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進捗確認が大好きなくせに思いつきの発言ばかりする先方担当者

 

職業:システムエンジニア
困った依頼:ソフトウェアフレームワークのカスタマイズ 

ソフトウェアのフレームワーク開発時に、クライアント企業側担当者のフットワークの軽さと朝令暮改っぷりにほとほと困った体験を語りたいと思います。

linux用フレームワーク開発を受注

linuxというOS上でデスクトップアプリケーションを作成するためのフレームワーク開発案件の話が持ち上がりました。

開発ツール類はいくつか登場していたものの、windows版などと比べると使いにくかったので、フレームワークをイチから作成しようというクライアントがいました。弊社がそれを受注して、自分は開発担当の一人としてプログラミングを行いました。

クライアント企業の担当者が一人で設計を担当し、弊社からは3人がプログラミング担当として付くことになりました。作業自体は持ち帰りで、自社内でプログラミングをしていました。自社は東京都北部、クライアント企業は静岡県でした。

若手で少し気負った方が担当者に

クライアント企業は社員数が10人ほどのハードウェア設計を行う会社で、担当者の年齢はわかりませんが30代中盤という印象でした。担当当時の自分よりも、クライアント企業の担当者の方が若干年下という印象も受けました。

担当者はクライアント企業内では最も若手のメンバーだったようで、開発スタートした当初から気負っていた感じがしていました。クライアントの担当者は、スケジューリングからキッチリ決められており、機能ブロックごとの概略設計も出来上がった状態から弊社が参加しました。

詳細設計は一緒に作業しましょうということになり、最初の一ヶ月間は担当者が弊社の事務所に通いです。打ち合わせという形ではなく、机を横に並べて話し合いながら設計を詰めていくという進め方で行っていました。

その担当者の自宅から弊社まではドアツードアで2時間近くかかり、随分フットワークが軽い人だなと思ったものです。
一ヶ月も経つ頃にはほぼ詳細設計も完成し、それじゃあこれでプログラミングを始めましょうという事になりました。ここまでは至って順調でした。

進捗確認をしに何度も横浜から東京まで飛んでくる

プログラミングを始めた頃には、クライアント企業の担当者も自社に戻って時々打ち合わせを行うようなスタイルになりました。ですが、毎日メールと電話で進捗確認をしてくるようになったのです。

弊社は100人くらいの会社なので、時々社用や他案件の打ち合わせで外出することもあります。出張で2日ほど、その案件の作業が行えない事もありました。その件については、クライアント企業としても承知していたはずで、発注方式も人月ではなく案件ベースで受注していました。

日々の進捗をとやかく言われる筋合いはない

要するに、マイルストーンにおける進捗さえ守ってさえいれば、日々の進捗についてはとやかく言われる筋合いはないわけです。ところが、作業を出来ない日があったりすると、すぐに横浜から飛んできて理由をヒアリングするようになったのです。

別案件での打ち合わせを行っていたとか、全社あるいは部署ごとの全体ミーティングをやっていたと話すと納得して帰って行くのです。ですが、別の機会に同じことがあると、また血相を変えて、横浜から飛んでくるのです。

こちらも折角横浜から来るのだからと、いろいろ打ち合わせをしていましたが、余りにも頻繁に訪問してくるので、社内での進捗管理シートを作成して、それを日々メンテナンス、担当者が来訪した時にそれを見せて納得して貰うというスタイルになってしまいました。

スケジュール管理はクライアント企業が担当していますので、これは完全に二度手間です。見せるためだけの資料のメンテナンスなんて、何の役にもたちません。しかも、クライアント企業からも、更新されたスケジュール表がしょっちゅう送られてくるのですから。

担当者のちゃぶ台返しが始まった

開発が終盤に差し掛かった頃、クライアント企業の担当者はちょいちょいちゃぶ台返しをするようになりました。

前回の打ち合わせで決めたことをなかったことにする、それはそういう意味じゃないなどと言うようになったのです。特に設計を変更していたわけではありません。弊社に来訪したときに、思いつきで何かを言って行くのでそれに対応していると、それは不要と言われたりするわけです。

しかし、変更があるなら仕様書を変更して下さいと言おうものなら、仕様書を変更しているから作業をストップして下さいなどと言うようになり、進捗にも悪影響を及ぼすようになりました。

どう作業すればいいか分からなくなり、元の仕様のままプログラミングを続けていくしかありません。迷いながら作業すると質が落ちるからと、上司がクライアント企業の担当者との間に入って決めたのです。おかげでなんとか納期通りに作業が完了し、納品のために立ち会い検収となりました。

なんと仕様変更が伝わっていなかった

ところが当日、クライアント企業に訪問すると、なにやら様子がおかしいのです。なんと、クライアント企業内で仕様が変更されていたのに、それが弊社に伝わっていなかったのです。

既に販売も決定しており、仕方ないのでその日からクライアント企業に泊まりこみで変更が始まりました。2日ほどでテストまで完了できましたが、その担当者のマメなんだかマメじゃないんだか分らない正体がみんなにバレてしまい、以後弊社の担当者として出てくることはありませんでした。