薬剤師の仕事18種類を徹底的に調べてみた!驚きの仕事内容も!

薬剤師の職場はドラッグストアや病院以外にもたくさんある

薬剤師の仕事といえば調剤業務ですよね。しかし薬剤師には驚くような意外な仕事も存在するのです。薬剤師の仕事がつまらない方、そして転職を考えている方は、そんな「珍しい」仕事を狙ってみてはいかが?この記事では薬剤師の仕事内容を網羅的に紹介しています。「薬剤師ってこんな仕事もできるんだ!」という新しい発見があるはずですよ。

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1.薬剤師の仕事内容とは?

生涯安定!薬剤師ってこんな仕事

薬剤師は国家資格ということもあり、一度免許を取ってしまえば一生安泰ともいわれる職業です。また医療現場では薬剤師はが足りておらず、売り手市場なので仕事が見つからず困ることもありません。さらにいつでも転職や復職ができるため、結婚、出産を経験した女性が活躍しやすいのも特徴です。

薬剤師の働き方はさまざまですが、ほとんどの人は調剤薬局やドラッグストア、病院で働いています。これらは医師からの処方せんをもとに薬を調剤する「調剤業務」と、薬の服用について患者に説明、指導する「服薬指導」がおもな仕事になります。地域住民の健康に携わる仕事として、社会的貢献度が非常に高い仕事といえるでしょう。

2.合格率76%!薬剤師免許取得までの道筋

ここで、薬剤師の免許取得までの道のりについて改めてみていきましょう。「薬剤師として働いてみたいけれど、どうすれば薬剤師になれるの?」という人は、ここで薬剤師になるまでのプロセスを確認してください。すでに薬剤師として活躍している方は、自分の時代との違いに注目してみてください。

大学6年間はどう学ぶ?

薬剤師になるためには、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。この国家試験を受験するには、大学の薬学部または薬科大学に入学して、6年間の薬剤師養成課程を卒業していることが必須条件になります。

入学後は、4年次までは物理、化学、生物、衛生、薬理、病態生理学など幅広い分野について学びます。4年修了時に、薬剤師としての知識、技能を評価する全国共通の共用試験が行われます。共用試験は知識を評価するCBTと、実技を通して技能や態度を評価するOSCEとに分かれ、合格しなければ5年次に進むことができません

5年次からは研究室に所属して研究をおこないます。また、病院と調剤薬局にてそれぞれ2.5ヵ月ごとの実務実習を行います。6年次に卒業論文を提出後、卒業試験を行い、卒業資格を得た人だけが国家試験を受けることができます。

国家試験

国家試験は7科目・345問で、2日間かけて行われます

平成28年に行われた第101回の薬剤師国家試験は受験者14,949名に対して合格者は11,488名で、合格率は76.85%でした。最終目標は国家試験合格ですが、各年次の前期後期、4年次の共用試験、6年次の卒業試験など、さまざまなタイミングで試験があります。常に勉強に追われる生活になってしまうので、ほかの学部、特に文系学部などと比較するとハードだといえるでしょう。

国公立と私立の違い

国公立大学と私立大学の違いは「卒業後の進路が大きく変わる」という点です。

  • 国公立大学:薬剤師として働くのではなく研究を続ける人が多い
  • 私立大学:薬剤師として調剤薬局などで働く人が多い

私立大学は薬剤師として現場に立つことを目指す人が多いため、国家試験の合格率がが国公立大学よりも高い傾向にあります。また、私立大学では国家試験対策を行い、かつ卒業試験もあり、国家試験合格が見込めない学生は卒業試験で落とされる点も合格率が高い要因のひとつでしょう。

一方で国公立大学は、研究に重きを置いているため国家試験対策に力を入れておらず、また卒業試験もありません。その結果、国公立大学の合格率が低くなっているのです。どちらが良い、悪いということはありません。自分が大学卒業後に進みたい道によって大学選びは変わるといえます。

3.あなたに合う職場は?職場別の特徴と現場の声

国家試験に合格すれば、晴れて薬剤師として働くことができます。就職先は調剤薬局やドラッグストア、病院などが有名ですが、実はそれ以外にも薬剤師が活躍できるフィールドはたくさんあります。

