薬剤師はCROで働ける?調剤師との年収・仕事の違い

調剤薬局や病院で働く調剤師だけが薬剤師のキャリアではありません。CRO(医療品開発業務受託機関)では治験モニタリングを通して新薬の開発に携わることができます。また、CROの平均年収は600万円とも言われており、キャリアを重ねてさらなる年収アップも期待できます。今回はそんなCROについて説明します。
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1.そもそもCROって何をしているの?

CRO、すなわちContract Research Organization(医薬品開発業受託機関)は、製薬会社から新薬開発を引き受け、治験の実施や新薬申請の手続きの実行を行っている企業のことです。

薬品の製造・販売によって利益を得る製薬企業にとって、新薬の開発は大きな利益につながる一方で、薬効や安全性の検証のための臨床実験や申請手続きなどが必要であるため、一つの薬を生み出すのには莫大な時間と費用がかかります。

そのため、開発のコストやリスクを製薬会社から引き受けるCROは近年急速な発展を遂げており、現在欧米の医薬品開発業務の半数近くをCROが受託しているといわれています。一方、日本国内では未だ10%前後と言われており、今後の大きな発展の余地があると言われています。

2.薬剤師が活躍できるCROでの仕事

薬剤師がCROで活躍できる職種には、治験の実施を行うCRAや、CRAと一緒に開発を進めるQCDMといった仕事があります。それぞれの仕事の内容を説明していきます。

CRA(臨床開発モニター)

薬剤師として培った薬学の知識を駆使して新薬を評価することが求められます。具体的には、新薬の効果を臨床実験で明らかにする治験の実施やモニタリング業務を行います。

QC(品質管理)

CRAによる治験の実施をサポートし、倫理面の問題の対処や、治験の質の向上を行います。治験に関する様々な法規などをレビューしCRAの計画書や報告書に違反がないかチェックすりる他、より高精度かつ効率のよい治験実施のための仕組み作りを行います。

DM(データ管理)

CRAが実施した治験のデータを入力・解析したり、データベースを構築したり、クライアントの製薬会社に提出する報告書を作成したりします。薬剤や臨床試験に関する知識だけでなく、ITに関する知識が身につく職種です。

3.CROの仕事のやりがいや必要なスキル、調剤師との違いは?

マネジメント力

CRAやQCは、法律などの様々なルールのチェック、治験対象患者や医師との調整、薬品開発者へのフィードバックなど、様々な関係者とのやりとりを通して、効率よい治験の実施を実現することが求められます。優れたコミュニケーション能力や、プロジェクトマネジメントの能力が必要と言えます。

英語力

新薬の開発も、海外の機関と連携して行う国際共同治験が多くなってきています。英語の論文や報告書に目を通せるだけでなく、海外の部門と直接コミュニケーションをとって作業を進めていく必要があります。そのため、医学、薬学の知識だけでなく、英語力もCROの必須のスキルになってきていると言えます。TOEICの点数だけでなく、実際に英語を使って業務を行った経験があるとアピールポイントになるでしょう。

やりがい

薬局や病院などに比べ、患者と直接向き合う機会は少ないものの、何より効果のある新薬を市販に漕ぎつけたときの社会的な貢献は計り知れません。CROでの仕事はそうした大きな社会的意義を持っていると言えます。

また、前述のように国際共同開発も積極的に行われており、スケールの大きなプロジェクトに関わるチャンスもあります。

4.CROの年収はどのくらい?キャリアアップの可能性は?

3.CROの平均年収は600万円程度

CRAやDMといった職種の違いや、外資系企業か日系企業かの違いなどもありますが、CRO企業の平均年収は600万円ほどと言われています。

CRAに関しては平均年収は600-700万円ほどで、未経験の1年目で450万円ほどが相場ですが、実績を積み上げることで昇給し1000万円を超える年収をもらうことも可能です。

3.『CRO → 製薬会社』の転職が年収アップの近道!?

CRAやQCに未経験で転職する場合、求人はCROのものが多く、基本的にはCROでキャリアを始めることになります。しかし、一般的に、受託企業であるCROよりも、新薬の開発元である製薬メーカーのCRAの方が、CROのモニターをマネジメントしたり、プロジェクト全体を統括する役割を担ったりする機会が多いため、年収水準は高めです。

CROで経験を積んで製薬会社に転職することで、30代半ばでは年収800万円を手にすることも見えてきます。また、CROでも製薬会社でも、努力や成果が反映される給与体系を取っている企業が多いため、成果次第で年収を上げていくことができます(前述したように1000万円を超えることも可能です)。

CRAのほうがQCやDMより年収は少し高くなる傾向がありますが、モニタリング業務のため外勤が多いCRAに比べ、基本的に内勤となるQCやDMのほうが働き方や給与の面でも安定しているといえます。

5.さいごに

CROでは新薬開発に関わる業務に関わりながら、調剤業務とは違った専門性を磨き、違ったキャリアを歩むことができます。コミュニケーション能力やプロジェクト管理能力など幅広いスキルが必要とされる環境ですが、新薬の完成という社会的意義の大きな仕事に携わることができ、キャリアを重ねていくことで年収も上げていくことが可能です。

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