注射薬の配合変化とは?配合変化の分類一覧

注射薬を調剤するときには、配合変化に注意注射薬を調剤するときには、配合変化に注意をしなくてはなりません。配合変化とは何なのか、どのような分類があるのか、また、危険性や安全性を見分けるラインについて説明いたします。

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1.注射薬の配合変化とは

ほとんどの注射剤は単独使用を想定して製造されています。単独で使用するときの安定性を高めるために、溶解剤・pH調整剤・防腐剤・安定剤などの添加物が加えられているのが一般的な製造方法です。

ですが、場合によっては2種類以上の注射剤を混合して投与することがあります。このように混合投与したときに、主剤と他の注射剤の主剤、主剤と他の注射剤の添加物、添加物と他の注射剤の添加物、主剤や添加物と輸液ラインが化学反応や物理的反応を起こしてしまうことを『配合変化』と呼んでいます。

配合変化が起こると、沈殿が生じることや白濁・混濁が見られることもあります。また、外観の変化だけでなく、効果がなくなったり有効成分が薄まったりすることや、最悪の場合は患者に害をなす可能性もあります。

特に沈殿物が生じると、輸液ラインフィルターが詰まってしまい、静脈炎などを引き起こすことにもつながります。どの商品の組み合わせは配合変化が起こるのか、どの成分は注意が必要なのかを、薬剤師はしっかりと把握しておくことが求められているのです。

2.配合変化の分類一覧

配合変化は『物理的変化』と『化学的変化』の2つに分類することができます。

物理的変化

注射剤の性質によっては容器の素材が限定されるものもあります。指定以外の容器を使用すると、注射剤と容器が反応して輸液ラインに注射薬が付着したりすることや、輸液ラインの成分が溶け出すことがあります。

例えば、ニトログリセリンなどはポリ塩化ビニルを含む輸液ラインを使用すると、注射薬が輸液ラインに吸着することが報告されています。文献情報や最新データなどを確認し、ポリ塩化ビニルフリーの輸液ラインを使用しなくてはならないものは、適切な輸液ラインを選択するようにしましょう。

また、ポリ塩化ビニルはそのままでは硬く使いづらいので、フタル酸ジ2-エチルヘキシル(DEHP)という成分を製造過程で加えて、曲げやすく利用しやすい素材に加工していることがあります。ですが、注射剤の成分によってはDEHPが溶け出してしまうことがありますので注意が必要です。

DEHPはポリ塩化ビニルの可動性を高めるには有益な物質ですが、急性毒性や内分泌かく乱物質の可能性が報告されています。溶出する恐れがある注射剤と一緒に用いることがないように、注射剤の添付文書や詳細情報をチェックするようにしましょう。

化学的変化

注射剤の液性が塩基性のものと酸性のものを混合すると、酸・塩基反応によって混合液から生成物が析出したり白濁・混濁を起こしたりすることがあります。特にpHが3.0以下の強酸性の注射剤とpHが9.0以上の強アルカリ性の注射剤を混合するときは、化学反応が起こりやすいですので注意が必要です。

酸・塩基反応以外にも化学的変化によって配合変化が起こることがあります。例えば、リン酸塩を含む輸液製剤やアミノフィリン、フルオロウラシルなどの緩衝性が強い注射剤を混合する場合も、適切な情報を検索して注用する必要があります。

その他にも、光分解が起こることや加水分解・酸化還元反応が起こって、品質に異変が生じることも少なくありません。資料をしっかりと読むだけでなく、改訂や注にも目を配り、配合変化を起こさないようにしましょう。

3.注射薬の配合変化を書籍から学ぶ

日々新しい薬剤が製造されていますので、調剤する薬剤師も常に情報をアップデートして行かねばなりません。また、被害が起こりうる組み合わせに対する検証も、日々新しいデータが生まれていますので、最新の情報が必要となります。

頻繁に使用する注射薬に関しては、薬剤の添付資料や院内基準に準じて正確に使用することが大切ですが、特殊な薬剤に関しては、添付資料だけでなく製薬会社が公表している最新版の情報にも目を通しておく必要があると言えるでしょう。

注射剤の配合変化に関する書籍は、新しい研究結果や新しい薬剤の情報が加えられ、何度も改定版を出版しています。最新の書籍でチェックすることでも、患者の健康を守ることができるでしょう。

4.まとめ

注射剤は他の内服薬や外用薬と比較すると、即効性が高いだけでなく大きな効果が期待できる薬剤です。その分、危険性も伴いますので、使用する際には細心の注意が必要です。

また、注射剤は単独での使用を想定して製造されていますので、2種類以上を混合するときは注意の上に注意を重ねて実行することが求められています。液性や輸液ラインの材質、添加物の組み合わせなどをしっかりとチェックし、沈殿物や濁り、性質の変化が起こらないようにしていきましょう。

そして、常に新しい情報を入手することも必要です。製薬会社や研究機関が公表しているデータをチェックし、健康被害が生じないように注意しましょう。

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