職場ごとの薬剤師の仕事内容

ここでは、薬剤師が働いている以下の職場について詳しく説明します。

患者さんと直に接する!薬剤師の一般的な職場

  • 調剤薬局
  • ドラッグストア
  • 病院
  • 診療所
  • 在宅
  • 学校(小学校、中学校、高等学校)
  • 【調剤薬局】

    薬学部を卒業した学生の多くは調剤薬局に就職します。調剤薬局では以下3つの仕事がメインになります。

    • 調剤業務:病院で発行された処方せんを元に薬を調剤する
    • 服薬指導:患者さんに服薬について説明する
    • 薬歴管理:処方状況や患者さんから得た情報を管理する
    仕事内容

    患者に対し、処方せんの期限や保険番号に間違いがないか、現在服用している処方薬があれば重複投与や相互作用の恐れはないか確認します。健康・生命に関わる仕事になりますので、何よりも正確性が求められます。コツコツと仕事をすることができ、責任感のある方に向いている仕事です。また、患者さんから情報を得るために、最低限のコミュニケーションスキルは必要になります。

    収入

    平均450~600万円程度で、薬剤師の足りていない地方であれば年収も高くなる傾向にあります。

    特徴

    基本的に近くの病院に合わせて開局しているケースが多いため、病院によって扱う薬の種類や薬局の忙しさ、残業時間などは変わってきます。たとえば、大学病院の門前ではすべての診療科の薬を扱います。特に午前中は忙しく、午後は時間通りに終わることが多いです。一方で皮ふ科や整形外科の門前薬局であれば、処方される薬も限られ、診察が長引けば残業時間も増えてしまいます。

    【ドラッグストア】

    仕事内容

    ドラッグストアでは、一般用医薬品(OTC医薬品)やサプリメント、健康食品などさまざまな商品を扱っていますので、医薬品以外の商品知識が必要になります。また、レジ打ちや品出しなど薬剤師業務以外の仕事もしなければならないため、負担は大きくなります。

    収入

    調剤薬局や病院と比べると比較的高給が望めます。初任給で年収400万円を超えることが多く、店長クラスでは700万円を超えることも。キャリアとしては店長から本社の運営、管理などのマネージャーとしてキャリアアップを目指します。

    特徴

    ドラッグストア勤務は接客をする機会が多く、接客が好きな人や、コミュニケーションスキルに長けている人には向いている仕事です。メリットとしては、さまざまなジャンルの商品に携わるため健康全般への知識が豊富になり、オールマイティーな薬剤師として活躍できることが挙げられます。

    【病院】

    仕事内容

    仕事内容は調剤薬局と同様で調剤、服薬指導がおもな業務になりますが、外来の患者さんだけでなく、入院患者に対しても服薬指導を行います。入院患者に対しては、医師や看護師と連携してチーム医療に貢献できることが最大の魅力です。ほかにも、病院内薬局では注射薬や輸液の取り扱いや、TDM(薬物治療モニタリング)と呼ばれる薬物治療に関わる仕事があります。TDMとは、薬物の効果を最大限発揮させるために、医師とともに患者さん一人ひとりに合わせた薬物療法を組み立てることで、病院に勤める薬剤師ならではの仕事といえます。

    収入

    給料はほかの薬剤師の職種と比べて少なく、平均年収は約400~650万円ほどです。薬局長、薬剤部長というポジションへのキャリアアップは目指せますが、その先がないため給料は頭打ちになります。

    特徴

    病院薬剤師は、調剤薬局やドラッグストアに比べて専門性の高い仕事になりますので、日々勉強したいというモチベーションの高い方に人気の仕事です。

    一方でデメリットとしては、仕事のハードさと給与面が挙げられます。当直があるため、生活が不規則になることもあります。それでも病院勤務を希望する薬剤師は多く、求人倍率は高いです。専門性が高いため、他業種から転職しようと思っても難しく、新卒から働いている人が多いのが病院薬剤師の特徴です。給料よりも医療現場で働くことのやりがいを重視したいという方には、おすすめの職種です。

