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度重なる仕様変更と20数回のデザイン変更により、担当者は嫌になって退社

職業:システムエンジニア
困った依頼:遠隔監視システムの開発 

監視カメラの映像を監視するシステムを開発

街中に、監視カメラが多数あります。そのほとんどが、警察のものですが、自治体が独自に設置したものもあります。

今回、開発したのは、そうした監視カメラの映像を監視するシステムです。ネットワークに接続されている多数の監視カメラからの映像を常時監視していて、異常が発生した際に、メールや画面上に警告を表示するというものです。

センターと監視場所、それに監視カメラが主要なノードになっており、センターでは監視カメラからの映像と音声を24時間蓄積しています。クライアント企業には、既に稼働済みのシステムがありましたが、デザインや使い勝手に難があったり、新型カメラへの対応が必要となったりしたため、弊社で全てリプレースするべく受注しました。

クライアント企業は監視カメラなどでの監視業務を受託している民間企業で、社員数は百人規模。国内には数カ所の事業所がありますが、ビルなどの監視室に常駐することもあります。

クライアント企業にはIT部門がなく、担当者も普段は監視業務についている現場の方でした。趣味でパソコンを使用しているので、ネットワークなどについては、社内では詳しい方という事でした。

トータル1年半で開発完了

既設システム構築の際も、その方が窓口となって社内の取りまとめなどを行っていたようです。また、機器に詳しい方も居て、そちらの方が年配でしたが、必要機材などはこの方が決定していたようです。ITに関しては、担当者の方も、機器担当の方も素人でしたが、担当者の方はかなり詳しい印象を受けました。

プロジェクトとしては、クライアント企業からは4名ほど、弊社からは5名+1名が関わっていましたが、納期間際にそれぞれ数名テスト要員を増強していました。

開発期間はトータル1年半程度かかりました。見積もり段階では1年でしたが、機器の手配やサーバー設計不備、それに度重なるデザイン変更により、結局、半年延長となりました。延長は遅延ではなく、再見積もりによってクライアント企業に追加費用を負担してもらいました。

度重なるデザインや仕様の変更で苦労

このプロジェクトでもっとも苦労した点が、度重なるデザインや仕様の変更です。監視用端末は一般的なノートパソコンや、スマートフォンなどでしたが、弊社の窓口担当が仕様を決めきれずにプロジェクトをスタートしてしまいました。

そのため、暫定デザインのままで開発を進めていました。デザインも社内で行っていました。前述の「+1名」はデザイン担当者です。最初の2ヶ月は仕様作成に充てていました。その段階では、使用する機材の選定は既に完了しており、変更することはないので、それに沿って開発を行っていました。

試作に使用するため、ネットワーク機器や監視カメラの貸与も受けて、試作版を作成するべく、作業を進めていました。サーバー、スマートフォン、監視用ノートパソコンの3つのソフトウェアを作る必要があるため、サーバーチームとその他チームに分かれて並行作業を行っていました。

安価なカメラの通信方式対応が必要に

ところが、3ヶ月目に入った頃に、監視カメラの変更の話しが持ち上がりました。価格が高いため、安価なものを利用したいという話がクライアント企業内で持ち上がったようです。

弊社の窓口担当者もクライアント企業の打ち合わせに参加し、機器を変更すると仕様が変更になり、これまでの作業の一部が無駄になる点を説明しました。ですが、結局は担当者に押し切られてしまい、さらに仕様にあった機種と安価な機種の両対応が必要という事になってしまったのです。

監視カメラはメーカーや機種によってそれぞれ通信方式が違うので、カメラが複数あると通信方式もその分実装する必要が出てきます。安価なカメラでの通信方式については寝耳に水だったので、急遽取り寄せて仕様を確認する一方、クライアント企業には追加費用や期間延長を申し入れていました。

仕様に無い画面デザイン変更を希望

その後、期間が多少延長になることで話はまとまりましたが、暫定で進めていた画面デザインを自由に変更したいという話が持ち上がりました。デザインが決定していないことも去ることながら、画面の変更は仕様には全くなく、結局はXMLに似た画面設計手法に切り替えて、画面系の設計は一新することになりました。

完成度としては微妙であったため、新しく作り直す事になりました。その後、デザインを差し替える方法は実装できたのですが、肝心のデザインは全く決まりませんでした。

弊社で決めていいかという事を伝えに窓口担当者がクライアント企業を幾度となく訪問し、クライアント企業内でデザインを打ち合わせるという事に落ち着きました。定例的にデザインやユーザーインターフェースの打ち合わせを行うようになったものの、それが逆効果となり、毎週デザインが変更になるようになってしまいました。

ついにはクライアント企業担当者が、弊社に乗り込んできて事細かく支持しながら作業する事に。それで完成したデザインをクライアント企業の打ち合わせで検討すると、何かしらコメントが付けられ、20数回の変更を余儀なくされました。

途中までは弊社デザイン担当が対応していましたが、嫌になって途中で退社してしまいました。以降、弊社では「仕様変更はペナルティ」という文言を契約書に追記するようになりました。