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学生団体がプラカードのデザイン代を支払わず、最終的には学校の教育指導責任者にお支払いいただいた

職業:イベント販促物デザイナー
困った依頼:プラカードの作成 

イベント用プラカードのデザインを担当

これは、私がとあるイベント運営会社でデザイナーをしていた頃にあったトラブルです。私が勤めていた会社は、イベントで使用する看板やプラカードのデザイン、施工までを業務とする会社で、私はチラシや看板のグラフィックデザインを担当していました。

さて、私が体験した「困ったクライアント」ですが、単刀直入に、支払いをせずに逃げようとしたクライアントとお会いしたことがあります。

問題の案件ですが、イベントで使用するためのプラカードの作成でした。相手は企業ではなく学生の団体でしたので、相手もこういった「プロに物作りを頼む」ということに慣れていなかったのかもしれません。(しかしこちらも仕事は仕事ですので…)

案件を頂いた当初、クライアントの用件は明確で、希望デザインも、Wordで作った簡単なものですがデータを頂くことも出来ました。サイズや使用用途も決まっていたのでこちらもスムーズに作業に入ることができました。最初のころは特に不信感もなく、良い雰囲気でお仕事をさせて頂けていたと思います。

制作希望内容を確認しようと連絡するが、返事をいただけない

しかし、頂いた希望レイアウトが2枚ありました。ご希望はプラカード1本でしたので、2枚試作して気に入った方を採用するつもりなのか、両面仕様にして表と裏のデザインを別々にするつもりなのか、そもそもオーダーが1本という所が間違っているのかがこちらでは検討がつきませんでした。しかし、何度か連絡をしてもろくに連絡がつかず、お返事も頂けず、明確にならないまま納期だけが迫っていました。

私の会社は、クライアントからの依頼の後、お見積もりを送ってそれにGOサインを頂いてからの作成が基本です。(プラカードや看板等は一点もののオーダーメイド制で、制作中にキャンセルされると材料費等こちらの負担が大きいため)

そのため、仕方なく、2本なのかどうなのかはっきりして欲しいという文面と共に「片面2本」でお見積もりをクライアントに送信することになりました。

やっと合意を得て2本のプラカードを代引きで発送

するとクライアントからGOサインが来ましたので、そのように作成していくことになり、ギリギリでしたがなんとか納期には間に合い、綺麗なプラカードを2本納品することになりました。

会社の体制上、プラカード等小さいものはクライアントの所まで手渡しではなく運送会社で発送をしお渡しするケースが多いのですが、その際制作費等の支払いを代引きでも対応出来るサービスを取っていました。(この件があった以降は、トラブル防止のためにオーダーメイドの製品に関しては代引き支払いを受け付けなくなってしまったのですが。)

納品したプラカードが受け取り拒否で戻ってきた

さて無事に発送をし、こちらはその案件に関してはほぼ完了、というところまで来ました。しかししばらくして、送ったプラカードが「受け取り拒否」という形で会社に戻ってきたのです。運送会社の方に事情を伺うと、なんでも「2本も頼んだ覚えがないのでいらないから返す。お金も払わない。」というのがクライアントの言い分だというのです。

どういうことだ、という話になり、今回の案件の営業担当がクライアントに連絡をとりました。やっと繋がった電話では、相手は「2本作ってもらって気にった方を選ぶつもりだったのにそっちが勝手に2本も送ってきた。2本分の金額まで請求してきて、これは詐欺だ。」と言うのです。

こちらは何度もメールや電話で何を何本欲しいのか明確にするよう促しましたし、どちらかを選ぶなどという言葉はこの日まで一度も出て来ていませんでした。

デザイン案のPDFデータを私から送らせて頂くときも、「A案B案どちらか一方をお選びください」と書き添え続けていましたが、「どちらも素晴らしいです、このまま進めてください」というお返事しか頂けていませんでした。

見積書へのGOサインは部外者の仕業と言い出す始末

挙げ句、先述した見積もり書にもGOサインを出しているのですから、「片面2本」の金額が請求されることは明確なはずです。見積もり書に関しては「知らない。」の一点張りで、見積もり書に返信をしたのも、自分たちの部外者が勝手にやったことで自分たちは何も知らない、とまで言い出す始末でした。

プラカードはそこそこな大きさでしたし、戻ってきたものを再利用する事も基本出来ません。受け取り拒否をされたことにより、運搬費も往復でかかってしまい、大赤字状態でした。

クライアントの学生たちは世間知らずなのか分かりませんが高圧的な態度で乱暴な言葉遣いであれやこれやと文句や言い訳を並べるばかりで、まったく解決する兆しが見えませんでした。

学校の教育指導責任者にまで連絡をしてお支払いいただいた

最終的には仕方なく、彼らの在学する学校の教育指導責任者に連絡を入れることになってしまいました。その方にも色々と顛末を確認して頂き、クライアントに非があると判断が下り、請求金額をお支払い頂きました。

他の学生の皆様には申し訳ありませんでしたが、その学校の関係者および在学生との取引はその件以降全てお断りする形をとらせて頂くことになりました。

解決するまでにおおよそ3ヶ月ほどもかかってしまい、無駄な労力を使ったと思います。しかし、やはり相手は学生ですからもっと、しつこいと思われる位話し合いをする必要があったと思います。

ただ、いくら学生と言っても送ったメールには目を通す、来た電話には対応する、話は聴く、くらいはして頂きたかったなあと複雑な気持ちになります。今後の教訓にはなりましたが、疲労感はすさまじかったです。