    【診療所】

    仕事内容

    患者額が薬を受け取るには、病院から出て外の調剤薬局で薬をもらう「院外処方」と、診療所内で薬を受け取る「院内処方」があります。診療所の薬剤師の仕事は、この院内処方に携わる仕事です。仕事内容としては調剤薬局での仕事とあまり変わらないですが、診療所内の処方のみを扱うことになり、基本的に1人で任されるケースが多いです。

    収入

    年収は400万円前後になりますが、年収を含め職場環境は勤務先の医師次第ということが多くなります。

    特徴

    比較的落ち着いて仕事ができるので、少し余裕を持って働きたい、プライベートの時間を大事にしたいという方には向いています。しかし近年は、病院と薬局を分ける「医薬分業」が進められており、診療所で働く薬剤師は減りつつあります。医薬分業率は、2003年に50%を超え、2016年2月現在で72.1%となっています。

    【在宅医療】

    仕事内容

    在宅医療とは、通院が困難な高齢者や寝たきりの患者さんに対して、医師や看護師などが自宅や施設に訪問しておこなう医療サービスのことです。その中で、薬剤師は服薬や薬剤の管理についての指導をおこなう立場として、今後チーム医療に欠かせない存在になっていくと言われています。

    主な仕事内容は以下の通りです。

    • 調剤した薬を医師に同行して、または単独で患者宅へ届ける
    • 服薬の方法や管理の仕方について、適切な指導をおこなう
    • 薬を適切に服用・管理するために、ヘルパーやケアマネージャー、医師・看護師などと連携する
    収入

    収入は、調剤薬局とほぼ変わらず年収で450~600万円程度です。

    特徴

    同じ患者さんと接する時間が増えるため、ほかの仕事に比べコミュニケーションスキルが重要になってきます。「チーム医療に携わりたい」と考えている人にとっては、非常にやりがいのある仕事です。在宅医療薬剤師になるには、特別な資格は不要です。薬剤師の資格があればできるので、調剤薬局の中には、普段の調剤業務と並行して在宅医療をおこなっている薬局もあります。

    【学校】

    仕事内容

    あまり知られていませんが、薬剤師には学校で働く「学校薬剤師」という働き方もあります。現在、学校保険法により全国の幼稚園、小学校、中学校、高等学校など、大学をのぞくすべての学校に学校薬剤師を1名以上置くこととされています。学校薬剤師は学校保健委員会の一員として、学校の衛生環境を守っています。具体的には、下記のような業務を担っています。

    • 教室の空気検査
    • プールの水質検査、衛生管理
    • 水道水の検査
    • 給食施設の管理
    収入

    学校薬剤師は、その学校の非常勤職員として雇用される形になります。年数回の勤務となるため、それを本業にするのではなく、調剤薬局等で働きながら兼業している方がほとんどです。報酬は県や市によって異なりますが、年間5~10万円程度です。

    特徴

    収入という意味で割の良い仕事ではありませんので、金銭面より地域社会への貢献というやりがいを求めて働く方がほとんどです。学校薬剤師は基本的に各校に1人しかいませんので、欠員が出た場合のみ募集されます。多くは前任者の紹介により後任が決まるケースがほとんどです。紹介した薬剤師の特徴をまとめました。

    職業 仕事内容 年収 特徴 向いている人
    調剤薬局 調剤・服薬指導・薬歴管理 450~600万円 近くの病院に合わせて開局しているケースが多い。 コツコツと仕事できる責任感のある人。
    ドラッグストア 薬剤師業務+レジ打ちや品出し 高め。初任給で400万円~、店長クラスなら700万円~ さまざまなジャンルの商品を扱うため、健康全般の知識が必要。 接客が好きな人、コミュニケーションスキルに長けている人
    病院 基本は調剤薬局と同様。医師や看護師と連携する仕事もある。 400~650万円 専門性が高い。給料のわりにハード。 日々勉強したいというモチベーションの高い人。医療現場で働くことのやりがいを重視したいという人

