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クリスマスディスプレイの予算を担当者が間違え、値引き要請された施工業者は激怒して仕事を放置

職業:空間デザイナー
困った依頼:ショッピングモールのクリスマスディスプレイ 

私は普段はグラフィックデザインの仕事をしていますが、時々室内装飾やイルミネーションなどの空間デザインのお仕事もしています。空間デザインの場合、基本的に印刷すれば済んでしまうグラフィックのお仕事と違い、材料を用意したり施工しなければならないので、ディスプレイが公開される半年から3カ月前にはお仕事の依頼が来ます。

短納期のクリスマスディスプレイの依頼

その困ってしまったクライアントさんの案件に関しては12月公開予定で、公開の1カ月半前の10月中旬に依頼が来たこともあり、ディスプレーのボリュームを考えるととてもタイトなスケジュールを組まなければならず、とてもフリーランスである私一人では厳しいと判断し初めはその依頼はお断りしました。

しかし、いつもお世話になっている別のクライアントさんから紹介していただいた方でお世話になっているクライアントさんからどうしてもやって欲しいと頭をさげられてしまい、お世話になっている方の頼みならばと、しぶしぶ受けることにしました。

その方から大変だと思うけれど、何とかお願いね。上手くやってね。と、何度も言われたのでその時から嫌な予感はしていました。

ゴマすり担当者が個人的な要望をぶつけてくる

そしてその予感は的中してしまいました。仕事を受けることにしたクライアントさんの会社は中規模ぐらいの、都心から離れた小さなショッピングモールでした。

担当者の方は自分より目上の人間には極端にへこへこし、ゴマをするのに、私のような下請けや自分の部下に対しては威張り散らすようなかたでした。それでもの仕事ができるのなら文句はありませんが、とにかく仕事をまとめるのが下手な、正直言ってやりづらい方でした。

まず、どのようなディスプレーにしたいのか提案を交えながらヒアリングしました。そしてディスプレーの方向性をある程度絞って、あとは社内で検討していただくことになりました。

しかし、帰ってきた返答は事前の打ち合わせには全くなかった、白鳥を使いたいとか海の感じにしてほしいとか、全部白で統一してほしい等、社員さん一人一人の個人的な意見をただメモしただけで、社内で会議や検討などをされた様子が全くありませんでした。

追加修正には費用がかかることを伝え、やっとデザインに合意

そこでこちらの方で社内の方々の意見を少しずつ採用しながら、方向性を詰めたものを再度提案しました。そしてよく社内で意見をまとめて頂くようにお願いして、その提案を持ち帰って頂きました。

しかし、何度お願いしてもその方は社内会議などをする気がなく、しかしその方に仕事が一任されることも無いようで意見は結局まとまらずじまいで、まとまりのない修正が何度も来ました。

デザインをお渡ししてから返答が来るまでの期間がとても長く、公開まであと1カ月と迫っていました。とても対応できないと思い、今後のスケジュールの事と、これ以上の修正はご予算を頂かないと出来ないと伝えました。すると、やっと社内会議されたようで、結局修正前の最初のデザインでよいという返答が来ました。

材料を買いそろえた後に担当者の予算間違えが発覚

かなり無駄骨でしたが、最初の方の提案に戻ってしまうというのはグラフィックでも何度か経験したことだったのでよいとします。しかし、ここからがさらに大変でした。

デザインが決定したので、具体的なディスプレー材料の見積もりや買いそろえをしました。そして材料がそろったというところで、その担当者さんが、ディスプレーの予算を間違えていたことが発覚したのです。

何度も確認したことだったのでこれはびっくりしました。そしてもう材料は買いそろえてしまったのです。材料費だけは払って頂かないと困るのでそのことはよくお話しして、デザイン費とまとめて早めに払って頂きました。

値引き要請された施工業者さんは怒って帰ってしまった

そうすると、その担当者の人は今度は施工業者に、予算内で収まるように大幅に値切ったのです。しかも、施工が始まったその日に。施工業者は私が手配したわけではなく、最初にこのクライアントさんを紹介してくれた、いつもお世話になっているクライアントさんのなじみの施工業者でした。

私はデザイナーとして施工に立ち会っていたので、恐る恐る様子をうかがっていましたが、施工業者はすっかり怒ってしまい、そんなに安くするくらいなら施工はできないと主張していました。

そしてクライアントと泥沼の言い合いをした末、作業中のまま途中で投げ出して帰ってしまいました。後に残された私と担当者。完全に悪いのはクライアントの方です。フォローのしようもありません。

どうしよう。と、さんざん威張り散らしていた担当者が初めて私に涙目でか細く相談してきました。今さらそんな目をされてもどうしようもありません。

3日間睡眠を取らず自分でディスプレーを完成

もういっそのこと私も帰ってしまいたい心境でしたが、お金だけは大分値切られながらも頂いていたので、素人ながらに中途半端なディスプレーを完成させることにしました。まず急いでスーパーに走り、ジーンズを購入し、スーツから着替えます。そして、担当者が呼び出した担当者の部下数人と担当者と私と、総出で何とか施工をしました。

三日間ろくに睡眠もとらずにひたすら作業しました。分からないことがあれば、自分の知り合いのディスプレー業者に電話してアドバイスをもらいました。本来やるはずだった施工業者が怒って帰ってしまうような仕事をとても自分の知り合いの業者に頼むことはできなかったので・・。

そして何とか形になりましたが、予算的には大損。一ヶ月半、とにかく担当の方に振り回されました。