上司、クリエイト部の上司、さらに他国の工場長、この三名とのやりとりや連携が徐々にとれなくなっていったのです。

ことの発端としては二名の上司がまったく個人的なことでいがみ合うようになってしまったことが大きく、そのうちそのジレンマが作業にも影響してくるようになろうとはそのときは思ってもいませんでした。

いろんな人が集まってひとつのことをやるのですから、そういうこともあるんだなあと遠くからそのバトルを見ていましたが、ある日私がこなしているクリエイト部の作業に関して、WEB部の上司が「そこは修正したほうがよいのでは?」とほとんど怒鳴るようにして口を出してきたのです。

しかし、その時点での修正は納品に間に合わないということを意味しており、困った私はクリエイト部の上司に相談しました。そして急遽会議が開かれることになりました。

上司同士のバトルで板ばさみにされる

私としてはその時点で出来上がっているものを納品することでなにも問題なく、今までどおり進むように思っていたのですが、上司と上司のバトルというか板ばさみによりここで作業する手が止まってしまいました。

その日を境にあるときは逆にクリエイト部の上司がWEB部に対して物言いしたりと、私の頭越しに激しい感情のやりとりがされることもしばしば。

我関せずを貫き通しながら作業をこなしていましたが、やはり作業をする手が止められることが多くなってしまい、工場へ送るデザイン案もだんだんと工場から修正案がくるようになってしまいました。

それまで作っていたデザイン案は決め細やかで、日本語が分からない他国の労働者にも分かるように数字以外の文字は使わず図のみでどんな製品をどのようにして作ったらいいのかを一目でわかるようにということに留意して作られていましたが、それまでの方針をがらりと変えられ国内の人が見ても分かりにくいものになってしまったのです。

クリエイト部の上司にはなんども訂正したほうがよいのでは、前のものに戻したほうがよいのではないかというようなことを言ったのですが、意地になっているのかまったく聞く耳を持ってもらえず、ものづくりをしている現場とは思えないような意地の張り合いが外からのクライアントの依頼にも影響しはじめていました。

1ヶ月で終わるはず案件に3ヶ月もの時間がかかる

そんなとき大きな案件がきたのですが、もちろんこんな状態で受けたのではうまくいくはずもなく、当初私のみで進めていたプロジェクトでしたが上司は相変わらずお互いの仕事に口を出しあい、通常なら1ヶ月と少しで終わりそうな案件が3ヶ月も時間を要してしまったのです。

最終的には派遣部隊の中にもフォトショップとイラストレーターを使用できる人を見つけてはヘルプを頼んで、どうにか作り上げた形でした。

しかし、納期を大きく越えた仕事はもちろん評価されることなく、今回は外のクライアントよりも部の違う上司同士という、内側のクライアントの存在により大きなチャンスとしての案件が評価されないままに終わってしまいました。

さらにその後も何度か大きめの案件をいただいたものの、同じような結果になってしまい、大体のクライアントからは何度も修正が出て新しく始めようとしていたプロジェクトは頓挫、生産よりもそれまで受けた仕事の修正に追われるようになってしまいました。

上がここまで揉めてしまうとプロジェクトが進まないのは当然ですが、そこから思ったのはやはりはじめに決めた方向性や目的は、ブレさせてはならない、ということでした。