    知識を最大限に生かす!研究・開発に興味ある方にお勧め

    続いては、調剤業務や地域に根ざす仕事ではなく「研究・開発」の仕事について紹介します。

    • 製薬会社
    • 卸売販売会社
    • 研究機関
    • 化粧品メーカー
    • 食品メーカー
    • スポーツチーム
    • 大学院

    【製薬会社】

    製薬企業は、薬剤師に人気の高い職場です。さまざまな働き方がありますが、ここではおもなものをご紹介します。

    研究

    製薬会社の中で花形といえるのが研究職です。治療のメカニズムや創薬、新薬の臨床開発など、さまざまな研究業務をおこなっています。博士課程を卒業が必須条件で、高い専門性が求められるため、限られた人しか就くことができません。

    開発

    新薬の安全性や有効性の確認、臨床試験などを行います。研究職同様、高い専門性が必要となります。

    MR

    MRとは医療情報担当者のことで、医師や薬剤師に対し自社製品の安全性や有効性をプロモーションするのがおもな仕事になります。医療機関で働いた経験があるなら、比較的なじみのある存在でしょう。

    DI

    DIとは「Drug Information」の略で、「医薬品情報管理業務」と訳されます。知見や臨床試験データなどを収集、整理、管理し、薬剤師や医師、その他必要としている人に適切な情報提供をおこなう仕事になります。

    収入

    製薬会社は薬剤師の仕事の中でもっとも高給な部類に入る仕事です。平均年収は500~800万円ほどですが、会社によって相場は変わってきます。外資系製薬会社では年収が高くなる傾向があり、MRでは年収1,000万円を超えることもあります。

    特徴

    また製薬会社は利益率が高く、財務基盤がしっかりしている企業が多いため、福利厚生も手厚くなっています。土日休みで、長期休暇も取りやすい企業が多いですが、部署によっては残業が多いところもあります。研究開発やDI業務の求人は少なく、人気職のため倍率は高くなります。MRは新卒、転職ともに求人数は多いですが、転職の場合はMR経験を重視されることもあります。

    【卸売販売会社】

    仕事内容

    医薬品卸会社は、事業所ごとに管理薬剤師を配置することが義務付けられています。仕事内容としては、医療用医薬品の品質管理、情報収集・提供などです。医師や薬剤師からの問い合わせがあった場合には対応しなければならないため、幅広い知識が必要になります。また、薬事法などの法律についても深い知識が必要です。薬だけでなく薬事法など、さまざまな知識を身につけたい方には向いている職場になります。

    収入

    管理薬剤師として働くため立場としては管理職となり、年収は600~700万円ほど。一般の薬剤師より高い傾向にあります。

    特徴

    残業が少なく長期休暇も取りやすいため、プライベートを充実させることができます。求人は全国規模で出しているケースもありますが、地方の営業所ごとに出しているケースもあります。医薬品卸の会社数が減ってきているため、求人数はあまり多くありません。

    【研究機関】

    特徴

    研究が好きな方は、研究機関に勤めて薬学研究に没頭することもできます。しかし、研究機関の研究職は非常に採用人数が少ないため、就職難易度は高いです。採用にあたっては、「博士号を取得していること」が前提となります。 働き始めてからも安泰というわけではありません。多くの場合は任期が決められている博士研究員(ポスドク)からスタートし、複数の成果、論文が評価された後、任期無期限のパーマネント研究員となることができます。

    収入

    研究職で働く以上、研究成果は常に求められることになります。年収は400~700万円くらいが多く、民間企業であれば業績によってインセンティブも変わってきます。

    【化粧品メーカー】

    仕事内容

    化粧品メーカーは女性薬剤師に人気の職場です。薬剤師が化粧品メーカーで働く印象はあまりないかもしれませんが、研究や品質管理の分野で活躍できます。最近の化粧品は、医師や薬剤師と共同開発するケースも増えています。そのため、医薬品の成分を扱うことができ、薬事法にも精通している薬剤師が重要な役割を担っているのです。化粧品メーカーで働く薬剤師のおもな仕事内容は成分の研究、品質管理、薬事法申請に係る業務です。

