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「プログラミングは材料費がかからない」という理由で値引き要請をする社長

職業:グラフィックデザイナー
困った依頼:ホームページのリニューアル 

WEB関連のシステムからデザインまで幅広く仕事をしているフリーランスです。
フリーランスとしては日が浅く、実力も「php10年」とか「Photoshop歴5年以上」などそうそうたる経歴がある人たちと競合して仕事を受けるのは大変です。

私自身「HTML」やドレスコードなど扱いますが、どちらかと言えばイラスト専門ですから、「グラフィックデザイナー」と一応名乗っています。ホームページを作ったり、レイアウトをしたり、ロゴを書いたりする毎日です。

大学を卒業してグラフィックやプログラム言語を習ってこの世界に飛び込んだのが20代後半でした。それでも何とか仕事依頼が来るようになって生活ができている感じですから、依頼人を選ぶなんてできません。そうなると困るのがクライアントとの交渉事です。

様々な機能を要望されたのに、納期1週間では無理

ある依頼人の話です。その依頼人は30人くらいの会社で社長をやっている人でした。
主に金属の加工をしており、下請けが中心ですが、最近の需要の減少から工芸品や全く新しい分野への進出も考えている積極的な会社です。その一環でホームページの一新を依頼してきました。

この仕事は知り合いから紹介されて受けたもので、私自身が依頼されたものではありません。それでも私の仕事ですからきちんと対応しました。

仕事の主な内容は「ホームページのリニューアル」です。その際にいろいろと注文を付けられました。
・コメント欄をつけてほしい(メールマガジン登録の方が良い)
・ページ全体をシンプルにしてページ数を増やしてほしい
・アクセス解析ができるようにしてほしい
・専用の動画を作り動画サイトで宣伝してほしい
などです。

これと言って驚きがない要求なので初めは出来ることからやっていくことで合意しました。それでも納期は1週間と言われました。これだけのことを1週間でできるわけがありませんからせめて1ヵ月は欲しいと交渉して大まかな流れを1週間で決めてそこから調整していくという形にしました。

このクライアントの厄介な点はいくつかありました。まずは納期があいまいだったことです。これは困りました。初めは1週間と言っていましたが、交渉で1ヶ月くらいのゆとりを持って仕事を始められました。

しかし、1週間もしないで「明日完成の骨格を見せて」と言ってきてびっくりして慌てて完成しているところまで見せると「グラフィックスの提案書が見たい」と言いだして、一応のレパートリー表を見せるとネットで調べたのか、社長が気に入ったサイトを提案してきました。

初めの時点ではそのようなことは言われずに「君の好きにしていいよ」だったはずが急に大きく方向転換です。しかも、全くコンセプトが違います。この程度の変更は想定内ですから、特に驚かずに冷静に対処してそのサイトのイメージ図をその場で見させてもらい、キャンパスにレイアウトしてみせると納得したのか「それで行こう」ということになりました。

納期の変更はなく1週間後にもう一度見せてもらうことで同意して、家に持ち帰ってサイトを見てプログラムを書いて格子を決定しました。そのサイトはそれほど複雑なコードではありませんから1日くらいで書けました。

途中報告前日にデザイン変更依頼

そこからレイアウトを変えていき、社長の要望に応えるのがフリーランスとしての力の見せ所です。そこから3日かけて変えていき、ほぼ完成したのは1週間後の途中報告の前日でした。あとは他のメールマガジンとSNSシステムを組み込んでグラフィックを描き上げるだけですが、その前に報告をするとまた要望が変わっていました。

一度このようなことがありましたから適宜連絡を取り合っていましたので今度は問題ないと思っていましたが、今度はトップページを廃止して2カラムのシンプルなデザインに変更してほしいとのことでした。カラムの変更はパーツの移動だけではすみませんから位置からデザインを練り直す必要があります。

社長は自らデザインを描いて見せましたが一番初めに私が提案した物にそっくりでしたから頭にきました。しかし、そこで怒っても始まりませんから大人しく2カラムに変更してデザインもだいぶ変わり、イラストもすべて廃止されました。

動画もトップページにはめ込みたい要望を受けて、何となくその場ですべて構成して「これ以上変更すると納期に間に合わなくなりますから最終的に決定して下さい」と念を押し、それで帰ってからすべて直します。

作業量が増えているのに、会うたびに値引き要求

費用に関しても二転三転しました。見積もり段階で決まった金額を次に会うと作業量が増えているにもかかわらず2割カットを要求してきます。

要するに「安く、良いものを作りたい」ので反対はしませんが、プログラマーというものは「物を作っているわけではないから材料費がかからない」などと意味不明なことを言い値下げを要求してきます。最後には何とか完成し、金額を見積りよりも一割引きに抑えることもできました。

パソコンを使えばあっという間にホームページを完成できると思っている人が多く、その気になれば1時間くらいでホームページができると自慢している社長を見ていて、我慢し続けて、お礼もそこそこにさっさとその会社出ていきました。