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クライアントの本社と子会社の擦り合わせ不足で大迷惑・・・システムの大幅改修に追い込まれた件

職業:システムエンジニア
困った依頼:販売システムの構築 

私はシステムエンジニアとして、国内では大手のIT企業に勤めていました。そのときに参加したあるPJでシステムを納品した後で、こんなはずじゃなかったというどんでん返しが発生して困惑した件がありました。

サブシステムのリーダーとしてPJへ参画

当時、私はPJ内で数人しかいないサブシステムのリーダを行っていました。サブリーダは一番ユーザーと接して一番システムを理解しなければいけない立場でそのPJへは参画していました。そのPJはPJメンバーが約30名体制で構成されていました。

ユーザーは、売上高が500億円から1000億円のものづくりの会社で日本国内に数拠点の工場と数十の販売拠点を持っている、その分野ではトップランナーの企業でした。今回私は、その販売拠点でのシステムを旧システムから新システムへ刷新するPJに参画していました。

PJはユーザー本社での打合せや各工場でのヒアリングや業務を理解するための出張、メイン販売拠点と呼ばれる販売拠点を周り、どのようなシステムにしていくのか打合せをする日々で、毎週のように全国を行き来していました。

決定権は本社情報システム部が握っているのですが、各販売拠点は子会社化され、各販売拠点には社長から平社員まで構成させれているので、打合せを行いシステムの内容を決定するにも各販売拠点での承認、各販売拠点の整合、本社情報システム部の承認から決定と時間を要していました。

またシステム導入を各拠点へ一度に行うのではなく、売上などから力が強いとされるメイン販売拠点数社への一次導入後、状況を把握し二次導入で一括全国展開という案が採用されていました。この一次導入から二次導入までの期間は約半年という期間設定がされていました。

一次導入実施後にクレーム

打合せが難航する中、なんとかスケジュール通りのシステム開発が終わり、メイン拠点への一次導入前の試験導入が開始されました。私は現地でのサポートを行うべく、メイン拠点を1つ1つ訪問し全国を忙しく周っていました。各販売拠点では日常業務もあるので、その合間を縫って試験導入のテストを行って頂きました。

試験導入も各拠点で実施しこれで一次導入をいけると合意を取り、一次導入を実施しました。私も本社情報システム部の担当者もなんとか、この日までこぎつけたと安堵していました。

一次導入を実施した初日、ある拠点からこんははずじゃなかったとのクレームが上がってきました。理由は旧システムとの違いが多すぎて業務が進まないということでした。このクレームは別の販売拠点からも上がってきました。

今回のシステムでは処理速度の向上やセキュリティ対策の実施、各工場で乱立していたシステムの統合、本社からのリアルタイム状況把握など、旧システムを一新した作りになっており、そのようなクレームが出ることが想像できませんでした。私と本社情報システム部の担当者はすぐに現地へ向かい状況を確認しました。

旧システムとの連携はしないと合意したはずなのに・・・

内容を確認すると原因の一つは習熟不足で新システムに慣れていないための現象でした。その程度であればこちらとしても想定の範囲内であるので良かったのですが、旧システム時代に連携していたその販売拠点独自で構築したシステムとの連携が出来ないというのです。

それについても新システムで実施していくことで合意を取っていたのに、なぜそのようなことを言うのかそのときは不思議でした。しかしそのようなクレームは別のメイン拠点からも上がってきており、なぜこんなにも一度合意したことをひっくり返すのかその当時はわかっていませんでした。結局、システムの一次導入は旧システムへの切り替えを余儀なくされ二次導入も大きく遅れることになりました。

私はこちらにどのような落ち度があったのか分析を始めましたが、書類上も打合せの議事録でも合意した記録しか見当たりませんでした。そんなときに再一次導入でメイン拠点へ出張したときに、なぜ各販売拠点からそのようなクレームが同じようにあがったのかわかりました。

そのメイン拠点の担当者が言うには、本社情報システム部の担当者が私たちシステムエンジニアが参加しない各拠点への説明会で、各拠点から旧システムと各拠点独自に開発したシステムの連携はどうなるのかと質問を受けたとき、各販売会社の皆様に迷惑を掛けないようその独自システムも使えるようにします、と明言したらしいのです。

販売拠点の発言力が大きすぎて、本社システム部が口約束を

私はそれを聞いて呆れてしまいましたが、その理由は、ユーザーの会社は販売拠点が強い力を持っており、本社と言えどもなかなか口出しできない雰囲気があるようなのです。また販売会社の社員は営業からのたたき上げが多く、言葉使いも乱暴な方が多いようなので、システム説明会で本社情報システム部の担当者が恐縮してしまい、根拠のない約束をしてしまったことが原因のようです。

もちろん、私たちに非が無いので、掛かった追加費用はいただけることになりましたが、社内の説明会で勝手に口約束をしてしまい、それを誰にも言わずに抱えてしまうということで、PJは大幅な延期を余儀なくされてしまいました。

本社情報システム部の担当者もどうかと思いますが、本社方針は各販売拠点への通達されていたはずなのにそれを無視し、自分たちだけ良ければ良いという各販売拠点の傲慢な考えややり方もどうかと思いました。