    収入

    年収は会社の規模や、業務内容によっても大きく変わってきます。年収400~650万円くらいの求人が多く、平均は500万円前後です。薬剤師の仕事の中では少し高めです。また、規模の大きい会社であれば、福利厚生も手厚くなっています。

    特徴

    化粧品メーカー薬剤師の求人は少ないのが現状です。人気職種で辞める人が少ないことが理由です。ただ、製薬会社と比較すると化粧品メーカーは数が多いため、その分求人数も多くなります。 また、化粧品メーカーでは調剤業務や服薬指導など一般的な薬剤師の仕事はありません。そのため「調剤業務が苦手だけれど薬剤師として働きたい」という人に向いています。

    【食品メーカー】

    仕事内容

    健康食品の会社にも薬剤師の存在が必要です。基本的に健康食品の開発チームに所属し、商品の開発に携わることになります。新商品が本当に効果があるのか、薬効の詳細なデータを明示したり、安全性について分析、調査をおこなっています。また、品質管理も薬剤師の仕事です。

    収入

    会社によって大きく差が出ます。平均500万円ほどと考えておきましょう。

    特徴

    福利厚生に関しては、化粧品メーカーと同様に会社によるところが大きくなります。食品メーカーでの薬剤師の求人は非常に数が少なく、また非公開求人となっていることが多いです。非公開求人を扱っている転職サイトに登録して、情報を集めておきましょう。商品企画に携わる場合は好奇心旺盛な方が向いています。企画段階ではプレゼンをおこなうこともありますので、プレゼンテーションスキルなど、ほかの仕事にはないスキルも必要です。

    【スポーツチーム】

    事内容

    「スポーツファーマシスト」は、ドーピング防止規則に関する深い知識を持ち、競技者やスポーツ愛好家に対して薬に関する健康教育などの普及、啓発を行っています。そして何より、スポーツにおけるドーピングを防止することをおもな活動としています。仕事内容としては、企業や病院で勤務しながら、都道府県選手団やトップレベルの競技者への情報提供、啓発活動や、学校教育の現場でのドーピングに関する啓発活動などがあります。

    収入

    年収は職場によって変わりますが、正社員の場合年収500~600万円くらいの求人が多くなっています。自治体などの公的機関よりも民間企業の方が給料は高くなる傾向にあります。

    特徴

    スポーツに特化した資格ということで、薬剤師のキャリアの中でも少し特殊ですが、スポーツに関わる仕事がしたい方には魅力的な仕事ではないでしょうか。ただ、求人数は少ないのが現状です。見つけたら積極的に応募してみましょう。

    【大学院】

    仕事内容

    薬学部を卒業し、大学院で博士課程を修了した薬剤師の中には、企業で働くのではなくそのまま大学に残って研究を続ける方もいます。将来のキャリアとしては教授を目指す形になります。 キャリアのステップとしては、博士課程修了後、博士号を得て、まず博士研究員(ポスドク)として働きます。その後助教、講師、准教授、教授と出世していくことになります。

    収入

    博士研究員で働いているうちは、一般の薬剤師より少ないです。ただし助教授になれば平均以上の給料となりますし、准教授、教授クラスになれば年収は1,000万円前後に跳ね上がります。

    特徴

    博士研究員は任期のある身分であるため、不安定な職になります。助教授になれば大学教員となるため安定した生活となりますが、大学教員になれるのは最短でも27〜28歳です。常に研究に追われる生活となりますので、生活は不規則になりますが、研究が好きな方は選択肢の一つとして考えてみてはいがかでしょうか。

    生涯安定!公務員薬剤師として働く

    薬剤師には公務員という働き方もあります。そして公務員のなかにもさまざまな職場があり、意外と知られていない仕事もあります。

    • 地方公務員薬剤師
    • 保健所
    • 自衛隊
    • 麻薬取締官
    • 刑務所

    【地方公務員薬剤師】

    安定した職に就きたいと考える方には公務員薬剤師がおすすめです。公務員には国家公務員と地方公務員があります。地方公務員は、都道府県や政令指定都市の人事委員会がおこなう試験に合格することで就職することができます。公務員試験は薬学知識よりも一般教養を問うものが多く、また各自治体の募集は5名程度ときわめて少ないので、簡単になれるものではありません。

