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次々に店長がいなくなる!過酷な労働を虐げられた某洋食チェーン

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一般の優良企業にお勤めの方には信じられないようなお話でしょうが、事実のみを記述していきますね。

北海道に本社を置く某洋食チェーンの一店舗に勤め始めたのは、私が大学を卒業し、アルバイト感覚で仕事をしていた20代半ばの頃でした。そして、8年後の私が最後にかけられた言葉は「あんたが黒幕でしょ!」という女性専務の言葉。

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夜逃げしていく店長たち

8年間の就業の中で、店長が20名近く次々に交代する過酷な店舗でした。そのうち3名は「夜逃げ」をしました。朝方、食材の仕込みをしていると、店長が出社してこないのです。ボロボロでいまにも朽ち果てそうなアパートの一室に店長は住んでいて、「戦時中かよ!」というくらいくらい様相を呈している住処でした。住処というよりも、寝るだけの場所。寝ぐら、と表現した方がぴったりときます。

夜逃げする前日まで店長の就業時間は一日、18時間を越えていました。もちろん残業手当などというものが出るはずもなく、時給換算にしたらおよそ300円程の給料で店長になった方は働くことになっていたのです。休日という概念もこの会社にはありませんでした。最少人数のバイトを雇って、足りない労力は店長自らの労働で補う。これが会社のモットーでした。

心身ともにおかしくなっていく店長

眠って、仕事をして、を繰り返すだけの時間を1ヶ月行うと、人間の体はまず、それに慣れてしまいます。「こうやって働くのが普通なのだ」と刷り込まれてしまうのです。2か月がたち一季節が過ぎる辺りから、亡霊の様な顔つきになってしまい、心身ともに最後の一本の糸でどうにか生きている、という状態になるのですが、本人はそれに気がつきません。手に入る月収16万円はアイドルタイムと言われる午後2時から午後4時の2時間でパチンコ・スロットに費やされ、無くなってしまいます。

過度のストレスをギャンブルにつぎ込むことでしか、発散できないのです。お金がなくなるから仕事をやめるわけにはいかない。4時間ほどの睡眠時間は店長の思考能力を奪い、ある時、「このままでは死んでしまう」と悟ったかのように「いなくなってしまう」のです。

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3人目の夜逃げが判明した時には「ああ。またいなくなってしまったなぁ」と乾いた声で笑いあっていました。「これでよかったんだよ」「あのままでは自分が過労してることにも気がつかずに死んでいたかもしれないから」残された従業員で店長の穴を埋める。この繰り返しで、僕らの就業スキルはどんどんと高まっていきました。

わたしを含め、バイト仲間たちは最低賃金で働いていました。雇用保険や健康保険の条件を満たしているにもかかわらず(当時はそんな制度があることさえも知りませんでした)、社会保険には入っていませんでした。(後に僕自身が社会保険労務士の資格を取り、会社の横暴と闘うことになるのですが)

上場しなかったのに天引きされていた分は保留

ある日、株式上場の話題が出ました。社員は自社株を購入すること。必ず倍になって返ってくるから、いまは騙されたと思って自社株を購入すること。そんなお達しが会社内に流れました。当時の店長は20歳そこそこの若者です。私達が「そんな命令に従う必要はない」というものの「会社の決まりだから」と給料から自社株購入の天引きを認めるサインをしたのです。

給料の1/4が天引きされることになりました。案の定1年後には「上場の話はなくなった」と上からのお達しが再び流れました。返金は社内の経営が上向きになってから、という目茶苦茶な理由で保留にされました。

ちなみに店長候補の社員が株式を受け取ったという事実もありません。「少ない給料から1/4も天引きされ、どうやって暮らしていたんだろう?」と考えるといまでも不思議なのですが、それでも我が店舗を仕切ろうとする店長は後を絶つことなく、次々と派遣されてくるのです。

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実質運営しているのはアルバイト店員

一季節ごとに代わる店長なわけですから、店舗を運営するのは実質私達アルバイト店員です。発注から仕込み、店舗内における就業シフトの作成。予算管理まで行うようになっていました。そんなバイト仲間の一人に女性のTさんがいました。

アルバイト店員Tさんの裁量でお店は運営されていると言っても過言ではないくらい、Tさんは働いていました。Tさんは最低賃金で働くアルバイト店員です、ですからそれ以上のお給料を支払う必要がない、と会社は信じ込んでいます。これは大きな間違いです。

ざっくり言うと、1週間の労働時間は40時間と決められています。40時間を越える労働には25%の割増賃金が必要なのです。これはもちろん支払われていません。先ほども言いましたが、社会保険の加入義務があるにもかかわらず会社は「バイトにそんなもんはない」と突っぱね続けていました。

労基署の支払い勧告書すら無視

Tさんが店長業務をこなすようになってから3年ほどたっていました。Tさんにかかる激務に耐えられなくなったとき、彼女は離職を決意しました。その際に、「いままで支払われていなかった割増賃金を支払ってください」と会社の専務に直訴しました。

ここからが泥沼の戦いでした。タイムカードやシフト表・給与明細と言った証拠をそろえても、労基署に何度もかけ込みました。労基署からの支払い命令であっても、専務は「支払う」と首を縦には振りません。「オカシイ?こんな事があるのだろうか?」だって、労基署が支払い勧告書出してるんですよ!?

逆ギレ・・そしてクビ

北海道では有名なブラック会社でした。労基署の勧告書類は全て労働基準法を「知らない」専務が処理をしていました。

手を貸していた私も、Tさんもくたくたになり、粘り勝ちにはなったのですが、「あんたが黒幕でしょ!」と言われ、雇用契約書の作成もしていない専務に、「明日から来なくていい」と言われ、手切れ金のような割増賃金だけを握りしめ、「なんで8年間も関わってしまったんだろう?」と思いました。きっと私達も頭がマヒしていたのです。過酷な状況に人は自分を騙すようにして慣れてしまいます。「おや?オカシイぞ?」と思った瞬間に、ブラックを疑う。いまではそんな意識になってしまいました。

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