    仕事内容

    地方公務員の仕事を具体的にみていきましょう。

    • 保健所での環境、食品衛生関係業務
    • 衛生研究所での研究、試験検査
    • 薬局や医薬品製造業者への立ち入り検査・指導
    • 県立病院等の医療機関での調剤、服薬業務
    • 消費生活支援センターでの苦情処理、相談

    このように、公務員は必ずしも都道府県庁で働くわけではありません。配属を決められ、約3年のサイクルで各部署を異動するのが一般的です。薬剤師とは関係ないような行政の仕事もこなさなければならないため、仕事に対する柔軟性が必要です。

    収入

    給与面、初任給はそれほど高くありませんが、勤続年数が増えると確実に昇給していきます。また、公務員薬剤師はさまざまな手当てがつくことがあるので、手当て込みの年収は約600万円と、一般の薬剤師よりも高くなることがあります。

    特徴

    何より公務員ならではの安定性は非常に魅力的です。土日が完全に休みで、有休もとりやすいのでプライベートも充実させることができます。また、産休育休などの福利厚生面も充実していますし、年金もしっかりもらうことができるので、生涯働く職場としてはとても安心できる場所でしょう。

    【保健所】

    公務員の中には、保健所で働く薬剤師もいます。保健所で働くと言っても、仕事は配属先によって異なります。

    仕事内容

    主な仕事内容を紹介します。

    薬事衛生

    医薬品の製造施設や薬局などに対し、品質、安全性確保のための許可、監視指導を行う。

    食品衛生

    食品製造業者、飲食店などに対する衛生管理指導を行い、食環境の安全確保を行う。

    生活衛生

    旅館やクリーニング店、美容院や銭湯など、衛生環境のチェックが必要な場所の衛生管理指導や許可・届出・監視業務などを行う。ほかにも試験検査、水道衛生、廃棄物衛生など働き方は多岐にわたります。

    特徴

    本人の意向や適性などを考慮して約3年の間隔で各部署を異動します。社会的貢献度の高い仕事になりますので、薬剤師の仕事とは違ったやりがいを見出すことができます。

    【自衛隊】

    公務員で働く薬剤師の中には、自衛隊の中で働く「薬剤官」という特殊な働き方もあります。自衛隊は防衛相の管轄となるため、合格後は国家公務員になり、自衛隊の幹部職員として働くことになります。

    国家公務員試験の難易度、求人倍率もさることながら、自衛隊に入るには年齢制限があります。募集は20歳以上28歳未満なので、6年制の大学に通う薬学部の学生は、最短でも24歳以上しか挑戦できません。合格後は、幹部候補生学校で約1年間の教育訓練を受けたあと、陸、海、空いずれかの自衛隊に配属され、薬剤官として働くことになります。

    仕事内容

    自衛隊病院での薬品の管理や調剤、医療費の管理が主な仕事ですが、災害時には、現地で薬剤師として医療活動も行います。全国転勤がありハードな職場ですが、ほかの薬剤師とは異なる経験ができるという点で、やりがいを感じることができます。自衛隊に興味がある、災害医療に携わりたいという意欲のある方には向いている仕事だといえるでしょう。

    収入

    平均年収は600万円ほどで、一般の薬剤師より少し高くなります。自衛隊は階級制ですので、頑張って階級を上げることができれば、その分給料も上げることができます。

    【麻薬取締官】

    薬剤師の仕事の中でも特殊な仕事です。厚生労働省の職員として勤務し、不正麻薬の取り締まりや薬物の不正使用の捜査を行っています。麻薬取締官は国家公務員となりますので、採用試験に合格する必要があります。応募資格は国家公務員試験一般職試験(大卒程度)の指定科目に合格すること、もしくは29歳以下で薬剤師国家試験に合格することとなっています。薬学部以外からもなることはできますが、薬学の専門知識が必要であるため、半数以上は薬剤師資格を持っています。麻薬取締官には定員があり、全国で260名ほどしかいません。また、採用は欠員が出た際に不定期で行われるため、非常に狭き門となっています。

    仕事内容

    仕事内容としては薬物犯罪の現場の捜査だけでなく、情報収集、関係者への指導・監督、不正薬物使用の防止活動などもおこなっています。そのほかに薬物の分析、鑑定をおこなっている部門もあります。業務内容により勤務時間や休日は変動することがあります。業務の中では身の危険をともなうこともあります。そのため逮捕術や拳銃射撃訓練もおこないます。

    収入

    給料、福利厚生などは国家公務員としての給与となるため、安定しています。勤続年数が長くなり、キャリアを積んでいけば一般の薬剤師より収入を上げることも可能です。待遇は良いですが、決して楽な仕事ではありません。

    【刑務所】

    国家公務員として働く薬剤師の中には、少し特殊ですが刑務所で働いている人もいます。

    仕事内容

    刑務所で働くと言っても、仕事内容は調剤薬局で働く薬剤師とあまり変わりません。受刑者とは直接会うことはありませんので、服薬指導をすることはなく、調剤業がメインになります。刑務所では薬剤師が少ないこともあり、仕事量は多くなります。高齢者や精神疾患の受刑者が多いため、誤用の防止や、適切な健康管理、処方チェックなどをおこなう必要があり、すべての薬に精通する高い専門性が求められます。

    特徴

    さまざまなジャンルの薬を扱うため、調剤スキルをみがきたいと考えている人には良い職場といえます。また、患者対応がないためコミュニケーションが苦手な方にも向いています。休日は完全週休二日制で残業もほとんどないため、余裕をもって生活することができます。また、公務員としての給与の安定性、福利厚生の充実ぶりはほかの公務員と変わらないため、安心して働くことができます。

    4.薬剤師の仕事は10年後に消える…?

    薬剤師の仕事はAI化する?

    なぜ薬剤師の仕事は消えると言われている?

    お伝えしてきた通り、薬剤師の仕事には一般的に知られている調剤薬局やドラッグストア、病院だけではなく、さまざまな働き方があります。これだけ働き口があれば、確かに一生仕事に困ることはなく、安泰だろうと思ってしまうでしょう。しかし薬剤師の仕事は、「10年後には消えてしまうのではないか」と言われています。一体どういうことなのでしょうか。

    薬剤師が飽和状態に?

    現在は、地方を中心に薬剤師不足が続いています。しかし現在、需要を上回る速度で薬剤師になる人が増え、将来的に供給が需要を上回るようになると危惧されています。厚生労働省によると、平成26年の実際に薬剤師として従事している人数は288,151人。2年前の前回調査より8,099人増加しており、今後も増加が見込まれています。さらに平成20年に開催された厚生労働省の「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」によると、薬剤師の数は今後増え続け、需要数との差が開く一方と予想されています。

    薬剤師の資格を持っていても出産、育児で離れていたり、別の仕事についているなど薬剤師として働いていない方もいますので、実際の需給数とは異なります。しかし需給のバランスが今後崩れていき、今より就職しづらくなるのは間違いありません

    機械化が進み、薬剤師が不要に?

    近年、さまざまな業界で機械化が進んでいます。医療の分野でも例外ではなく、今まで薬剤師が行っていた調剤業務や在庫管理など、多くの仕事が機械化、自動化されてきています。機械化による最大のメリットは、人的要因で起きる医療事故を防ぐことができる点です。調剤ミスをすると命にも関わる可能性がありますので、機械化への流れはより一層強まるものと予想されます。

    機械化の現状と薬剤師の将来性

    現在、特に患者数の多い大手調剤薬局では積極的に機械化が進められています。現状としては、薬剤師の業務の中でもピッキングや一包化などの調剤業務や、在庫管理・発注や薬歴管理などの事務作業に代替する機械が多く導入されています。

    そのほかにも、ピッキングにミスがないか薬剤師のダブルチェックの代わりに鑑査をおこなう鑑査システムや、患者さんの服薬情報を一元管理する電子お薬手帳などの導入も始まっています。機械が導入されることで、ミスの軽減だけでなく待ち時間の短縮も期待できるため、患者にとっても機械化は望ましいことです。

    しかし、このまま機械化が進むと、薬剤師は服薬指導など必要最低限の業務しかできなくなり、需要は減少していくでしょう。薬剤師にとっては死活問題です。機械化される未来を見据えて今のうちから行動を起こすことが大切になります。

    こんな人が生き残る!今後薬剤師に求められる能力

    機械化の波の中で薬剤師が今後生き残るためには、薬剤師としての付加価値を得なければなりません。では、具体的な付加価値とは何なのでしょうか

    在宅医療への知識

    在宅医療をおこなっている薬局はまだ少ないのが現状です。しかし今後、在宅療養の需要は確実に高まっていきます。在宅医療の経験は、薬剤師の転職やキャリアアップにおいて非常に有利になります。在宅の場においては、一般的な薬の知識はもちろん、注射坐位や点滴の無菌調整の技術、医療材料、おむつなどの介護用品についての知識も必要になります。より総合的な知識を持った薬剤師が、これからの医療業界では求められます

    英語力

    薬剤師の仕事には英語はあまり必要ないと思われることが多いですが、これから先、英語を活かすことのできる職場は確実に増えていきます。英語が必要な職場としてまずあげられるのは、調剤薬局やドラッグストアです。観光地など、特に外国人の多い場所には必ず英語が得意な薬剤師がいます。日本語が話せない外国人には英語で服薬指導をおこなうケースも多くなりますので、英語のできる薬剤師は重宝されます。

    また、製薬会社の学術やCROでも英語力は求められます。学術という仕事は医師や薬剤師からの質問に答えるため、英語の文献を読む力が必要になります。

    専門薬剤師、認定薬剤師

    ほかの薬剤師との差別化をはかるために、目に見えるものとして専門薬剤師や認定薬剤師の資格を取得することも効果的です。各領域で専門的な知識がなければ資格をとることはできませんので、優秀な人材として企業側にアピールすることができます。

    コミュニケーション能力

    今後機械化が進むにつれ、調剤などの薬剤師の負担は減りますが、そのぶん患者さんと向き合う時間が増えていきます。知識だけでなく、その知識を相手の立場に立ってわかりやすく説明するコミュニケーションスキルが、これまで以上に求められます。在宅医療を含めチーム医療においては、患者さんはもとより、医師や看護師などチームスタッフとの連携も必要になってきます。

    向上心

    これまでは、薬剤師は売り手市場といわれていて、薬剤師が職場を選んでいました。しかし、今後需要が減っていくにつれ、企業が薬剤師を選ぶようになっていきます。そうなったときに選ばれるのは、常に新しいスキルを身につけようと、高い向上心を持っている薬剤師です。これまでお伝えした能力を自分の強みとできるように、常に学び続ける姿勢を持つようにしましょう。

    5.やっておくべき3選!求められる薬剤師になるために

    【2017年版】薬剤師がやっておくべきこと

    来るべき薬剤師過剰時代を生き残るために、薬剤師が今のうちにできることは何でしょうか?3つのポイントを紹介します。

    1.自分のキャリアプランを設計する

    薬剤師の働き方は多岐に渡り、どの仕事に就くかで必要とされる能力、スキルも変わってきます。将来「必要とされる薬剤師」になるというゴールに向かって、どのような仕事をして経験を積んでいくのか、今のうちから考えてみましょう。

    2.自分に合ったスキルを見つける

    スキルや専門知識を身につけるといっても、すべてを身につけるのは無理ですよね。なので自分に合うと感じるスキル、最低限これだけは伸ばしておきたいスキルの優先順位をはっきりさせておき、この分野では誰にでも負けないといえるものを作るようにしましょう。

    3.さまざまな職場を経験してみる

    自分がどんなキャリアを積んでいけばいいのか、どんなスキルが必要になるのかわからないという方も多いと思います。そのような方は一度転職を検討してみるのもありだと思います。これまでと違う職種、職場で働くことで、さまざまな知見を獲得し、経験を積むことは想像以上にためになります。将来「求められる薬剤師」になるために、転職という選択肢も考えてみてくださいね。

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